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読書『ナマケモノ教授のムダのてつがく』
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スローライフを提唱・実践してきた著者には、世界が「ムダを恐れ、そこから逃れようとしているよう」に見え、ムダをなくした世界は生きにくい世界でないか、と思えるという。
ムダは非効率と決めつけてしまうような価値観が、本来人生で大切に思える価値を見失わせてしまっている、と。
そういう状況を「解き方の分からない魔法をかけつづける現代社会」と表現しているのに同感。
そもそも、コロナ禍中に不要不急を避けるべしという大号令が響き渡る中、「不要不急をなくすなんて!」と嘆いた若い編集者からの提案で本書が書かれたという始めの地点がいい。
難しいのは、「寝て暮らすために働く」という笑い話にあるように、効率化などの資本主義的な考え方も、「ムダ」に価値を認める考え方も、人間の不安や大切なものを見つけたいという欲求に根差しているところ。
社会的な目線で語る辻さんは「不遜な怠け者」側から世界を揺さぶるパワーはまだあると思える、と書いている。どういう揺さぶりで社会を変えられるかを書いたような続編も書いてほしいなぁ。
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