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バイクで美術館巡り:森の美術館

〒270-0122 千葉県流山市大畔 315
http://morino-bijutsukan.com

駐車場

バイク:専用の場所はないがおおよそ問題なく駐輪できる
自転車:専用の場所はないが問題なく駐輪できる
クルマ:無料駐車場あり (下写真)
入場料: 600 円 (ドリンク付き)

地図上では少々分かりにくい場所にありそうに感じるが、すぐ隣に建設中の小学校と中学校 (共に「おおぐろの森」) を目指せば迷う事はない。ウェブサイトでは開館情報などの詳細な記述はやや少なめなので、万全を期すなら電話して聞いた方がよい。

東京都心から流山に来ようとして首都高速の終点の三郷ICで下りると、クルマやバイクは江戸川にかかる流山橋の非常に激しい渋滞にハマる事になる。この橋は、自転車はその側道にあたる歩行者・自転車用の橋を渡ればいいので問題ない。三郷駅周辺は道の細さの割に大型車が多く、バイクでの渋滞すり抜けには技量と運の良さを要する。クルマ、バイクは首都高から常磐自動車道に入って、一区間だけでもったいないが流山 IC まで行った方が精神的に非常に楽である。流山インターチェンジの利用には、かつては事実上の割り増し料金がかかっていたが、2015 年からそれはなくなった。

2 駐車場全景

美術館

美術館は、非常にこじんまりとした、展示室が一つだけの小さな建物である。なので、さっと見るだけなら 10 分もかからない。企画展と所蔵品展を行っていて、長い年月を通じて数カ月ごとに展示品が変わり続けているような印象である。そのため地元からの来館者が繰り返し、折りに触れ散歩がてらに気軽に来るような雰囲気である。

3 展示室全景

展示の内容は幅広い。所蔵品は人物画が多いようだが、企画展は地元の芸術家にこだわったりはせず、また前衛的な現代芸術でもなく、展示作家のネームバリューに頼るようなこともなく、万人に親しみやすい作品を多く展示しているように感じる。小学生の見学などもたびたびあるようだが、こういった方向性は芸術性の涵養に多いに資すると思う。

美術館には木立に囲まれた芝生の庭があり、コンサートやダンスなどのアートイベントがたびたび行なわれている。これも有名アーティスト呼んで大観客で盛り上がるというよりは、近所の興味のある人たちがゆったり気軽に楽しむといった風情である。

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4 展示室からカフェを

食事

館内には小さなカフェスペースがあるが (営業時間など要確認)、食事の提供はない。

5 カフェスペース

徒歩5分ほどのところ、流山自動車学校の向かいに中華料理屋がある。また開き直って東に 20 分ほど歩けば流山おおたかの森駅で、周辺は新しく開発された住宅街である。大きなショッピングセンターがあって食事には困らない (バイクの駐輪場は敷地南端の東側に10台分程度)。美術館から自動車学校の前を通って北に同じくらい行くと初石という住宅街で、個人経営の飲食店などが点在している。

周囲

流山はその長い歴史の割に観光資源が豊富とは言いがたいが、美術館から西に徒歩 10 分ほどの所に茂侶神社という平安時代の創建と考えられている神社がある。また同じく4 km ほどのところに赤城神社という、流山の地名の元になったとされる神社がある。こちらは茂侶神社よりすこし新しく、鎌倉時代の創建らしい。なお「赤城」は、群馬県の赤城山から来ているそうだ。

流鉄の平和台駅近くの流山南高校、イトーヨーカドー、ビバホームのある場所は、かつては帝国陸軍の食料庫 (兵士の食糧および馬の飼料) があり (参考1参考2)、そのために空襲を受けたり流鉄が銃撃された事があったそうだが、戦跡としては記念碑しかない。ただ市立博物館 (流鉄流山駅徒歩5分、無料駐車場駐輪場あり) に資料があり往時の様子がよくわかる。また付近の道路の走り方を見てみると、かつての鉄路の有り様が想像できる。

幕末史に詳しい人にとっては、新撰組の近藤勇が捕縛された地として流山は知られている。その現場となった陣屋の跡が美術館から3 km ほど、流山駅のすぐ近くにあるが、そこは酒店になっていて、みりん (調味料の味醂) が売られている。現代の流山で特筆すべきは、みりんである。この酒屋のものは非常に上品な味のする調味料であり、また陣屋跡からちょっと北にある「かごや商店」で売られている特上味醂は非常に甘く、炭酸水などで割って飲むと市販のサイダーに勝るとも劣らないおいしさである。ここの店頭では、ご当地アニメ「ろこどる」のグッズが飾られていて、聖地巡礼に来た人のための記帳ノートがある。

近藤勇と言えば「今宵の虎徹は血に飢えておる...」という講談での決めゼリフが有名だが、流山から 40 km くらいの佐倉にある塚本美術館に行けば虎徹が展示されている (近藤勇のものではないが)。そこにほぼ隣接している佐倉市立美術館も (企画展によっては) 非常に見ごたえがある。佐倉は古い城下町で蕎麦の老舗がいくつかあるが、その佐倉、成田を含む北総地域はウナギ料理が名物でもある。しかし、ナマズの料理が案外よい。特にてんぷらがうまい (下の写真は印旛沼漁協直営食堂で食べたナマズのてんぷら)。滑らかなタラといった食感である。そしてウナギよりだいぶ安い。

6 ナマズ

流山は観光地としては地味かもしれないが、丁寧に見ていくと発見が多く、案外見どころの多い印象である。


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ふえふき
ありがとうございます!細く長く取材と執筆を継続していこうと思います。

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