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オディシャ総まとめ/チャパティ合宿/カレーと中動態:カレー哲学の視点(11/21〜11/27)
僕が暮らしている東京マサラ部室は築53年のボロ屋である。古民家といえば聞こえはいいが、夏は暑く冬は寒いというのが実態で、朝なんかは日当たりの悪い部屋だと外気温と内気温の差がほとんどない。顔が冷たくて朝起きる。屋内なのにもはやアウトドアである。でも毎日キャンプ気分が味わえると思うとお得だね!!
12月が差し迫っていて、焦燥感に追い立てられる年末の空気感。
今年も12月恒例のアドベントカレーンダーを作ってみたので是非登録してみてください。12/4以降はまだ空いていますよ。
オディシャ料理総まとめ会
11月は一ヶ月間オディシャ(オリッサ)州の料理研究に取り組んできました。最初は右も左もわからない状況で作っていましたが、何度か人に食べてもらう機会もあり、名古屋からいらした(日本で唯一と思われる)オディシャ料理研究家に教えてもらう機会もあり、最終的にはオディシャ料理のさわりの概要くらいはつかめたんじゃないかなと思います。
月末のまとめでは先週教わったレシピに数品付け加えて、ベジのオディシャスペシャルターリーを作りました。
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kanika rice スイートプラオ
santura にんにく野菜煮込み
dalma ミックス野菜ダル
ghanta ミックス野菜のタルカリ
chattu besara キノコマスタード
ambula chaaru ドライマンゴーラッサム
saga bhaja ほうれん草炒め
karela bhaja ゴーヤ炒め
tomato khatta トマトチャトニー
chenna poda 成城石井で売ってそうなオディシャの焦がしチーズケーキ
今回は日本ではなかなか手に入らない熟成ドライマンゴーのアンブロやオディシャで入手したといういただきものの謎の赤米も使用し、にんにくバキバキ、油と塩もしっかり効かせたメリハリのついた味付けを意識しました。
オディシャ料理の概要はこちらのnoteと先週のニュースレターにまとめていますのでよろしければ。
節操のない東京マサラ部室は来月は西ベンガルへ旅立ってしまいますが、オディシャ料理はまた作りたいです。現地にも早く行ってみたい。
チャパティ合宿
勤労感謝の日、日頃の勤労に感謝しながらチャパティを焼きまくりました。一日で100枚くらいなので大した数ではないけど、加水量や時間など、細かいところにこだわって色々試してみました。
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完成形として完全な球体を目指していましたが今回のトライではそこまでは到達出来ませんでした。ただ、いくつかのポイントを抑えることでこのくらいまでは確実に膨らむチャパティを作ることができました。
詳しくは別途レポートにまとめますが、速報としてないしょ話パートに先に書いてみます。
カレーと中動態
「カレーは人間を利用して繁殖している」というと人間はカレーを作らされているという受動的なニュアンスに思えるが、「何かに突き動かされて作っている」と捉えると能動的だ。そのどちらも何かが違ったのだが、中動態を考えるとしっくり来ることがある。ここに来て古希の知識が繋がるのか..
— カレー哲学たん(करी टेछगाक तन) :東京マサラ部 (@philosophycurry) November 25, 2021
最近こういうことを考えている。カレー作りを能動的なものとして考えても受動的なものと考えても違和感があることがあって、中動態というものを考えてみるとなんとなくしっくり来る気がする。
中動態というのは、英文法でやった能動態・受動態の仲間です。かつての言語では、能動態と受動態ではなくて、能動態と中動態が対立していました。たとえば古典ギリシア語を勉強する時には、中動態の活用を学びます。受動というのは中動態がもつ意味の一つに過ぎませんでした。
誤解を恐れずに単純化して言うと、中動態というのは、「する」と「される」の外側にあるものです。私たちは様々なことを、「する」(能動)か「される」(受動)に分類してしまいます。しかし、かつてはこの分類に入りきらないものをきちんと認める文法が存在していました。
詳しい説明をする実力はないので細かい議論は専門家におまかせするが、中動態は古典ギリシア語やサンスクリット語など古代の言葉によく見られる(現代の言葉にも残っている)、能動でも受動にもあてはまらないような「巻き込まれ」性の高い事態を説明する文法である。
単にカレーを作るということだけでも、そこにどの程度自分の意志が入り込んでいるのか、本当に意志があるのかはうまく説明出来ないことが多い。「何かに突き動かされてカレーを作らされているという感覚」と「意志をもって手足を動かしカレーを作っている自分」が同居しているし、没頭して無我の境地に陥ることもある。あるのではないか。
大学のころ、古代ギリシア語を一生懸命勉強していたときがある。特に出口を設けていなかったので漫然として身についていないが、何かにつながることがなんてないと思っていたことがカレーにつながる瞬間は、RPGの隠し扉を見つけたようでうれしい。
最近行った店
なぜかプルジャダイニングに行かなければ行かない気持ちが高まっていたのでネパール料理の名店プルジャダイニングに久しぶりに行った。
バリバリのニジマス美味しかった。里芋とそばのディロとも迷ったのだが米に合う仕上がりで、ご飯を選択して正解だった。
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ご無沙汰のプルジャダイニング、ニジマスと芋のスペシャルプレートおいしい。
— カレー哲学たん(करी टेछगाक तन) :東京マサラ部 (@philosophycurry) November 27, 2021
ニジマスは骨ごと食べられて、ジョルもサデコ的なのも両方おいしい。さつまいも、じゃがいも、里芋、芋類をコンプリート!
ピロ(辛い)っていう唐辛子チャトニがほんとに辛い。 pic.twitter.com/Qx94WvgjN6
今週の更新記事
今週は一つしか記事を書けていない。これから年内は毎日更新するぞー!!
ビリヤニについて、アーンドラ料理について、オディシャ料理について、書籍紹介など書きたいことは無限にあるんだけど人生は有限。
ないしょの話
チャパティを確実にふくらませるコツ【速報】
いただいたサポートは全てカレーの材料費と東京マサラ部の運営資金となります。スキやSNSでのシェアもお願いします。 インド料理やカレーの本を出したいです。企画案がたくさんあるので、出版関係の方、ぜひご連絡ください。