鍼灸師が「傾聴・共感」について語ってみた。
ども、てっちゃんです。
突然ですが、カウンセリングは皆さん得意ですか?
"「コミュ障」界のエリート"であるボクはもちろん大の苦手です。
ただ、鍼灸師にとっては日々の臨床の中で行っている技法の一つであり、
勉強している人も多いんじゃないでしょうか。
今月の在宅鍼灸しゃべり場では、
「こころを掴むカウンセリング術とは何なのか?」
という難しいテーマについて語り合ってみる事に。
今回司会のてつさんは、事前に"カウンセリング"に関して調べすぎて、
イベント3日前の時点で既に思考の海に溺れてしまっておりましたw
イベントのレポをする前に、"カウンセリング"って、そもそもどういうことなのか”定義”が曖昧な人も多いと思うので簡単におさらいしておきましょう。
カウンセリングとは、
コミュニケーションを通して"行動を変容する事"。
基本態度は「受容・傾聴・共感的理解」であるとされています。
なるほどー。。
深い、、深いぞ、カウンセリング。。
ようするに
「愛をもって相手と接して一歩踏み出すキッカケを与える」
みたいな感じなのだろうか。。
ボクには深すぎてわかりみがつらたん(初めて使ってみたw)なので、参加者の意見をまるで自分が考えたかのようにパクってしまおうと決めましたw
冒頭、てつさんからの軽快なトークと共に、
まずは参加者の皆さんから「コミュニケーションで大切にしていること」を挙げてもらうことになりました。
【それぞれがコミュニケーションで大切にしていること】
⚫︎相手の意見をきくこと
⚫︎オウム返しをするよう意識している
⚫︎納得いかないことも受け入れる
⚫︎失敗を恐れず積極的に関わる
⚫︎関係が構築出来ていない人とは目を見過ぎないようにしている
⚫︎仕事の時は鍼灸師としての仮面をかぶるようにしている
⚫︎問診票を手がかりに聞くようにしている
⚫︎相手の話してくる反応に察知するようにしている
⚫︎相手の反応に合わせてこちらもリアクションしている
⚫︎天気やニュースなど会話の引き出しパターンをいくつか持ってそこから広げていくようにしている
⚫︎どれだけ相手に気持ちよく話してもらえるかを意識している
etc
正直出ても5、6個くらいかと思いきや、想像以上にめちゃくちゃ沢山のご意見が出てきました!
そして、どの意見に対しても皆「あるあるー」って共感の嵐w
また、
「逆に患者さんによっては頑張って話そうとして疲れてしまうケースもあるのでは?」
という意見も。
コミュニケーションにおいて教科書のような完璧はそもそも存在しないので、
患者さん一人一人に合わせて対応していける柔軟性が求められますね。
この辺りをまとめると、
1.自分のペースで進めていく
2.患者さんに合わせて話を進めていく
この2つを上手くバランス取りつつ、
臨床経験の中で判断力を培っていくことが大切なんでしょうね。
その他、
コミュニケーションを逆に苦手と感じているといった意見も。
【コミュニケーションのここが苦手】
⚫︎考えすぎてどこまで関わって良いのか距離感が掴みにくい
⚫︎自己開示しすぎて逆に話しすぎてしまう
⚫︎目を見るよう意識していたら睨んでいると誤解されてしまった
コミュニケーションは感覚的で言語化しにくいものも多い分、
経験の中でスキルアップしていかなくてはいけないという側面がある一方、
鍼灸のスキルと同様、コミュニケーションのスキルもしっかり体系化して学んでいく事も重要です。
"コミュ障エリート"であるボクは、これまでに
"ファシリテーション・コーチング・ナラティブセラピー"
などをガッツリ体系的に学んできました。
体系的に学んで感じたことは、治療技術以上に重要なスキルだと強く実感していて、
"ただ長く臨床経験を積むだけ"では鍛えられないと感じています。
学校の勉強だけではコミュニケーションは学べないので、何かしらを基礎から学んでみると良いですよ。
前半のトークであっという間に1時間が経ってしまったので後半は引き続きの延長戦にて話し合いました。
後半延長戦のトークテーマは、
『患者さんから「わたし治りますか?」と聞かれたらどう答えますか?』
このような質問を受けた際の対応法について皆で語り合いました。
ボクはこの言葉を聞くと、
