今更聞けない!? DXって何 Part 4|DXの三段階 編
DXでは、2つの”3”がキーワードです。
「三本柱」と「三段階」
今回は、「三段階」をみていきましょう!
本シリーズでは、DXとは何なのか?について、できるだけ分かりやすく解説しています。
「DXの三本柱」については、前回をご覧ください。
この記事を読んでほしい人
管理職・チームのリーダー
自組織におけるICT/DX推進の担当者
仕事に追われて疲れ果てている人
1. DXの構造
それでは、国はどう捉えているのか?ということを確認すべく、経済産業省の資料に記載された「DXの構造(DXの3段階)」を見ていきましょう。
(段階としては、下から上に進んでいきます。)
ポイントは、最高層の「デジタルトランスフォーメーション」が2種類あることです。
2. DXの三段階
①デジタイゼーション
これは裏の業務(バックオフィス)が該当します。
具体的には、「アナログ・物理データのデジタル化」です。下記のようなものが該当します。
紙の書類をスキャンしてデジタルで管理
ファックスではなくメールで連絡
アンケートや問合せ受付をフォームで実施
毎日の売上をExcelに記録
②デジタライゼーション
これも裏の業務(バックオフィス)が該当します。
具体的には、「個別の業務・製造プロセスのデジタル化」です。下記のようなものが該当します。
オンライン上のファイルを複数人で共同編集
稟議書をオンラインのワークフロー化
報連相をチャットアプリで実施
部署内ポータルサイトを作成し重要事項を見える化
特定の業務を自動化、アプリ構築
これについては、色々と具体的な方法の解説が必要なので、別の記事で紹介予定です。
③デジタルトランスフォーメーション
最高層である「デジタルトランスフォーメーション」は、2つに分かれます。
その1:バックオフィス業務のDX
まずは、裏の業務(バックオフィス)について。
「組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化」と定義されますが、すなわち1つ前の「デジタライゼーション」が組織全体として実施されている状態です。
組織内統一のクラウドストレージとポータルサイトの実装
全社的にグループウェアが日常運用されている
業務の自動化フローを部署単位で開発・運用
過去に作成したマニュアルを検索できるアプリを運用
他部署の人と組織横断的に交流したりビジネス創造できる仕組みと文化の定着
日本で、今どれだけの組織がここまで達成されているのでしょうか。
筆者の所属するチームや会社も、ここを目指しています。
その2:ビジネスモデルのDX
最高層の「デジタルトランスフォーメーション」2つ目は、いよいよ表の業務(フロントオフィス)についてです。
「“顧客起点の価値創出“のための事業やビジネスモデルの変革」と定義されており、前回解説したとおり、ビジネスモデルのDXがまさにこれにあたります。
要するに、デジタルな方法を使って、顧客が喜ぶサービスを開発(または既存サービスの改善を)することです。
待ち時間短縮のためのモバイルオーダー&テイクアウト(飲食業)
オンラインツアーガイドによる安価で便利な旅行プランを提供(旅行業)
オンライン予約~病院で診察~オンライン服薬指導&オンライン決済により待ち時間短縮・感染予防(医療業)
オンライン内見で遠方の物件も探せる(不動産業)
前述のとおり、DX時代を生き抜くためには、この“ビジネスモデルのDX”が必須といえます。
3. 一つずつ積み上げよう
お気づきでしょうか?
経済産業省の提唱するDXの構造においても、「表の業務」は最高層に位置しています。
つまり、下層部分(「裏の業務」)から積み上げないと、「表の業務」のDXは実現できないということなのです。
(下から順番に積み上げるのが唯一絶対の方法といえるわけではないですが、通常はこの順番になるでしょう。)
これはもちろん、組織の人員のスキル的な面でも言えることですが、もう一つの事情があります。
それは、“新しいこと(表の業務のDX)を始めるための時間と心の余裕の確保”を、「裏の業務」の効率化により実現する必要があるからです。
というわけで、今回はここまで。続きは次回、最終回です!