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F0.95「夢」レンズで夢と魔法の王国を撮る

3万円で買える驚異のF0.95単焦点レンズ「TTArtisan 50mm F0.95 C」を東京ディズニーランドで使ってきましたので作例をご紹介したいと思います。
1つ前のレンズと使う前の設定についての記事はこちらです。

F0.95という低すぎるF値が「まるで夢の中のようにとろけるボケ」「肉眼を超えてよく写る暗所性能」を実現するらしいということで、これは「夢と魔法の王国」で使うしかないだろうと、さっそく行ってきました。
パーク内でマニュアルフォーカスレンズを使ったことがなかったので、実戦でどこまで使えるものかというのも同時に確かめてみます。

ポートレート作例

まず、このレンズは「APS-C用レンズ」であって本来はフルサイズのカメラで使うものではありません。しかし今回は使ってみたところ、このように四隅の周辺減光は見られるものの、「ケラれて使えない」というものではないのです。
F0.95が実現する非常に大きすぎるボケと、コントラストがくっきりする写り、それに四隅の周辺減光まで加わるので本当に夢の中で撮影したのではと思うくらいに素晴らしい写真になりました。

不安に思っていたマニュアルフォーカスも、立ってポーズを決めてくれるくらいの動き・距離であれば少し慣れればまったく問題なかったです。

風景撮影作例

絞って風景を撮ればパキッとした写真が撮れるのは当然でしたので、ここではもう少し寄った看板などの作例を。
F0.95で看板の船のフォーカスを合わせると、その下の店名の部分にはもうピントが合っていないというのは分かりますでしょうか。F0.95ではピントが合う範囲が非常に狭いので、本当にピント位置に気を使わないとなんだかぼやけた写真になってしまいます。このあたりは練習で最適な絞りを探していくしかないと思いますね。

こんな風に街灯に寄ってピントを合わせると、背景はもはやどこだか分からなくなってしまうほどにボケてしまいます。
ちなみに最短撮影距離は0.5mなので、テーブルで食事に寄って撮影するなどはできません。少し離れて撮影した対象が浮き出るようにするのが、綺麗に撮れて良いと思います。

暗所撮影作例

これまで数多くのレンズで撮影に挑んできた「カリブの海賊」ですが、今までの最低絞りはF1.4でしたので、今回のF0.95では今まで体感したことないような撮影しやすさがありました。とにかくよく写ります。
マニュアルフォーカスも、ゆっくりとしたゴンドラでの移動であるため想像以上に問題なくできました。今まで「お願いだから捉えてくれ…」とオートフォーカスに頼っていたことを考えると、むしろこっちの方が楽なのでは?というくらいでした。

オークションのシーンでも、手前の照明や背景のキャラクターに大きな前後のボケを作りつつも、帽子の飾りのディテールまでしっかりと撮れることに感動しました。

こちらの追いかけられるシーン、暗すぎる+早すぎるなのでオートフォーカスで撮影しようなんてことはずっと諦めていたシーンなのですが、マニュアルでピントを合わせておき、被写体が入ってきた瞬間にシャッターを切るという方法でついて撮影することができました。

ところで、このあたりで気づいたことがありませんでしょうか。
「色が良い」と。今まで他のレンズで撮影した写真は、どうしても赤みが強かったんですよね。

例えばこれ、こちらは6月に「SIGMA 56mm F1.4 DC DN」というレンズで撮影したものなのですが、同じカメラ、同じ設定なんです。なのにこんなにも違う。火事のシーンなので赤に引っ張られるのは仕方ないのですが、TTArtisanの方が「本来の色」が出ている感じがして自然ですよね。解像感も高い気がします。

レンズ自体が被写体になる

このレンズはマニュアルレンズ+大口径ということで、キャップを外して絞りを開けっ放しにするとそのまま向こう側が見えます
カメラの機構上当たり前ですが、上下さかさま、かつレンズの焦点距離の状態で見えるので、それを別のレンズで撮影すればこの写真のような「レンズの中に城を閉じ込める」なんて状態も撮影できます。
(これは一緒に行った友達に持っていてもらいましたが、片手で自分で持っても十分撮れる重さです)

よく水晶玉を使って撮影する技法があるかと思いますが、あれと似たようなものですね。でも水晶玉を持ってディズニーランドに行くなんてしないでしょうから、気軽さという意味ではこちらもなかなか良いですよね。

まとめ

いかがだったでしょうか。今までずっとこういう写真を撮りたくて、いつかはウン十万円もするレンズを頑張って買うのかな、なんて思っていたのですが、なんと3万円でそのウン十万円もするレンズより綺麗に撮るということが実現できました。

今回はソニーEマウント用を使いましたが、キヤノン、ニコン、富士フイルム、ライカ、マイクロフォーサーズとあらゆるマウントに対応したものが発売されていますので、持っているカメラ用のレンズを是非買って、この夢の世界を楽しんでいただければと思います。

Yuz.

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