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反逆のオタクが『奪還のロゼ』で脳を焼かれた話vol3「裏返った盤面/ギアスの特異点・皇重護の話」

 こちらは前回記事の続編的な内容となっています。まだ読んでいないという方は是非!!
https://note.com/phzes/n/n5db28e011cc4

※この記事には「コードギアス 奪還のロゼ」第3幕のネタバレしかありません。
映画をまだ観ていない方は、読まないことをお勧めします。

今回も例に漏れず怪文書的な内容…と言いたいところですが、割と真面目な感想に専念する記事となります。
お話の内容的にかなり語りたい箇所が増えてきたことと「気持ちを降ろす」のに相当な労力を費やすことが分かってきたので、少なくとも最終幕を観るまでは「皇サクヤへのメッセージ」はお休みです……

 
 もし、怪文書を楽しみにしてくださっている方がいたのなら、今回はご期待に沿えず申し訳ありません、
全てが終わった後、出せる限りの特大の感情をぶつけようと思います。
言うなれば『恋文』です(ここは流し見してください)。
乞うご期待……

「アッシュは皇重護を殺していない」
第6話衝撃の引きと次回予告を見ての、
1か月という待期期間。
あーでもないこーでもないと盛り上がるSNSでの考察を見たり、時には参加したりで過ごしたので、あっという間に過ぎ去ったような気もしますが、
やはり鑑賞当日はめちゃくちゃ緊張して劇場に足を運びました……
そして、そこで目にしたのは……

 前回のように長々語るのもアレだと思うので、とりあえず自分の感想をまとめるとこんな感じ。

・アッシュの過去がとにかくお辛い……(ノーランドが元ナイトオブファイブ!?)
・殺人に手を染めてしまったニコル。守ろうとする必死さが先行していて家族と意思疎通が図れていなかったのはルルナナを思い出す…。
・シャルルたちという前例もあり毒親説も出ていた「皇重護」の聖人っぷりにアッシュが救われて良かった。
・博愛の人である重護の「嫌いなものはない。だが、好きに優先順位はある」はかなり重要なメッセージではないか?
・父親公認のアシュサク
・なぜノーランドはアッシュの逃亡を見逃がしたのか?
・「あなたの最も大切な者として、私を守りなさい」
・ギアス掛けられたシスターがめちゃくちゃ喋るな!?と思ったけど、
重護との出会いで「自分のことを話す」を会得したアッシュの自己開示ゆえか…と納得。
・「ギアスなんて必要なかった」
・ロゼ拘束、アーノルド&キャサリン襲来で「最大の危機」を予感させる7話の引きが秀逸過ぎた。
・KMFの市街戦が最高だったのだけど、ギアスキャンセラーによりアッシュが使い物にならない&圧倒的物量で押されているため黒戸の指揮でもジリ貧。
最終的に戦局を変えたのは岩本ら決死の特攻。
敵味方共に「反逆のルルーシュ時代の超人」がいないことを痛感させられた。
・吉野裕行の怪演が光るクリストフ劇場。
拘束されたサクヤのおっぱいがすごいことに
実験台にされた日本人が次々犠牲となることでサクヤに精神的ダメージが…
加えて堅気じゃないクリストフに「ギアスの罪」を教えられる……
・七煌星団にクリストフの研究所位置をリークしたスタンレー。
彼の研究にとってオカルトのギアスは邪魔なようだが……(ノーランドが気づいてないとも思えないが、気づいてなかったらそれはそれで……)
・サクヤからギアスを与えてもらいたかったノーランド……お前ギアスユーザーじゃないの???
・サクヤに真実を確かめに来たアッシュ。それほど苦戦することなくかつての師・クリストフを撃破!(なお脱出した模様)。
やっぱり一人だけ反逆のバケモノレベルだ…
・真実を問うアッシュに全てを告白し、謝罪するサクヤ(ここまでは予告で描写されていた)
→「ですが、サクラ奪還に協力して頂けないでしょうか?その後、私はどうなっても構いません」
素直に謝ったけど、その後の要請は図々しいというやつでは…?
・1発銃をぶっ放すアッシュ(サクヤには命中させない)。
やはり許せずそのまま帰る。サクヤの謝罪に続き2度目の「嘘やろ!?」と思った瞬間。
・クリストフが実験再開、どうするサクヤ?と思われたその時、アッシュがアポロで突撃し窮地を救う。
・逆転されたクリストフ。サクヤがギアスを掛けようとするも、操り人形になることを拒否して自裁。
・「俺はまだすべてを許すことは出来ない。それでも、俺を救ってくれた皇重護の言葉は信じている!」
手を差し伸べたアッシュがめちゃカッコいいし、救われた瞬間のサクヤの顔がマジで可愛い…本当に可愛かった。
・怒涛の出来事の連続に加え、「七煌星団ほぼ壊滅状態」「ネオ・ブリタニアと超合集国の和平交渉」「サクラの正体もバレてしまった」で精神限界状態のロゼ(サクヤ)→
→思考停止に陥り物部にめっちゃ怒られる(仲間意識あるが故に)
→日本人犠牲者やその遺族を目の当たりにして自分の責任を痛感
→一人「ロゼ」としてサクラや故郷奪還への決意を新たに誓う。
てっきり誰かに励まされるとか兄さんと和解しての絆で…とかではなく、サクヤ自身が怯える自分に喝を入れこれからの自分の道を決めていくという立ち直り方。
「流石、俺を惚れさせた女……傷つきやすいけど、強い芯を持っていた!!」とこれまで以上に好きになりました。
・和平交渉代表として超合集国に乗り込むナラ。
強気な姿勢の超合集国だったが、ブリタニア・バッシングなどに言及するナラ相手に苦戦し、長丁場へ……事態打開のためコーネリアは皇神楽耶に超合集国議長への復帰を要請する(なお声無しではあるがギルフォードも再登場)。
・「数か月後」←尺が短いのは分かるけど、力業過ぎる…(その間のアシュサクは多媒体で語られる?そうであってくれ)
・ヌルっとアッシュに告げられる「ラズベリー=サクヤ」。
気まずそうなサクヤと真っ赤なアッシュ……めっちゃ可愛い……。
・第6話でヴァルターに正体のバレたサクラだったが、実はシェリーの騎士だった彼は「サクヤのために」ということでサクラの協力者に。そのサポートもあり、サクラは徐々に政庁内で支持を集めていく。
→その一方、専属騎士であるキャサリンとの仲は相変わらず…なのだが「自分の弱さ」を嫌うキャサリンにサクラは歩み寄っていく……
・事態急変!!全世界に謎の兵器が出現!!人間だけを感知し、吸い込み、殺していく……
ノーランドがスタンリーに用意させていた兵器が恐らくこれであり、ノーランドの最終目的に通ずる?(だがこれだけではまだ真意がよく分からない)
・殺人兵器を目の当たりにするという形で
スザク、ナナリー(反逆のルルーシュ)
アキト、レイラ、アヤノ、リョウ、ユキヤ(亡国のアキト)
オルドリン、ソキア、オルフェウス、マリーベル(双貌のオズ)が登場。
実は前々から匂わされていたギアスオールスターズがいよいよ開幕するようです……(予告からするとKMFに乗って戦う模様)

