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自分のライフストーリーを生きる ②
私たちは、人生の初期でライフストーリーを書き始めますが、物語は何度も変わり続けます。
2歳までに、幼児は自分に起こった出来事を集めて語り始めます。
小学生になると、序盤、中盤、終盤といったように、筋の通ったストーリーを語れるようになります。
青年期になると、物語の中に原因と結果の意識が物語に入って来ます。
「この出来事は、あの出来事を引き起こした。」
「私は自分の人生経験によって、特定の行動をする。」
など。
この時期には、人は「物語のアイデンティティ」を獲得しています。
しかし、そのアイデンティティは、残りの人生において進行中の未完成品です。
ライフストーリーは、人間としての成熟度が上がることで変化するだけでなく、記憶は時間と共にその重要性が増したり、減ったりします。
大学生に、人生におけるキーになるイベントを10個説明するように要求する実験では、3年後にも同じイベントを挙げた学生は22%しかいなかったそうです。
さらには、記憶とはひどく不正確なものです。
フラッシュバルブ記憶という、個人的に重大な出来事や世界的な重大事件に関する非常に詳細な記憶でさえも、信頼できるものでは無いそうです。
リサーチャーが、9.11アメリカ同時多発テロについての記憶を書くように生徒に要求した実験によると、翌日、1週間後、6週間後、32週間後と時間の経過につれて記憶は薄れていき、一貫性の無い内容になったそうです。
そして、その内容の誤差の程度は、生徒たちにとって、特に重要でないイベントの記憶の内容と同じだったということです。
唯一の違いは、フラッシュバブルイベントが起こった事実については、「より確信を持って、鮮明に記憶をしていた」ということでした。
ここからは私自身の経験です。
確かに、「〇〇へ家族旅行に行った」という記憶を、家族で共有していたとしても、細かいエピソードに関しては、話が食い違ったり、違う場面を記憶しているということは良くありますよね。
個人的には、「私が思い込んでいたエピソードの記憶が、母に聞いたら間違っていた。」ということが最近ありました。
正確には、「なぜそれをしたのか?」という「きっかけ」の部分を間違えて認識していて、それは私の「思い込み」から起こったことだと確信出来たのです。
それによって、私は自分の物語の過去の一部分を書き変えたことになりました。
そして、心の中のわだかまりが溶けたことで、現在進行形の物語は、穏やかな自信を得て、さらに豊かになったと実感しています。
過去の出来事の解釈を変えることで、私たちのライフストーリーは、新たな輝きを得て進んで行けるのかもしれませんね♪