"しくじり先生"という番組内で、テレビ番組が新しく始まる際に、プロデューサーから「絶対に結果を出してください」とお願いされたら、オリエンタルラジオの中田敦彦さんは『私にお任せください!!』と答えるようにしているという名言を思い出します。
この言葉の真意は、
いつかは必ず番組って終わってしまうことを、自身が過去沢山経験してきた中、終わることは分かっている前提でそれでも「私にお任せください!」という覚悟の意思表示であると説明していました。
当時感動したので今でも鮮明に覚えています。
ただ、今回の場合に大きく異なるのは私たちが扱っている情報は「医療」であるという点です。
「ビジネス」と「医療」では情報に対する取り扱いが大きく異なります。
鍼灸師の場合、医師や看護師と違って「命」に関わるほどの現場に携わる機会はほとんどないので、その辺りの意識がどうしても希薄になってしまいやすいので、「医療従事者である」という意識を持つことは大事ですよね。
みなさんからは色々な意見が出てきました。
【「治りますか?」に対して私ならこう答える】
⚫︎「改善する/なくなる」など捉え方によって表現方法を変えている
⚫︎患者さんと「治る」に関する共通認識を持つよう話し合う
⚫︎小さな目標を具体的に決めて患者さんと共に意思決定をする
⚫︎「治る」とはどういった状態なのかを具体的にする
⚫︎事実は伝えつつも選択肢を複数提示したり、鍼灸治療による症状が緩和できる可能性を伝える
⚫︎モチベーションを下げないよう、東洋医学的にできるポイントを伝える
⚫︎経験則だけで伝えるのではなく、科学的な根拠も提示する
⚫︎分からない部分は「後で調べておく」という事を伝えるのも大事なのでは
→若いうちはそれでも許されるが、ベテランになると「後で調べておく」というと信頼を失う可能性もある
⚫︎「初診」と「経過」の中で聞かれるのかによって異なり、「初診」の場合には「治りますか」の言葉の裏側に隠れたメッセージを聞き出す
⚫︎終末期などの場合、「治るかどうか」を答えるよりも、まずは相手の言葉をしっかり聞くようにする
⚫︎まずは患者さんの病気に関する理解度を確認する
「治りますか?」に対する回答のほか、
多職種がその方に関わっている場合には皆さん色々と気をつけている部分もあり、以下のような気をつけているポイントを話してくれました。
【多職種が関わっている場合に気をつけているポイント】
⚫︎主治医や他の医療従事者からどう聞かれているかを確認する
⚫︎無資格者の発言に対しても批判しないように意識している
⚫︎他の医療職種との意見の相違によってトラブルになってしまうこともある
皆さんがそれぞれ色々な事を気をつけながら日々の臨床に向き合っていて、今日の意見をまとめただけで、かなりの情報量になりました!w
ちなみにボクは、こんな偉そうに解説していますが、この会の間ただひたすらレモンチューハイを飲んでいただけで、自己紹介以外ほぼ一言も話していませんw
終盤は、実際に今悩んでいる困難事例について皆で対応方法を模索しました。こういった臨床の悩みって、個人で活動することも多い在宅鍼灸師にとって、誰にも相談できる相手がおらず、自分自身が精神的にも追い込まれてしまうケースって実は多いんです。
しゃべり場の目的の一つに
「在宅鍼灸師同士の横のつながりを作りたい」
があり、今回のような困難事例を相談し合える環境って本当に大切だと思います。
今回のテーマは正解のないものであり、正解のないものをこういった形でゆるく「あーでもないこーでもない」と語り合って共有することで横の繋がりをつくれることが本当に大切です。
この会は、在宅鍼灸師だけでなく、未経験・学生さんも多く参加してくれていますので気軽にご参加ください。
【参加者の声】
みなさん、素敵な感想コメントありがとうございました!
次回以降も毎月第1水曜に開催するので、
お酒片手にゆるゆるとご参加ください✨
次回は6/2(水)21:00〜開催します!
次回のテーマは「鍼灸師の専門性について」お酒を飲みながらゆるゆると語り合います。
先着16名ですのでお早めに申込ください✨※残り6名なのでお早めに👍
本日もご覧いただきありがとうございました!
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