大学院生が妊娠中【研究系クラファン】に挑戦した記録
学生で、クラファンに興味のある人向けに経験談をまとめました!
6月頭のいま、クラファンに申請しています!
実は4月頃から大学の先生方に推薦をもらうために奔走し、私の指導教員の先生、さらに博士人材の活躍推進部門の先生にもご協力いただくことができました。
(((ちなみに教授の推薦に奔走したか理由は下記【やること①】にて詳細を載せてます。)))
★マークつけたところが私が大事だと感じたポイントです。
私の文章は冗長なので読み飛ばして【Ctrl+F】★推奨。
私がクラファンに挑戦しようと思った
【きっかけ】と【後押し】
元々、クラウドファンディングというシステムが大々的に流行り始めたころから興味がありつつも、特に行動することもなく過ごしてきました。
今思うと当たり前のことと分かるのですが、成し遂げたいことを見つけられてない、ふんわり曖昧だったから動かなかったのだと思います。
【きっかけ】としては
クラファンでお金を集めてまでしたいことへ動き出したことでした。
そして【後押し】になったのは
クラファンをしている、しかも自分と同じ学年の学生の方との会話でした。
その後すぐに私は「よし、今年中に申請する!」と目標を定めました笑
ラボ内や友人との会話でクラファンが話題に上がると、本当に多くの人が「興味ある」「やってみようかな~」などと話していましたが、実際にしている人は私の身近にはなかなかいませんでした。
どんな物事でもそうですが、新しいことを始めるときに気軽に相談できる人がいないというのも、私にとってひとつ足枷になっていたなと感じました。
★なので、今迷っている方はクラファン経験者と話してみる、というのが強力な後押しになるんじゃないかなと思うのでオススメです。
まず初めに
⓪自分で出資すると決めて募集ページをリサーチする
まず私はリサーチとして、実際に自分で5000円ほど支援すると決めて色々と見てみました(ちなみに5000円は自分がクラファンで募ろうと思っていた1人当たりの金額)。
ここでお金は特に出す予定もなく、ただ適当に見てみるだけだと「へーこんなことで(失礼)お金募って良いんだ!」といった、楽観的で表面的な感想しか抱かないので。
どんな人・団体が、どんな目的で、どのくらいの額、資金を募っているのか調べることは非常に有効でした。
★特に、自分と似たような目的のクラファンが、上手く集まっているかどうか経過を見ることができる点が役立ったと思います!
そこが上手く資金が集まっていたら、その目的に共感してお金を出しても良いよ!という人が集まるサイトなんだと判ります。
また【人に響く表現】というものがあると私は考えていて、それは言葉選びだったり、画像のチョイスだったり(いわゆるセンスの領域だとは思うのですが…)
そこから丸パクリはダメですけど、エッセンス、法則を自分なりに見つけ出して、書き方や写真の選び方を工夫しました。
(((詳しくは下記【やること③】にまとめてます。)))
やること①【個人で参加 or 団体として参加か】を決める
正直1人…本当に各所に奔走してきました笑
もちろん、協力してくださる方々はいっぱいいてくださったのですが!
当初、私個人でクラファンに挑戦することも考えましたが、やはりある程度人数のいる組織として申請したほうが成功しやすいのではないか?と踏みました。
なぜなら、お金を出す側の立場になって考えると、安心感が違うと感じたからという理由です。
あくまで私の感想ですが、個人で出してるプロジェクトはなんとなく「納期とか運営とか大変そう」「時間かかりそうだな…」と感じてしまいました。
長期投資的な視点を持たない私は即リターンがありそう・プロジェクト達成しそうな、大きめの組織の出すプロジェクト(企業や自治体などとコラボ・協賛がある等、実績が凄いところ)を選びました。
(((余談ですが…この業績重視する感じは、研究助成や給付型奨学金の申請経験から来てると思いました笑
審査が通る基準があまり明らかにされていない分、申請する側としては業績欄が論文、国際学会発表、特許とかで埋まってるほど通るに違いないと思ってしまいます。)))
じゃあ組織として申請するということで、私は学生コミュニティの運営をしていたので、ここに絡めて企画を作っていくことにしました。
まだ立ち上げたばかりのコミュニティということもあり、クラファンで運営資金を集められるというメリットを提示しつつ、私のしたいイベントへの協力とクラファンに組織として出す、ということにメンバーから同意を得ました!
ちなみに同意を得て組織として申請しましたが、実態は私1人クラファン担当としてコツコツ地道に動いてきたので、個人でやろうと考えている学生さんも参考にできると思います!
