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一語の宇宙 | someとanyの使い分け

 中学生で英語を学ぶとき、「some」も「any」も、「いくつかの」という意味で教えられることが多い。そして、「some」は肯定文で、「any」は疑問文・否定文で使いましょう、と。

 そのような「縛り」があるせいか、中学生の問題集をたまに眺めると、本来は「some」のほうがよいと思われる文脈でも、「any(この場合はsomeでもよい)」という解説があったりする。

 また、「いくつかの」という日本語に「some, any」を対応させているから、次につづく名詞は「複数形でなければならない」という誤解を招きやすいように思う。


 しかし、すこし学習が進めば、こういう、someとanyの捉え方では無理があることに気付く。
 結論を先に言えば、「some」は「漠然とした量や数」を表し、「any」は「どんな◯◯であっても」というニュアンスを表しているに過ぎない。また、someとanyのあとに複数形の名詞が来るのか、単数形の名詞が来るのかは、もっぱら文脈に依る。

I speak some English. 
(英語は[すこし]話します)

Any book will do as long as it is interesting.
(面白いなら、[どんな]本でもいい)

 「some」や「any」のあとに複数形ではない単数名詞がつづくことは多い。


someとseveralの使い分け


 私は「someとanyの使い分け」はなく、ニュアンスがまったく異なるもので、異質な単語同士だと考えている。
 それよりも「someとseveralの使い分け」のほうをもっとキチンと教えたほうがいいように思う。

 「some」が「漠然とした量、数」を表すなら、「several」は「明確な数」を表す。
 もちろん、どちらも日本語にすれば「いくつかの」だが、話者のイメージは異なる。

 「some boys」と言えば、男の子であることはわかるけれども、ハッキリと3人、4人という人数まではわからないというニュアンス。
 それに対して「several boys」と言えば、人数までハッキリとわかっているけれども、人数自体をぼかして言いたいというニュアンス。

 「a boy」と「a certain boy」も同様。どちらも「ある(ひとりの)少年」だが、
「a certain boy」と言う場合は、「言おうとすれば確実に誰々という少年」と言えるが、あえて実名や素性をぼかして言っているニュアンスになる。
 「certain」のコアの意味は、「a certain boy」と言うときも、「確実な」という意味であることになんら変わりはない。



「一語の宇宙」では、基本的に「一語の英単語」のエッセイですが、今回の記事では説明の都合上、複数個の英単語を扱いました。

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