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小説 | 白い家 ①
「君はホワイトハウスに行ったことはあったっけ?」
「ホワイトハウスってアメリカの大統領府の、ですか?」
「ははは、違う違う。ここから車で1時間くらいのところにある廃墟になった白いアパートのことさ」
あぁ、あの廃墟か。確かにうわさで聞いたことがある。ただ、ホワイトハウスに行った次の日には、体に変調をきたすと友人が言っていた。本当かどうか知らないけれども。
「聞いたことはあります。友達が言っていたのを。何人かで一緒に行ったと聞きました」
先輩は急に黙りこんだ。何を考えているのだろう?
「実はね、オレも行ったことがあるんだ。事前にいろいろ話を聞いていたんだが、なんの変哲もない廃墟だった。確かに辺りに人は住んでおらず、不気味だったのだが…」
僕は何かヤバそうな気配を感じた。少し背筋に冷たいものを感じた。先輩は話し続けた。
「オレが前にホワイトハウスに行ったときは友達と2人で中に入ったんだ。帰ってきてから聞いた話によると、どうやらホワイトハウスの中には、1人きりで入らないと心霊現象は見られないらしいんだ」
「そうなんですね」としか僕には言えなかった。
その日はそのまま先輩と別れた。しかし、家に帰ってからもホワイトハウスのことが僕の頭から離れることはなかった。
ホワイトハウス。いったいそこで何があったのだろう?
僕は気になって、「ホワイトハウス 廃墟」で検索したみた。数件ヒットした。
ウィッキーサンペディア
◯◯県✕✕市郊外にある廃墟。白いアパートであることから「ホワイトハウス」と呼ばれている。詳細不明。
あまちゃんブログ
なんでこんなのが有名なのか、はっきり言ってわからない。内部に入ると落書きだらけ。ただの廃墟。
他のサイトの記述も大して変わらない内容だった。どうやらホワイトハウスで見られるという心霊現象は単なる都市伝説なのだろう。
僕は何の根拠もなく、ビビっていたのが急にバカらしくなった。
だが…
(800字)
…続く
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#800字
#つづく
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