人間の解像度 #カレーだいしゅき手記
ただの日記です。
福岡に引っ越した、腕にパクチーのタトゥーを持つ者と再会した。実に四年ぶりだった。以前会った最後の記憶は池袋で、おむつ交換の香りが漂うお店だった。人間は急に結婚したりするので驚くが、本人の中では歴史の流れの上であり、それは急なことではないのだろう。
公園を通ると200人ほどのネパール人が行列を成して歩いていた。大橋あたりを中心に福岡ではネパール人が大量に暮らしているという。バーベキューでもするのだろうか?
とあるカレー屋さんに向かうと、店の前で坂を登ってくる友人と目が合った。約束に決して遅れたことがないし黒い服しか着ない。俺を見るとにににやあと笑っていた。
昔よく会っていた友人に久しぶりに会うと、その人の中に保存されていた自分の面影にも出くわすことになる。仲良くなったきっかけでもある共通の知人の、摘出された片方の睾丸の写真を見せられたという話や、その人が実家に居場所がなかったときにガムとノートをミニストップで買い、イートインスペースで一晩を過ごしたエピソードを急に思いだした。ちなみにその知人は金曜日に会った時は無宗教だったのに次の週の水曜日に会った時にはイスラーム教徒になっていた。人間はすぐに宗教を変えるから困るが、本人は必然の上で入信しているのでありそれは全く突然のことではないのだろう。
一番変わったことはお互い仕事を辞めていたこと、友人は繁殖していて第二子を抱えていたこと、腕に儚げなパクチーのタトゥーを入れていたことだろうか。口が悪いのは相変わらず変わっていなかった。
あとりえてらたのヤッホーカレーは、独特のここにしかないカレーで、ボロボロのデニム生地のソファに座って一口掬うとコリアンダーの粒が主張してくる。大きなホールスパイスは取り除かれていた。Googleマップには「異常にうまい」と口コミがあり、外国人も食べにくるようだった。
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