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ICFモデルを用いた在宅鍼灸臨床過程の展開〜ICFの特徴〜

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ども、HAMTライターのてっちゃんです。
前回から始まった在宅医療の領域に関わる鍼灸師にとって欠かすことの出来ない「ICF」について、今回も解説していきたいと思います。

【ICFモデルを用いた在宅鍼灸臨床過程の展開シリーズ】
vol.1:ICFの成り立ち
vol.2:ICFの特徴   👈今回はココ❗
vol.3:ICFの臨床への活かし方

前回の記事では”ICFってそもそもどんなものなの?”といった成り立ちや歴史について解説しました。いきなり特徴や臨床応用に関して勉強してもICFの魅力ってイマイチ伝わらないので前回の記事を読んでない方は必ず先にこちらをご覧くださいね👇

さて、今回は「ICFの特徴」という3回シリーズの中では最も核となる回です。
特徴にどんなものがあるのかは前回の記事の中で紹介しましたが、もう一度おさらいしてみましょう👇

ICFの図

【ICFに関する4つの特徴】
☑それぞれの要素が互いに影響し合っている
☑矢印が一方向ではなく両方向性になっている
☑マイナスな印象を持つ表現じゃなくなった
☑背景因子も追加された

特徴1.矢印が一方向ではなく両方向性になっている

図を比較してみると気づくこととして、ICIDHでは一方向だったのに対し、ICFでは両方向に矢印が向いていることが分かりますね。

この矢印で結ばれている各要素の間には互いに影響を与え合う関係である「相互依存性」があります。

しかし同時に、それぞれの要素からの影響だけで決まってしまうものではなく、各要素がそれぞれ「相対的独立性」という特徴をもっているということも大事です。

相互依存性?
相対的独立性?

イマイチキーワードを聞くだけではピンとこないですよね。
この2つのキーワードに関してもう少し詳しく解説していきます。

1-1相互依存性(左から右へ)

こちらの図をご覧ください👇

これを見るとまさにICIDHそのものですね。要は心身機能・身体構造を改善することで、活動や参加を改善していくというもので、この考えは我々鍼灸師ならイメージしやすいのではないでしょうか。

【具体例】
膝の痛みが鍼灸治療で改善した(心身機能・身体構造)ことで、自宅の中を杖を使わずに歩けるようになった(活動)。
自宅内を痛みなく歩けるようになったことで1ヶ月後には趣味のフラダンス教室に再び通うことが出来るようになった(参加)。

この左から右に進んでいく影響しかないと考えてしまうと”運命論”になってしまいます。
運命論に従ってしまうと「膝が痛いから自宅の中は歩けないし、フラダンスに通うのも仕方がない」
そして「これを解決するには膝の痛みを治すしかない」という盲目的な思考状態に陥ってしまいます。

果たして本当にこの運命からは逃れられないのでしょうか?

この、ある種”運命論”に異を唱えたのがICFです。

1-2相互依存性(右から左へ)

ICFではさらにこんな感じの図も追加されました👇

この右から左への影響を与える逆方向の図こそ”ICFならではの特徴”といえます。参加の向上を図ることで結果的に心身機能・身体構造も改善するという流れってめちゃくちゃ素敵じゃないですか。

【具体例】
脳梗塞後遺症の影響で生活不活発病となり車椅子生活だったが、自宅での家事行為を行うようになり(参加の向上)、毎日続けていくうちに掴まって立てるようになった(活動の向上)。積極的に動かしている中で結果的に麻痺の手が徐々に動くようになった。

このトップダウン的思考は、在宅医療に携わる鍼灸師としては欠かせない思考法であり、目標となる”参加”を達成するためには「鍼灸で何をするか」という手段の目的化とならないよう気をつけましょう。

大事なのは「鍼灸で何をするか」ではなく、
「目標(参加)を達成するためにわたしは何が出来るのか」
という意識から変革していくことなのではないかと、ボクは考えています。

1-3.相対的独立性

次に大事なことは、相互依存性と並び、生活機能の各レベルの間には独立性もあるということです。

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