・ホッカイドウブロックにも上陸する殺人兵器…喫茶店シュマリにもその影が……

ここからいくつかのトピックをつまんで細かく語ります(本当は全部語りたいんだけど…)


『皇重護』という特異点

 ついに登場したサクヤの父・重護。
一部では黒幕説も上がっていて自分もそうじゃないかと思っていたが、第2幕で伝えられた「博愛の人」という評通りの人物、聖人。
彼に救われたアッシュが怒りを感じながらもサクヤのピンチを救う。
また彼から愛情を受けて育ったからこそ娘のサクヤは情に厚い人物となり、また親類であるサクラの人種で分け隔てない政治姿勢にも影響を与えたと思われる。

黒戸率いる七煌星団は「血気盛んなテロリスト」の色が薄い、理性的なレジスタンス集団だと個人的に感じているが、この集団もまた重吾やシェリーその政治理念を支持しているように描かれており、

つまり、奪還のロゼのいわゆる『味方側』の人物ほぼ全てに影響を与えている「精神的な父親」と言っても過言ではない。
先の感想まとめでも毒親として描かれたシャルルやマリアンヌとの比較に触れたが、後世に呪いではなく愛情を残した父親像の在り方は珍しいと感じる(ギアス作品全てを網羅しているわけではないのであまり大きいことは言えないが)。

 そして、もう一つ彼の特異性で注目したいのがその思想の中身だ。
(アッシュに嫌いな物は?と問われ)
「嫌いなものはないが、好きなものの順位はある。1位はサクヤ、最下位はノーランドかな…?(笑)」

 人間である以上好みや苦手といった本音がどうしても生じることを否定しない。
嫌な気持ちすらも「好き」の中で表現しようとする。
理想と現実のバランスを計れる政治家だと感じた(現に彼は妻シェリーと共にホッカイドウブロックの特別統治区を認めさせた実績のある領主だ)。
深読みするならば、真面目に「誰かの親・家族」であることと向き合っていたからこそ優先順位の必要性を肯定出来る……ある種の境地なのではないか?という気もする(あまり自信のない読みだが)。

