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こんこんちきディスクガイド

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偏屈3人組が、週刊を目標に、個人的おすすめ音楽を押し売りします。 【メンバー】●induction_heating:BEMANIを契機にダンスミュージックのつまみ食いを始める。/…
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記事一覧

2024年6~9月の新譜記録

こんにちは。タイトルの通り、私が6~9月に聴いて良いなあと思った新譜について、感想とともにまとめておく記事です。 新譜、聴いてはいたんですが、なんかあまりハマれるものがない期間が続き、気づいたら4ヶ月も経ってしまいました。この前まで毎月ペースで書けていたのに…… 良かった新譜アルバムタイトルからsonglinkのページに飛べます。(songwhip、今までありがとう) EXTRA - トリプルファイヤー トリプルファイヤーというバンドにとって、ブチ抜く吉田こと吉田靖直

SONICMANIA2024の感想

ソニックマニアに行きました。台風はギリギリで逸れてくれたのか、演者のキャンセルや交通機関の大きなトラブルもなく楽しむことができて本当に良かったです。クリエイティブマンはじめ、関係各所で対応に追われた皆様に感謝。 観たものサカナクション ライブを観るのは2回目で、かなり久しぶり。一曲目の「Ame(B)」が懐かしすぎて昇天。改めて聴くと、なんかUKだな!と感じました。山口一郎がES-335を掻き鳴らす姿から連想されたのか、「Aoi」の高速ダウンストロークにパンクを感じたのか、

2024年前半頃に聴いた、新譜と旧譜(その①洋楽編)

どうもおはこんばんちわ。 だいぶ御無沙汰したんですけど、さすがに、そろそろ聴いている曲を自分のためにも、整理することにしました。というわけで、2024年1月以降に出会った曲(新譜・旧譜)のうちで、皆さんのお耳に入れるに値するような気がするものを、つらつらと並べておきます。 半分おすすめしたいもの順、半分ざっくりジャンル順ということで、それらを総合的に評価した結果順(?)に並べています。結構コメントの量に多少がありますが、必ずしも多ければおすすめということでもなく、皆さんが

フジロック2024(金曜夜)の感想

フジロックに行きました。仕事が休めなかったり他の予定があったりした都合で、今年は金曜夜のみの参加です。金曜ナイト券、ありがとう。 観られたものは多くはありませんが、せっかくなので感想を記録しておこうと思います。 観たものTHE KILLERS 今回無理を押してでも行こうと思ったのはキラーズが来ることになったからでした。めちゃくちゃ大ファンというわけではないけれど、"Mr. Brightside" をはじめ超ド級のアンセムたちで世界中のフェスを沸かせているのは知っていて、

2024年4,5月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が4,5月に聴いて良いなあと思った新譜について、感想とともにまとめておく記事です。 良かった新譜アルバムタイトルからsongwhipのページに飛べます。 (come in alone) with you - Magnolia Cacophony "Vocaloid Shoegaze" という概念に真っ向から挑んでこれを超えられるものはもう出てこないんじゃないか。My Bloody Valentineやその子孫たち(Guitarやburrrn

Apple MusicからSpotifyに乗り換えて:ディグり方の違い編

ときに、私は、ずっとiPhone、Mac、Apple MusicというApple信者三点セットを利用していたのですが、突然Spotifyに移行しました。 というか、なんだか最近のApple製品発表会もわくわくしないし、結局意地を張ってなのか、いつまでたってもiPhoneはLDACに対応しないし、とにかく「アップル・エコシステム」に愛想をつかして、まずはサブスクから解約してみたという感じです。 で、しばらくSpotifyを使用し、両者の違いとかも見えてきたので、今回は、「デ

2024年3月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が3月に聴いて良いなあと思った新譜について、感想とともにまとめておく記事です。 良かった新譜アルバムタイトルからsongwhipのページに飛べるので、気になった方はそちらからどうぞ! Underlight & Aftertime - downt 私は四季の中で春が一番好きなのですが、これは春そのもののようなアルバムだと思いました。燃え上がらずに燻る生暖かい温度感と、春の匂いを纏って滞留する空気のように濁った音像、そして終わっていくものを想う

