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櫟 茉莉花
2023年11月3日 08:20
もしも、一滴一滴の雨に生命が宿っていたら…… 私は、そんな空想をします。 ※一滴の雨が、空から舞い降りています。 彼は考えます。 「僕は、まだ生まれたばかりなのに、落下するしか出来ることがないんだ……この先、一体どうなるのだろう?」 「何故、僕は生まれたの? どうして、生きないといけないの? 死ぬことは出来ないの?」「生きるってどういうこと? 死ぬってことは?」 一滴の雨に
2023年10月7日 07:58
(本作は4,917文字、読了におよそ8〜12分ほどいただきます)「走らない! 特にファースト! 何度言えば分かるんだ! 勝手にテンポを変えるな!」 静まりかえった練習場に指揮者の野太い怒声が響き渡り、微かにティンパニに共鳴する。数日前より、エアコンの調子が芳しくなく、高温多湿になりがちな練習室は、オケメンバーの苛立ちが充満している。 しかも、今回の客演指揮者は、河内というパワハラ気質の短