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短編 | スベリ高等専門学校

 勉強には二通りの仕方がある。

 1つ1つ積み上げながら学んでいく方法。小学生や中学生が算数や数学を学ぶように。
 もう1つの方法は、1つのテーマを追いかけて、それに付随する知識・技術を身に付けていく方法。

 昨年創立された「スベり高等学校」ではあらゆる「スベリ」を学ぶ。


1時間目。ギャグすべり学原論。


 スベったギャグに関して、その歴史的経緯やスベった原因を失敗学的観点から学ぶ。


2時間目。

体育(ローション坂のぼり、スベリ台)


  裸になってローションを塗られても、安全⛑️に歩く方法を学んだり、勢いをつけても無事にスベリ台を滑る方法を習得する。


3時間目。
物理学(摩擦係数とスベリ。)


  2時間目で体感した「スベリの感覚」を物理学的視点から考察する。
 摩擦係数の理論と実践の科学。


4時間目。心理学
大学受験にスベってしまったときのメンタルの立て直し方を学ぶ。


 基本的に受験にスベってしまったときの対処法を学ぶ。
 大半の卒業生は、不合格でもいっこうに気にしないメンタルを獲得しているとのことである。


 この学校は進学校なのだが、大学受験合格のための学習はいっさい行われていない。
 人生には失敗が付き物であることを深く学ぶという理念を大切にしているという。成功などどうでもいいという校風だとのこと。


https://note.com/tarahakani/n/n22895abc80a8


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山根あきら | 妄想哲学者
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします