【自分の人生どこかおかしい?】「トゥルーマン・ショー」感想
こんにちは、Phenolです。
最近は一次創作やゲーム制作ばっかりでした。
久しぶりにnoteで映画感想文を上げます。
今回は「トゥルーマン・ショー」という映画を観ました。
まず、「トゥルーマン・ショー」という映画がどんな話をざっくり説明するとこんな感じ。
トゥルーマンという男の平凡な日常
シーヘブンという島に住むトゥルーマンという男は妻と一緒に普通に暮らしていました。
トゥルーマンは保険の営業マンをしています。
トゥルーマンは朝はご近所に挨拶し、昼は保険会社で仕事をこなし、家では草刈りしたりします。
妻のメリルはスーパーで食材と調理器具を買って、買い物から帰ってくる。
つまり、アメリカの一般的な人間というわけです。
ある日、トゥルーマンは仕事で船に乗らないと行けなくなったが、水が怖くて船に乗りませんした。
実はトゥルーマンが水を怖がる理由には深いわけがあったのです。
「トゥルーマン・ショー」という番組とは何か
トゥルーマンの日常は生まれた時から、全世界で生中継されています。
日本でも放映されていると思われる場面もあります。
トゥルーマンが住むシーヘブン島はハリウッドにある巨大な撮影スタジオで、建物はセットなのです。
トゥルーマンの日常はカメラで追われていて、何も編集されずにテレビで放映されます。
夫婦の夜の営みを行っている時にも。(さすがに映せないのでカメラは切り替えられている)
「トゥルーマン・ショー」は人気番組で、演技も特殊効果も無いすべてリアルなショーに全世界の人々が釘付けなのです。
「トゥルーマン・ショー」の人気具合はすごく、「トゥルーマン・バー」という場所があるくらいです。
おそらく「トゥルーマン・バー」はスポーツ中継を見れる酒場みたいに客が集まって酒を飲みながら「トゥルーマン・ショー」を見る場所だと思います。
そういうことを考えると、人気がすごいですね。
あと、映画の冒頭で「トゥルーマン・ショー」の発案者のクリストフやトゥルーマンの妻であるメリル役のハンナがインタビューで「トゥルーマン・ショー」について語る場面もありました。
この冒頭シーンは「トゥルーマン・ショー」という番組があって、「出演者」がいるということを感じさせます。
日常の違和感
テレビ番組の巨大スタジオの中の世界で暮らすトゥルーマンは自分が住んでる世界に違和感を感じます。
冒頭の場面では空から照明が落ちてきます。
そして、トゥルーマンは男に子供が生まれたら保険に入ることを促す場面ではトゥルーマンの後ろに「カイザー社のチキン」という広告が映されます。
このシーンはあらすじで「トゥルーマンの日常はテレビ中継されている」ということをあらかじめ知っている観客が改めて実感する場面でもあります。
観客もトゥルーマンの感じる違和感を一緒に感じられる演出もあって、感情移入しやすいです。
物語が進んでいくと、車のラジオから番組のエキストラに指示をするような無線が入ったり、入ったビルでセット裏みたいな部屋を見つけたりなど、シーヘブンの違和感を感じます。
「トゥルーマン・ショー」はスポンサーの商品をトゥルーマンが使う日常品として登場するという形のコマーシャルを入れることで広告収入を得ています。
例えば、先ほどの「カイザー社のチキン」やメリルが買ってきた調理器具やトゥルーマンが飲んでいるココアといったモノがスポンサーから提供されてるものだったりします。
メリルが商品のことををまるでコマーシャルのように喋ってるシーンはなんか気持ち悪かったです。
また、トゥルーマンに対して「シーヘブンから出るな」という圧も感じられます。
例えば、フィジーに行こうとしたらチケットが無かったり、シカゴに行こうとしたらバスが故障したり。
テレビでは「世界を知る必要はない。地元が幸せだ。」みたいな内容のドラマが放映されるなど観客も不審に感じちゃいます。
個人的にトゥルーマンの親友のマーロンが思い出を語る場面はなんか、過去の名シーンを回想させるというファンサービスをやっているように感じられました。
個人的にテレビ番組で作られた一人の男の人生という世界観を違和感で味合わされるところが結構良かったです。
トゥルーマンは水が怖い
トゥルーマンは水にトラウマを感じてます。
会社の仕事で船に乗るときに、怖くて船に乗るのをやめてしまうくらいです。
トゥルーマンが子供の頃、父親と船で一緒に海に出ました。
その時、嵐に巻き込まれて父親は水難で亡くなります。
そのことがトゥルーマンにとって忘れられない出来事となります。
実は水難による父親の死は番組が仕向けた演出だったのです。
この頃のトゥルーマンは「シーヘブンから外の世界」への関心が湧いてきました。
番組の巨大なスタジオから抜け出さないように、番組はトゥルーマンから「外の世界」への関心を無くそうとしました。
そのため、父親は亡くなるということになりました。
トゥルーマンの父親役の役者カークは水難事故で亡くなるという展開に不満でした。
トゥルーマンが大人になってから、父親役のカークは番組に侵入してしまいます。
カークとトゥルーマンは血縁関係はありません。
おそらく、血が繋がってない親子でも愛情というのがあったからこそ、合いに来たという事なんでしょう。
番組スタッフもカークの侵入があって、父親は実は生きていたという事にして「復活」させることにしました。
これは「感動的な演出」となって、スタッフや観客は盛り上がりました。
失恋
トゥルーマンは大学生の頃、失恋をしました。
トゥルーマンは「フィジー諸島」という地名を何度か口にしますが、その理由にもつながります。
トゥルーマンはローレンという女性に恋しました。
彼はローレンに近づこうとしたが、ローレンは「トゥルーマンと関わってはいけない」と言われているとトゥルーマンに言います。
それでも、ローレンが好きなトゥルーマンはある夜にローレンと浜辺でデートすることになります。
その時、キスしたりするのですが、急に車に乗ったローレンの父親を名乗る男が現れてローレンを連れ戻します。
ローレンは「この世界は生中継のテレビ番組であり、周りはエキストラで演技している」という真実と「自分の本当の名前はシルビア」ということを告げます。
この際、ローレンの父親を名乗る男は「娘とフィジー諸島に行く」と言いまう。
この時からトゥルーマンはフィジーへ行くこと考えるようになります。
この映画は伏線回収がすごいです。
最初は何ともない場面だと思っていた所が実は重要だったという所がちりばめられていて、「そうだったのか!」という感じで面白いです。
大規模スタジオからの脱出
ある日、トゥルーマンは番組の追跡を振り切って、シーヘブン島から船での脱出を試みます。
トゥルーマンが居なくなったことで、番組スタッフは大慌てします。
エキストラ・スタッフを総動員して探しますが、見つからず番組最大の事態になります。
トゥルーマンが船に乗って海に居ることを掴んだ番組はスタジオ内の天候を操作して嵐を起こして、引き返そうとしますがトゥルーマンは諦めません。
船で進み続けて、やっとトゥルーマンはスタジオの端っこに着きました。
トゥルーマンは空色の壁を叩いて、初めて自分が住んでいた世界が偽物だと実感します。
壁に沿って歩くと、階段とドアを見つけます。
ドアを出ると、スタジオの外に出られます。
そこで、「トゥルーマン・ショー」の監督であるクリストフがトゥルーマンがスタジオを出るのを止めようとしますが、トゥルーマンはスタジオを出ようとします。
ドアを出る前にトゥルーマンは「会えないときのために、こんにちは、こんばんは、おやすみ。」というセリフを言った後にお辞儀をしてスタジオの壁のドアを出ます。
このセリフは冒頭に近所の家族に言ったセリフで、印象に残るものでした。
このセリフはトゥルーマン自身の人生がテレビ中継されていることに気づいたからこそ、テレビで見ている観客への最後のあいさつにもとれます。
この様子を見ていた「トゥルーマン・ショー」の視聴者たちは、盛り上がり熱狂しました。
このセリフとシーンこそ「トゥルーマン・ショー」の最後を飾るのにふさわしいものでした。
総括
映画「トゥルーマン・ショー」は自分の生活全部テレビ中継されている男の話という斬新なアイデアが最高で、ストーリーがめちゃくちゃ良かった。
大規模でリアルな撮影スタジオ、全世界生中継される人生、それを見ている観客
こういう近未来的な感じで現代に通じるような映画でした。
トゥルーマンの日常がどこかおかしいと感じさせるような演出の数々はユニークで見ている私も「トゥルーマン・ショー」の世界に引き込まれました。
最高の映画体験になるような映画だったと思います。