鍼灸師がパーキンソン病に関わる上で必要な基礎知識〜薬について〜
こんにちは。HAMTライターのてっちゃんこと白石です。「パーキンソン病」シリーズも今回で3回目を迎えました。
前回に引き続き、今回もパーキンソン病の基礎知識を中心にお話をしていければと思います。
早速ですが、皆さんは在宅の現場で担当している患者さんの服用している薬は確認していますか?
実際に聞いてみると、意外と把握していない人も多く、「血圧を下げるお薬を飲んでいると思います」程度。これは意外と危険だと思うのです。
同じ血圧を下げる薬でも「アムロジピン」と「エナラプリル」では作用機序が異なります。「アムロジピン」はカルシウム拮抗薬、「エナラプリル」はACE阻害薬、いずれも結果としては血圧を下げますが作用機序が異なれば副作用も変わります。
カルシウム拮抗薬を服用している患者には、起立性低血圧を起こす可能性があるため、急な立ち上がりや姿勢の変化に注意したり、施術の際にはリラックスしすぎないよう、適度に刺激の強さを調整する必要があります。
一方、ACE阻害薬を服用している患者は、咳が出やすくなる副作用があるほか、腎臓に負担がかかる可能性もあります。施術中の水分摂取を促しつつ、腎臓への負担が増えないよう、施術後に体調をしっかり確認することが望ましいです。また、乾いた咳が出ていないかにも注意を払う必要があります。
このように、ただ「血圧を下げる薬を飲んでいる」だけではリスク管理が十分できているとは言えないということがお分かり頂けたのではないでしょうか。
パーキンソン病の治療薬においても同様の事がい言え、「パーキンソン病の治療薬を飲んでいる」で一括りに片付けてはいけないのです。
パーキンソン病の治療において、薬物療法は最も重要であり、全体の治療効果の70〜80%を担っています。リハビリテーションや鍼灸治療も進行予防においては重要な役割がありますが、パーキンソン病患者に携わる上で「薬が圧倒的に大事」であることは押さえておきましょう。
今回の記事では治療薬の種類による違いと、治療薬を選定する医師の思考プロセスをご紹介したいと思います。
また、治療薬に関するセミナーも開催するのでぜひご参加お待ちしています。
パーキンソン病の基本的な薬剤としては大きく9種類あると言われています。かなり多いですよね。今回はざっくり全体像を押さえる上で重要な主要「3種類」を紹介します。
その理由としては、パーキンソン病治療ガイドラインの中で治療薬を選定する際に登場してくるのが3種類(L-ドパ製剤、ドパミンアゴニスト、MAOB阻害薬)であり、これらを基本として対応できる場合がほとんどだからです。
1.主要な3種類のお薬とは
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