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英語表現を覚えたらアレンジを加えてみよう




(1) make a contribution to ~ing


 たとえば「make a contribution to ~」(~に貢献する)と表現を覚えるとする。
 そのまま覚えておけば、少なくても他人の書いた文章のなかで「make a contribution to ~」という表現が登場すれば意味を理解することができる。

 しかし、このままだと「to ~」のあとに名詞がつづくのか、それとも動詞の原形がつづくのか、迷ってしまう。
 だから、「to ~」が前置詞なのか、「to + 動詞の原形」という不定詞の to のなのか迷わないように、例文ごと覚えておいたほうがよい。

He made a contribution to the project. 
(彼はそのプロジェクトに貢献した)
という例文を覚えておけば、「to」が前置詞なのだということを一緒に覚えられる。


 ここまで覚えておけば、とりあえず、他人の文章を読むときにも、自分でこの表現を使うことが出来る。熟語表現・定形表現を覚えるときには、最低限、短い例文ごと覚えておくことが望ましい。

 さらに覚えた表現を自分のものとして
使いこなすには、少しアレンジを加えてみるとよいと思っている。

 たとえば「make a contribution to ~」を使って「大いに貢献した」と言いたいのなら、
He made a big contribution to the project. のように、contribution の前に「big」を加えるだけでよい。

 もう少しひねりを加えるのなら、「big」の対義語の「small」を使って、「no」で打ち消して、
He made no small contribution to the project.
とすれば、同等の意味の文を作り出すことができる。

 同様に、「重要な貢献をした」と表現したいならば、
He made an important contribution to the project
とすればよい。
あるいは、「of + 抽象名詞」で「形容詞」と同等のことを表現できる(ただし名詞の後ろに置く)ことが思い出せれば、
He made a contribution of importance to the project
とも言える。

「とても重要な貢献をした」ならば、
He made a very important contribution to the project.
または、
He made a contribution of great importance to the project. 
と表現できる。

「貢献した」をもっも強調したいならば、
He did make a contribution of great importance to the project. 
という文が作れる。

「彼」を強調したいならば、
It was he that made a contribution of great importance to the project. 
となる。


 「彼」ではなく不特定多数の人に依る貢献ならば、

No small contribution to the project was made.
と受け身形に書き換えてもいい。

 そのほか、「貢献した」ことに、濃淡をつけた発言にしたいならば、
I can definitely say that ~
It is no exaggeration to say that ~
It may safely be said that ~などを文頭に置いてもよい。


(2) arrive at ~ 


 「arrive at~」は「~に到着する」の意味。

「彼は空港に到着した」ならば、
He arrived at the airport

「彼は空港に到着するのが遅れた」だったら、どう表現したらよいだろう?

「彼は空港に到着するのが遅れた」を
「彼は遅れて空港に到着した」と読みかえれば、

He belatedly arrived at the airport. というように「belatedly」(遅れて)という副詞を挿入すればいい。

もう1つの考え方として、
「彼の空港への到着が遅れた」と読みかえれば、「He arrived at the airport.」を名詞化して、
His arrival at the airport」(彼の空港への到着)とした上で
His arrival at the airport was delayed.
と表現することも考えられる。

「arrive」という動詞が出てきたら、
「arrival」という名詞も一緒に覚えておくと、表現のバリエーションを増やすことができる。


(補論) 名詞化すると「時制」的に中立になる


「He arrived at the airport.」(彼は空港に到着着した)という過去形の文を 
「His arrival at the airport」のように
名詞化すると「時制的に中立」になる。
時制的にニュートラルな固まりにしておくと、たとえば「彼が到着した」ことと他の出来事を並置する場合、どちらかを「過去完了形」にしなければならないのか?、ということを考える必要がなくなる。

When I arrived at the airport, he had already arrived there. 
(私が空港に到着したとき、彼はすでに到着していた)
過去形と過去完了形の混在している。

名詞化すると、
My arrival at the airport was later than his. 
「私の到着は彼(の到着)より遅かった」
→この文では「was」という過去形の動詞を1つ用いるだけでよく、過去完了形を使わなくて済む。

文を名詞化して、使う動詞を減らし、動詞部分を軽くする方法については、また稿を改めていつか書いてみたい。


むすび


 単語・熟語集を何周も繰り返し覚えることも大切だし、英文を「読む」ときに役立つことは否定しない。だが、覚えたことを活性化しておかないと、なかなか使いこなせるようにはならない。

 この記事では、「make a contribution to ~ing」という表現をいろいろ活用してみたり、「He arrived at the airport.」という文を名詞化してみた。

 熟語的な表現でも、名詞の前に形容詞を置くことができるので、余裕があればどういう形容詞と結びつきやすいのか、辞書で調べて「コロケーション」として覚えておくと使い勝手がよくなる。

 また、動詞を含む慣用表現ならば、時制、態、アスペクトなどを変化させておくのも、記憶を定着させたり、英作文をする上で役立つと思う。

 そのためには、出てきた表現をそのまま覚えるだけではなく、基本的な文法的知識を定着させておくのも大切になる。

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単に学習法だけを取り上げるのではなく、英語の周辺の知識と身につける方法を考えます。また英語を学ぶ意義について、時折振り返ります。

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