やること②教授の推薦をもらう
なぜ教授たちの推薦が必要か?というと…
(※大学や研究機関に所属する博士号を持っている方、という縛りアリ)
★私が今回申請したのは「academist」(アカデミスト)という、学術系に特化したクラウドファンディングサイトだからです。
★そして学生の場合、その指導教員の許可を(口頭でOK)もらうことが必須条件としてあります。
★先にきちんと企画を練ってプロジェクトページを仕上げてからお願いに行きました。
私の場合、指導教員の許可は即いただけました(理解のある先生に感謝です!)ついでに推薦コメントもお願いして、こちらもOKしてくれました。
このあたりまで私は「案外スムーズにいくのかも~」と勘違いしていました。
もう一人の推薦者は探すまでもなく、せっかく団体として参加しているのだから、シンプルに、同じ団体メンバーの指導教員に許可&推薦コメントのお願いを打診してみようと考えていました。
しかし…
ところ変われば、ラボの風土、先生との関係、先生の性格や考え方、それぞれ変わるということが分かりました。
団体メンバー曰く、自分のボスは、【学生には研究に集中してほしい気持ちが強めのタイプ】だそうでした。つまり、成果が出ている時なら相談しやすいけれど、芳しくないときに研究と関係ないことをお願いしに行くのは気が引ける、ということで…
急遽、他に推薦してもらえそうな先生を探すという問題が出現しました。
(団体で申請するメリット今時点でなし笑!きっとこれから良いことあるはず…)
(((ちなみに…私のラボの先生が二つ返事で快諾だったのは全然当たり前のことではなく、先生が学生がしたいことを応援してくれるタイプだったということと、普段から研究以外の雑談も頻繁にしていて学生としてお願いしやすい空気感だったからだと思いました。
★先生との関係性を築いておくというのも、学生生活の中で研究以外のことをやりたくなったときに重要なんだなという気づきでした!)))
ということで次にお願いを打診したのは、私が修士のときに博士進学&博士就活を相談しに行った支援課の先生でした。
私の大学には博士人材の活躍推進部門というのがあり、修士・博士に進学するとメーリスで博士限定イベントや交流会などをお知らせしてくれます。
私はそのお知らせを毎回しっかりチェックし、博士進学して周りに人がいなくなった寂しさを原動力に、他大学交流会や他大学主催の就活セミナーなど参加していました。
そういうイベントは、その部門の先生を通して他大学の運営へ参加申し込みをするので、顔見知りというか、「すごく活用してくる学生だな~」という認識をされていたと思います笑
なので私は直接メールを送って、zoomで相談する機会を作ってもらいました。
私は偶然にも運よかったのですが、支援課の先生は【博士進学者、リケジョを増やしたい!】と熱意を持っている方で、【博士仲間を増やしたい!】という私の想い(思惑?)と一致しました。
そういう訳で、かなり強力にバックアップしていただきました。
(大学ロゴを広報ポスターで使えるように取り計らってくださったり、学内の博士及びOB/OGと繋げてくださったりetc…)
私だけでは絶対にできなかったことが、1人協力してくださる人がいるだけでどんどん進んでいくことに驚きつつ、ご厚意でいただいたチャンスなので1つ1つ大事にして積極的に動いていきました。
★忙しい先生でしたので、推薦コメントは私がひな型を考えて微修正してもらう形でお願いしました。
★また、すでに私が指導教員の先生の推薦を得ていたことが良かったみたいでした。もし1人目の推薦者としてのお願いだった場合、さすがに私のことを詳しく知っている訳でもないので「少し考えさせて」となっていたかも、とのことでした。(順番大事!)
やること③表現の工夫
先ほど上記、「リサーチで自分と似ているプロジェクトを見つけ、その中でも順調にお金が集まっているページをしっかり見る」と書きました。
そのうえで私が推測したうまくいってるプロジェクトのポイントは、以下の通りです。
■説明ページに問いかけがあって「ん?」と目に留まる
■徹夜明けの状態で読んでも内容が頭に入ってくるほどシンプルにわかる
■ていうか文字とか読むのだるいから斜め読みだけど、画像だけは右脳に直接訴えてくる→一目で「良いな!」と感じる画像
■参加したらなんか自分にめちゃくちゃメリットありそう!と思わせてくる
■参加しないと損だな、くらいに思わせてくれる
やること④【形のないサービスの場合】のリターンを考える
アカデミストでは出資者へのリターンは、活動報告を出資者限定で閲覧できる、というものです。なので私は活動報告を会員制ブログのように更新すれば良いだけなのですが…
研究という分かりやすいロマンがあるプロジェクトと違い、私のプロジェクトは子どもたちの教育という、結果が見れるのはかなり先、進捗も目に見えないものです。活動報告だけでは魅力に欠けると考えました。
そしてこのプロジェクトは体験型の教育サービス、つまりモノをつくるわけではないので出資してくださった方々へのリターンとしてモノも渡せません。
しかも対象は子どもたちです。(ここはビジコンに出たときも頭を悩ませたところでもあるのですが)このプロジェクトでは【サービスを提供する相手=子どもたち】しかし【顧客(お金を出す人)=親・大人】という不一致があります。
そこで
まずは【私たちと同じ志で、同じ課題感を抱いて現状を憂いている、見返りは求めずお金だけ出して協力してくれる聖人】がいることを期待しつつ笑、
出資者のお子さんに無料参加チケットを渡すというリターンにしました。
ビジコンのときに市場調査でアンケートを取った結果、「自分の子供を理系に進ませたい」「理系に苦手意識を持ってほしくない」という親御さんが多く、こういう人たちの方が先述の聖人よりも私たちのイベントに出資してくれる可能性が高いです。
★そういうことで一番出資してくれそうな対象(自分の子どもへの投資なら惜しまない人)にダイレクトに響くリターンになるよう考えました。
【実際に提出したページ】成し遂げたいこと
私が実際に提出したページです。書かないといけない項目がいくつかあるので、項目ごとに目次を立ててます。
これからクラファンに挑戦したいと考えている人になにかご参考になれば嬉しいです!
