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バイクで美術館巡り:益子参考館

〒321-4217 栃木県芳賀郡益子町益子 3388
https://mashiko-sankokan.net

駐車場

バイク:専用の場所はないが混んでなければ駐輪できる
自転車:専用の場所はないがおおよそ問題なく駐輪できる
クルマ:無料駐車場あり
入場料:800 円

別の記事にいただいたコメントで、これはぜひ行かねばと思い、行って見た。

益子参考館は益子市街地の東の端の辺りにある。益子の中心部を東西に走る県道 230 号線は、262 号線との交差点から東に向かって、窯元ショップやカフェの並ぶちょっとオシャレな感じの通りになっているが、その通りの東端の「道祖土」という初見では読める気のしない交差点 (さやど、と読む) で細い道に左折で入れば、参考館の看板がすぐ見える。

1 開門前

なお、記事のタイトルに反してここにはクルマで行った (雨天だったから...)。バイクは、雨の日も走れるが風が強いと恐い。この点は、バイクは鳥に似ている。

美術館

館を運営している法人は「濱田庄司記念益子参考館」という。人間国宝の陶芸家、濱田庄司 (1894-1978) が自分の創作活動と民芸運動のために集めた世界各国の芸術性を備えた日用品と、濱田庄司の作品を展示した美術館と言えるが、4つある館は石造りの蔵や移築してきた古民家、作業場などであり、かつ敷地内は美しい庭園になっていて、まずその全体の調和の素晴らしさが筆舌に尽くしがたい。

庭

邸宅内

私が行った日は雨で、薄暗く落ち着いた室内から、新緑の濡れた鮮やかさに溢れる窓を見ながら、そして静かな雨音に包まれながらコーヒーを片手に一休み、という稀に見る好機を得た。今どきの若者の言葉を借りれば、控えめに言って最高だった。

カフェ

入口のたたずまいも趣があるが、石造りの展示館もよい。展示物はひとりの人間の感性で集められたものなので、必ずしも体系的な収集でない事もあって、それに共感するかしないかで評価が分かれるかもしれないが、「実用の美」とはこういうことか、と感じ入る。工学的ないわゆる「機能美」とは違って、シンプルで何気ない日用品に芸術的な意匠をうまくあしらう、というように感じた。その「うまく」を世界各地ではどうやっているのか、というあまたの実例を見る事ができる。

展示

展示2

濱田庄司の作品は色彩的に派手なものではないが、大物から小物まで、一生見続けても飽きないような不思議な、あるいは不可解と言ってもよさそうな魅力や迫力がある。前衛的だったり近代的だったりといった風には感じなかった。作品は建物と (石造りも古民家も工場も) 非常によく合っており、その雰囲気に浸るために、四季の遷ろうタイミングで何度も訪ねたくなる。館の方に聞いたところ、敷地内では折々に紫陽花、すずらん、メイアップル、なずな、椿などの花を楽しむ事ができるそうで、私が行ったときも少し、雨に濡れそぼって咲いていた。

作品

はな

食事

館内には喫茶室があってコーヒー、紅茶やちょっとした和菓子などはあるが、食事の提供はない。しかし館を出て県道 230 号線を西に、通りの両側を眺めながらのんびり行けば、そば屋、カフェ、和菓子屋などがあり、食事にはさほど困らない。館から東には地図上では (実際に見た感じでも) 何もなさそうに見えるが、個人経営のカフェなどが点在している。

周囲

益子から 10 km ほど西に行けば真岡、西北西に 20 km ほど行けば鬼怒川を渡って宇都宮の市街地、15 km ほど南東に行けば笠間である。東北東に 20 km くらいでツインリンクもてぎがあり、そこにはホンダコレクションホールという、ホンダのバイクやF1カーを展示している博物館がある。また自分のバイクでサーキットを走れる日などがある。ゴーカートが子供向けと大人向けとそれぞれあったりするので、体が動くなら丸一日飽きないと思う。

笠間は世界でも有数の陶芸 (陶器による芸術) の里である (例1例2)。見るものには事欠かない。県立陶芸美術館は常設展でも数カ月毎に展示が結構入れ替わるが、いつでも一見の価値はある。人間国宝の作品を買ったりもできる。日本三大稲荷の一つ、笠間稲荷もある。笠間稲荷は小さいながらも美術館を備えている。

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ふえふき
ありがとうございます!細く長く取材と執筆を継続していこうと思います。

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