最近、逆にBUMP OF CHICKENに付いていけない話

先日、一緒に音楽マガジン(?)を書いているゆざめ君が、BUMP OF CHICKENについての記事を出していました。アルバム「RAY」前後を契機とした、バンドの作風(というか姿勢そのもの)の転換に戸惑い、また和解するという話です。詳しくは記事を読んでね。 というわけで、ゆざめ君は、めでたくバンプと和解したわけなんですが、今度は、私の悩みを聞いてください。 実は、私は、「逆に」最近になって、バンプの新作についていけなくなってきました。遂に。どうしよう……。 私の中でのBU

中東音楽!ターキッシュ・クラリネットを聴く【アルバム4種おすすめ】

皆さん、最近、ワールドミュージック不足じゃないですか?? 邦楽や洋楽もいいんですが、やっぱり栄養分が偏っていると、体に悪いですし……というわけで、私が最近ハマっている「ターキッシュ・クラリネット」という楽器を用いたアルバムをいくつかご紹介します。 ターキッシュ・クラリネットって何だ?ときに、クラリネットという楽器は、御存知でしょうか。童謡『クラリネット壊しちゃった』で有名な楽器ですね。クラシック、ジャズ、軍楽隊、吹奏楽などで使われています。 この楽器は、息の力によって、

BUMP OF CHICKEN『RAY』10年越しの回想 - 「反撃」の終幕

未だにバンプを聴いています。中1のときに彼らに出会い、それをきっかけに音楽にハマり、やがて彼らとは似ても似つかない音楽を聴くようになった現在ですら、未だにバンプを聴いています。たぶんこの先も聴き続けるでしょう。果ては葬式でも流してもらうかもしれません。そのくらい、自分の音楽観や人生観に深く入り込んだ存在が、バンプことBUMP OF CHICKENです。 ところがそんな私も、彼らから離れていた時期がありました。他でもない、7thアルバム『RAY』から8thアルバム『Butte

2024年2月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が2月に聴いて良いなあと思った新譜について、感想とともにまとめておく記事です。 良かった新譜アルバムタイトルからsongwhipのページに飛べるので、気になった方はそちらからどうぞ! 1624 - No Buses やるせなさや怒りを単純な絶叫や爆音による発散に捨象せず(あるいはできず)、ミニマルなパーツが重なり合う構造に託す作風がこれまで以上に明確になった、言ってしまえば非常に内に篭った作品だと感じました。しかし「人を寄せ付けない」という

歳を取るにつれて柔軟性がなくなってコンテンツが吸収できない話

3名で運営しているディスクガイド(?)の編集会議録シリーズ。登場人物は下記。 中野ゆざめ:バンドサウンド畑。 induction_heating:クラブミュージック畑で雅楽もやってる。 Phillsy:クラシック畑だけど雑食。 (中野ゆざめ)この前、人生で初めてオールナイトのDJイベント行ったんだよね〜。 (一同)おぉ〜〜。どうだった? (ゆざめ)良かったんだけど、深夜になるにつれてなんか飽きてきちゃって、結局途中抜けして4時くらいの渋谷を散歩したりしてた。あれってみん

2024年1月の新譜記録

こんにちは!タイトルの通り、私が1月に聴いて良いなあと思った新譜について、感想とともにまとめておく記事です。今年もやります。 良かった新譜アルバムタイトルからsongwhipのページに飛べるので、気になった方はそちらからどうぞ! Three Bells - Ty Segall 過剰で不穏。ブルースやサイケの不穏さを完全にやりすぎていて、それによって広げた巨大な掌でこちらの耳を掌握しに来る粗暴で生々しいパワーを感じるアルバム。生身の人間がそれを真顔でやっていそうなのがかな

2023年ベストアルバム30

今年もやります。みなさま2023年お疲れさまでした。 年間ベストを作成する行為には、単純に好きなものを並べる楽しさもあり、音楽に紐づいた記憶を整理する楽しさもあり、そしてなにより節目で自分の嗜好にしっかり向き合える楽しさもあると思います。 自分の場合、今年はこれまで以上に音楽を通して「作家の意図や感情、ひいては存在を感じたい」と望んだ一年でした。「リアルさ」を求めていたと言っても良いでしょう。4月に就職をして、公私の区分けがいよいよ明確になったことで、「私」の部分でしっかりリ