【実際に提出したページ】なぜ「academist」に挑戦しているか?
最後に…私の本音(長文)
クラファンのページでは字数制限があったので詳しく書ききれず、自分の考えをまとめるため書きました。
子どもたちに科学の面白さを、遊び的な体験学習を通して感じてもらいたいです。そして理系に親しんで(欲を言えば理系選択し、さらにさらに博士まで進学して…)もらえたら嬉しいです!
理系に進まなくとも、楽しみながら科学的思考に慣れるという経験が、これからの人生に絶対に役に立つと信じています。
例えば、「勉強する意味がわからない…」といった少し寂しいけど多くの子が抱きがちな疑問は、やらされてるという気持ちがあるから出てくると思っています。
そしてやらされてると感じるのは、勉強を【正解があって、暗記して、解くもの】と感じているからだと私自身の経験から思います。逆に「面白い!なんでこうなるの?」と思って考えたり行動したりしたことが、遊びだと認識していたけど実は勉強(学習)になっていたということもあります。
この「面白い!」「なんで?」という気持ちのガソリンを使って動かしていくには【科学的思】が役に立ちます。
科学的思考では、ある現象に対して「なんで?」と疑問をもったら【課題発見→仮説→検証→考察→再検証】というサイクルを回していきます。検証といっても非常にシステマティックな手順を踏むだけです。この手順さえ知ってしまえば、あとは筋トレと同じで繰り返すだけで自然と身に付くものだと思っています。
その裏で私は博士学生のアウトリーチ活動の機会を増やしたいと企んでいます。
博士が身近にいないせいで「なんか頭良い人」と思われるならありがたいですが、「変人」「頑固」「コミュ力なさそう…」という扱いづらい人感を持たれることも多いと感じています。特に社会、就職の際など、博士卒は扱いに困るみたいな風潮を払拭したいです。
どうしてそんな風潮なのかと考えると、身近にいないというのも要因と思いますが、一方で博士学生自身にも【社会性的なもの】を鍛える機会が少ないことが要因だと考えています。
どうしても卒業のためには研究に集中する必要があり、大学に篭りがちになっています。さらに奨学金ももらえることが多いのでバイトなど社会とのつながりも学部生の頃と比べるとかなり減ります。そしてラボや学会、共同研究の他研や企業とつながりがあるのは、専門を同じくする人ばかりという環境になります。
他属性の人とのかかわりがほぼ皆無になると何が起こるかというと、専門用語を常識のごとく使って話す、「研究背景も説明しなくてもお分かりですよね(笑)」みたいに説明を省きます。そして人は分からない話をされると相手を「頭良い人だ」と思うのではなく、コミュニケーションのとれない「ヤバい人だ」と思います。
でもこの「ヤバい人」も根っから思いやりがない訳ではなく、単に分かりやすく話すトレーニングの場がなかっただけです。
となれば、博士学生の【社会性的なもの】のトレーニングの場をつくれば良いと思いました。そうすれば博士進学の一番のネックと言われる就職先のなさという点も改善につながるのではないかと期待しています。
また、さらに言えば自分の研究を社会に発信して、多くの人に知ってもらってその重要性をうまく伝えることができれば、研究を助成するためのお金が集まってビジネスを立ち上げることにもつながると考えています。
どうしても研究というのは学術的であるべき、金儲けの道具にするなんて道義に反している、みたいなイメージもあります。元々、すごい発見をした有名な科学者は大体お金持ちで、科学は道楽みたいな面があるからだと思いますが。教授になればハイステータスだけど、そこに至るまでは貧乏な学者イメージが強く、研究の道に進みたい!という人は今のご時世少なくなるのは必然だと思います。
【ビジネスとして成功している研究者】というロールモデル的な人が増えればそこを目指す人も増え始めるのでは?と考え、研究をビジネスに持っていけるような人材を育成できる場がどんどん広がればという妄想をしています。
長くなりましたがこういうような考えを持って私は活動しています!