イギリス人は白人か?
731回目です。φです。
なんだかとんでもない世界になりつつありますね、現在の日本。個人的に、「なんでそうしたの?」と思う決断も少なくなくあります。
これが、若者を中心に前世代が選挙への意識を変えるきっかけになればいいな、と思ったり。国を変えるのは国民です。
さて、それは置いておいて。
まだまだ読んでいる最中ですが、思うところがあったので書いていこうと思う。「西洋の自死」、これは考えながら読まないと進めない。
私が今読んでいるところで、ロンドン市長:ボリス・ジョンソンとか、前政権のオランド大統領とか、サルコジ大統領とか出てきて、「そんな時期かぁ…」と歴史の流れを感じました。この本の出版は2018年。随分と世界は変わったものですね。
さて、私が読み進められなくなった部分。書かれていたことは、イギリスの移民への向き合い方でした。
白人のイギリス国民はもはやいなくなる。
これ、どう思いますか?
私はイギリスと言えば様々な文化によって成り立った国で、正直イギリス人=白人、というイメージはそこまでない。特にロンドン。保守的そうなスコットランドは移民難民受け入れはそこまで寛容じゃなさそう、なんて勝手に思ってます。
ウェールズは色々な人がいたし、スーパーで盛り上がって話した人はアジアから来たとのことだったし。というものすごく個人的な理由で、寛容なイメージです。実際はそうでもないかもしれませんね、私と同じ短期留学に参加した人たちは「Chinese!」と暴言を吐かれ、指で吊り上げた目で見られていましたから。あれを見ると「子どもとはいえ、そんな感じか…」と思ってしまいます。
まぁ上の意見は私の個人的なものなので、偏ったものでしょう。私は差別は存在するとは思います。それを認識し、できるだけ公平であることに努める。それしかないと思う。完全に撤廃することは難しい。完全に撤廃したのだと思い込むこと程危険なことはありませんから。
昔の…例えば第二次世界大戦辺りに描かれた風刺画。これには欧米諸国はThe 白人、な見た目で描かれているかと思います。何がThe?って気がしないこともありませんが(笑)
まぁ当時は色々ありましたね。ユダヤ人への風当たりの強さとか。人種への考え方も、今とは比べ物にならないくらい。まだ労働力としての移民、という認識が強かったのではないでしょうか。植民地の考えの継続みたいな。あくまで白人が上であり、その下に移民が来る、みたいな。
その反省と言うか、人権に関して見直しが行われました。人類すべて平等だと。植民地支配をしていた国々は独立を認めました。嫌々な国もありますけど。戦争した国もありますけど。全部の国が「おめでとー!」とはならないものです。残念ですが。
環境は変わりました。もう植民地は事実上ありません。ないはずです。ですが、人の考えは完全に変わることができていないような気がします。どこかで自分たちが上だというプライドがあって、誰かは下だと思っている感情があって。また逆に、自分たちは下に見なされているのだと卑下して、上に圧し掛かっている人を妬む。…人間ですからね、仕方がないことかもしれません。優越感を持つのは、人間の性かもしれません。
私の意見が長くなりましたね。ちょっと置いておきましょう(笑)
この白人がいなくなる、ということに対して、本に書かれてあったこと。白人以外の人はこう言うそうです。「白人は自分たちの文化を奪った。それの報復だ。」と。
白人…と言いますか、ヨーロッパ諸国が他の国々にやったことは歴史が語ります。大航海時代、彼らはたくさんの国々を”発見”しました。日本だってそう。”黄金の国ジパング”は日本史でも知られた言葉ではないでしょうか。
奴隷貿易。植民地の開発。この単語だけで、ある程度ご理解いただけるかと思います。まぁ全部が全部悪かった、というわけではないでしょう。”発見”した人々がもたらした繁栄もあれば、壊滅させたものもあります。
疫病が流行ったこともあります。なくなってしまった文化もあります。大量に亡くなった人たちもいます。得たものより、失ったものの方が多いかもしれませんね。結果論でしかないし、私の視点も入っていますが。
このことを現在の論点に持ち出すと、「ヨーロッパ諸国が現在移民難民に『文化が破壊される』と言っているが、それはかつてヨーロッパ諸国が他の文明に対して行ったことだ。」と反駁される。否定は難しいと思います。
「昔は昔、今は比較できません」とあっさり言ってしまったら、まぁ否定できてしまうかもしれませんが。とはいっても、過去は過去だと言い切れないのが国際社会。今でも第二次世界大戦の傷跡はどこにでも残っている。国際機関だって、戦勝国と戦敗国の壁がある。
こうやって、歴史は繰り返すのかもしれません。集団同士が優劣をつける。集団を比較することで差を生み出す。差があることで集団を定義する。お互いに緊張した関係になって、あるきっかけで戦争が勃発する。国民感情はナショナリズムになり、グローバリズムを否定し悲観する。
さて、最初の質問に関して。イギリスから白人がいなくなることは、何を意味するか?それは悲劇か、国際社会の訪れという進展か。難しいものですね。
人によって意見は違うけれど、その差が激しいものになればなるほど危険度は増します。
戦争ではない解決の仕方を見つければ、それが歴史的な進歩になるのだと私は信じたいものです。22世紀には戦争が廃れることを願います。
この「西洋の自死」を読み終わって、私は何を思うのかなぁ。分厚い本なので、その時はまだ先ですが、少しずつでも自分の知見を広げつつ読み終えられたらいいな。
時間がかーなーり、必要な本なので、ゴールデンウィークを使って読むのがおすすめです!実りある休日にしましょ~!
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