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アルテミス計画
アルテミス計画とは
(報道されたことの要約(↑))
11月16日、アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」(SLS)が打ち上げられた。
「アルテミス計画」では、2025年を目標に宇宙飛行士による月面着陸を目指しているという。
かつての「アポロ計画」とは異なり、月を火星に人類が向かうための足掛かりになることが期待されているという。
月を周回する宇宙ステーション「ゲートウェイ」を建設することにより、宇宙飛行士を定期的に送り込んで滞在することを可能にする計画だという。
この計画が実現すれば、2030年代に火星に人類が着陸することができるかもしれない。
今回の計画では、女性飛行士や日本人宇宙飛行士が月面に降り立つことも検討されているという。
宇宙開発には、膨大な費用がかかるし、それに見合うだけの成果があるのかという議論は昔からある。懐疑的な気持ちがあることを否定しない。
しかし、宇宙開発には夢がある。かつて、たしかSF作家のアーサーCクラークだったと思うが、「地球を宇宙から撮った写真1枚だけでも、宇宙開発の意義は大きい」というようなことを言った。
自分の住む星を、外から写すということは、たしかに素晴らしいことだと思う。自らが行きたいとは、まったく思わないが、宇宙開発というものは、人々をワクワクさせるものがある。
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知るには、角川文庫が便利。
索引がついていて調べやすい
ところで、大きなプロジェクトの名前に込められた意味を知るには、「ギリシア・ローマ神話」の知識があると面白いかもしれない。
文学でも映画でも、神話に登場する名前を知らないと、比喩がよくわからないということがある。
トマス・ブルフィンチ(大久保博[訳])の「ギリシア・ローマ神話集(上)(下)」(角川文庫)で、「アルテミス」を調べてみた。
戦いの神アーレス(マールス)もゼウスとヘーラーの息子でした。
弓術と予言と音楽のかみ、輝けるアポローンは、ゼウスとレートーとの間に生まれた息子です。そしてアルテミス(ディアーナ)の双子の兄でした。妹のアルテミスが月の女神であったように、アポローンは太陽の神でもあったのです。
なるほど。アポローンとアルテミスは、二人ともゼウスが父親の兄妹で、アポローンが「太陽の神」、アルテミスが「月の女神」だったということか。
全部紹介すると、きりがないので、適当に飛ばしながら、「アルテミス」が登場する場面を拾っていく。
むかしシューリンクスという名のニュンペーがいてね、森にすむサテュロスや妖精たちにたいそう愛されていた。けれども本人は誰の愛も受け入れようとはせず、アルテミスの女神を心の底から崇拝して、獲物ばかり追いかけていたんだ。狩りの衣装を身にまとったシューリンクスの姿はアルテミス自身と見まごうばかりの美しさだった。
シューリンクスとアルテミスは似ていて、とても美しい。アルテミスはシューリンクスに心の底から崇拝されていた。
この山には糸杉や松で鬱蒼とおおわれた谷があって、その谷は狩猟の女神アルテミスに捧げられていました。
アルテミスは「狩猟の女神」でもあるのか。
レートーは、アポローンとアルテミスとを生む以前に、ヘーラーの怒りを逃れてアイガイオン海(エーゲ海のこと)にある島を一つ残らずたずねて安住の地を求めましたが、どの島もこの権威ある天の女王ヘーラーを恐れるあまり、女王の恋仇のレートーを助けようとはしませんでした。ところがデーロスの島だけは未来のアポローンとアルテミスの神々の生誕の地とあることを承諾しました。当時はこの島は浮き島でしたが、レートーがそこへたどり着くと、ゼウスはこの島を堅固無類の鎖でしっかりと海底に結びつけて、愛するレートーのためにそこを安全な落ちつき場所にしてやったということです。バイロンは「ドン・ジュアン」の中で次のようにこのデーロス島にふれています。
ギリシアの島々よ!ギリシアの島々よ!
燃える思いのサッポーが恋をし、詩をうたったところよ、
戦争と平和の芸術が育ったところよ、
デーロスの島がそびえ立ち、ポイバスが生まれたところよ!
エーゲ海、デーロス島!
なんか世界史の時間に習ったことがあるような😄。
デーロスとは、この部分を読む限り、神聖な場所。アポローンとアルテミスの生誕の地となるべき場所。
他にもアルテミスが登場する場面があるが、この記事ではここまでにしておきます。
地図を見ながら、神話を読むのも面白いかもしれないと思いました。
宇宙の話と地上の話が絡み合っている「神話」って面白いですね。よく言われることがありますが、「ギリシア・ローマ神話」の神々は、人間味にあふれています。
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「ギリシア神話を知っていますか」は
分かりやすい。
ただ、網羅しているわけではないので、
前に掲げた角川文庫版と
併用するとよいと思う。
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