 ルルーシュが行ったゼロ・レクイエムとは言うなれば世界共通の「一番嫌いなやつ・敵」を作り出すことでバラバラだった人類を団結させ、争いのない平和な時代を到来させるというプロジェクトだったわけだが、
続編である「復活のルルーシュ」では主要産業の傭兵業が大打撃を受けた国家ジルクスタンの暗躍を招き、
本作「奪還のロゼ」においてもブリタニアバッシングで世界から排除された多くのブリタニア人がネオ・ブリタニアに参加しホッカイドウを占拠する事態へと至っている。

 「嫌い」で世界を救った副作用が誤魔化せなくなってきている。
ルルーシュたちの行いの負の側面とでもいうべき事態だが、これを避けてはコードギアスの「未来に向けての拡大拡張」を為すことはできないだろうと個人的に思う(復活の時点で触れているのだから、作り手の側もこれが重大ミッションだと認識していると思う)。

 「好き」を重視する重護から託されたサクヤ、アッシュ、サクラの行いが新しい流れを世界にもたらすのではないか?と私は期待したい。

サクヤの責任と決意

 本来自分を守ってくれたはずのアッシュに「ギアス」を用い、尊厳を踏みにじってしまったサクヤの罪に焦点が当てられた今回。
素直な謝罪をするところまで予告で描かれていたのだが、その後の展開が斜め上過ぎて失神するかと思った…

サクラの奪還に協力を要請する図太さ
アッシュのためにロゼをやめようとしていたものの「ホッカイドウ奪還」の重責を負っていたを自覚し震える
一人で静かに「ロゼ」として故郷とサクラ奪還を決意する


 一番上はまだ若い乙女であることとお嬢様ゆえの世間知らずで空気を読めてなかったというのもあると思う(「正直さ」をはき違えている?)…が
やっぱりこの子の魅力はどんな逆境でも諦めないこと。
たとえどれだけ心が傷つき、涙を流そうとも心に固く誓った目的だけは遂行しようとする。
 
 脆くとも決して折れない、確かな強さを持った人間。
それが皇サクヤの魅力なのだと再認識し、もっともっともっとこの子が好きになった。
やはり「この子の物語だから」奪還のロゼを追いかけようと思った、一番最初の気持ちが正しかった……

 そんな君がやっぱりこの世界で一番愛しい……

 以前の記事で、サクヤは「良い子」であるが故に大胆なギアス使用をしない・出来ない(直接的に死に直結すること「〇ね!」といった命令や口封じ)と指摘したが、
アッシュの一件やクリストフの実験を目の当たりにすることで、そういった線引きが無意味であることを思い知ったと思う。
相手の生命が無事であろうとも、絶対遵守の力で意思を捻じ曲げられることは「尊厳の否定」であることに変わりがない。
サクヤの操り人形となることを拒絶し、自ら拳銃で頭を撃ち抜いたクリストフの壮絶な最期が、その事実をサクヤへ強烈に突き付けたように思う。

 最終幕以降、サクヤはこの超常の力「ギアス」とどう向き合っていくのか?
またも戦いに使うのか?
それとも忌むべきものとして別の道を探すのか?
力を与えた張本人L.L.がまた関わることはあるのか?


 私個人の想いとしては、それすらも自分の一部として取り込んで新しい未来を歩んで欲しいと願っているが……
最終幕を注視するしかない!!!

ギアス再始動の正念場

 実は前々から匂わされていたギアスオールスターズ的展開がいよいよ現実のものとなる模様。
あなた生きてたの?とか搭乗機体はもしかして……などなど気になる所は多々あるものの、このイベントこそが
「反逆」を始めとする先輩方から「奪還のロゼ」へとコードギアスの新しいバトンを引き継ぐための歴史的儀式なのだと思う。

 歴代キャラが幅を利かせすぎると批判が出てくるかもしれないが、あくまでもホッカイドウにいる「奪還のロゼ」のキャラたちが主役であるというバランスを守ってくれるだろうと私は勝手に信じている。

 L.L.からギアスを継承したサクヤ、
かつての「土の味」と真逆の結末をもたらしたアッシュ…と来て、
最終幕の予告では「皇神楽耶」の演説と呼応するように「春柳宮サクラ(表向きは皇サクヤ)」が演説しているところを私は個人的に注目している。

 やはりサクラが「皇サクヤ」として政治的役職に就くという未来を示唆しているように思えるし、
同じ「皇」…コードギアスを代表する名家の新旧2人が並び立つことで先も言った「バトンの引き継ぎ」が完了すると思えるのだ。

 他にもサクヤとアッシュのミライ、ノーランドの仮面の下や真の目的などなど気になる点は多々あるが、それは8月2日公開の最終幕を待とう…!!

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