映画デー

入ると思っていた予定が入らなかった。
ぽっかり空いた日曜日。何をするかと考えて、私にしては珍しく、映画館に行くことにした。

見たかったのは、「すみっコぐらし」と「ドライブ・マイ・カー」。

内容にも触れますのでご注意を。

1本目 すみっコぐらし in 映画館

まず最初は「すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ」を見てきた。

主題歌のこと

主題歌がBUMP OF CHIKENだからであるというのが1番の理由だったが、前作のすみっコぐらしの映画が高評価の口コミだらけだったこともあり気になっていたのもある。

と言いつつ、実は、公開当初は映画館で見なくてもいいかなあなんて思っていた。

ところが、昨日シャッフル再生をしていたら、流れてきた主題歌の歌詞の一節が耳に残った。

君だけの思い出の中の 君の側には
どうやったって行けないのに
涙はそこからやってくる
せめて今 側にいる

BUMP OF CHIKEN「Small world」

何度も聞いていたはずなのに、きちんと意味を理解したのは昨日だった。

そして、この歌詞を映画館で聞くために映画館に行こうと決意した。

やさしい映画

実際は、とても良かった。
とげとげした部分が一切なくて、疲れていてもほっこりできる、疲れた社会人にはありがたい世界だった。

無意識に自分が予測した次のセリフは、弱いものに厳しい言葉だったりしたのだけど、実際に映画から聞こえてくる言葉はどれも優しくて、励ましたり労ったり、そんな言葉ばかりだった
自分のひねくれさに少し恥ずかしくもなったりした。

1作目で泣いたというレビュー

2本目 すみっコぐらし in スマホ

ドライブ・マイ・カーまでは3時間くらい間が空いていた。その間にごはんを食べたりして、それでも余った1時間で、すみっコぐらしの1作目を見ることにした。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

どうでもいいけれど、ずっと「すみっこぐらし」だと思っていたら「すみっコぐらし」なのね。
覚えました。

そしてこちら、迷子のひよこの子が出てくるのですが、この子に泣かされました…。

あとおおかみがわっ!ってしてくるところで普通にびっくりした。

このお話ではぺんぎんがフォーカスされていて、2作目がとかげだったから、またもしかしたら続くのかな、なんて思ったり。

今まで画像やグッズで止まっているすみっコ達は見たことがあったけど、動いているすみっコ達はまたかわいさもひとしおでした。

たまらんゆるさだ。

3作目 ドライブ・マイ・カー in 映画館

さて、続きましては1番のお楽しみ。

すみっコ達でゆるゆるになった頭で大丈夫かしらと思いつつ。

実際後半は膀胱が爆発するかと思って気が気じゃなかった。3時間って長い。

村上春樹さん、本を読んだのは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」だけなのですが、映画からも、なんとなくこれが村上春樹節なのだろうかというものを感じました。

本を読んだ気持ちになった。

好きだったところ

好きだったというか、西島さんの背筋がすごかった。
し、霧島さんのウエストもびっくりするぐらい細くてどきどきしました。

西島さんが許せないところが音の運転なのに対して、みさきとは車について、語らずともわかりあえる絶大な信頼で結ばれたあたりが切なかった。

あとはの演出がちらほらすごいなーと思いました。
岡田将生のオーディションのところとか。
音の浮気現場もそうだったし。

そして、各シーンと、映画の中のお芝居の脚本がリンクしているところが、どんどんあからさまにもうそうなっていてたのがすごく胸が熱くなりました。

画が好きだったのは、西島さんとみさきが2人で車の天井から煙草の煙を逃がしているところ。

その前のフロントガラスのところで右手と左手が並んでいるのも良かった。

し、そもそも西島さんが後部座席から助手席に座るようになったりだとか、みさきがちゃんと車内で待つようになったりだとか、そういう距離の縮まり方も良かったなあ。

演技

ぐっときたのは、岡田将生が車内で西島さんに向かって音の話をするシーン。

涙で瞳をいっぱいにして、それでも逸らさずに話す話し方がすごかった。

もうひとつは、西島さんが「音に会いたい」と言うシーン。でももう遅い、とか、もうあのあたりの心の底から絞り出したような声音が本当につらくて、なんという声を出すんだろうと思いました。

みさきも、淡々としているのかと思いきや意外と身の上話をしてくれたり、犬が好きだったり、色々とかわいい子だなあと。

あとは阿部聡子さんの話し方があんまりにも無感情というか抑揚がなくて最初びっくりしたんだけど、これが村上作品だと思うと不思議と馴染んで違和感が無くなるのがすごかった…。

みさきも淡々と話すなあと思っていたけど、これもまた村上作品だと思うと、みたいな不思議感情になりました。

自分に正直に

このあたりの話、岡田将生やみさきや色々な人の言葉がこの話のテーマだと思ったのですが、まだ私は理解が浅いかも。

相手を知るには自分のことを知らなければいけないみたいな。

相手のことを全て知ることはできないし、知れたとしても苦しい、みたいなニュアンスの岡田将生のセリフが、すごく頭に残っている。

それと、みさきが言っていた、「どちらも音さんだと思う」みたいなセリフ。
家福さんを愛していたことも、他の男性を求め続けてしまったことも、どちらも彼女の本当である、というのは、割と、そうなんじゃないかと。
それらは容易に両立しうると思うんですよね。

実はこれ、人からおすすめしてもらったので見たのもあるんですが、この映画を好きな人は、どのポイントを好きなのだろうか、というところがすごく気になりました。

私はそう言う心理描写とか考え方とか、しかも最後は救いがあって、生きていかなければいけないのだ、というところへ辿り着くのが好きでした。

人と人は、本当に出会うべきときに出会っていくんだなあとも思いました。

色んな人の考察やら感想やらも見てみたくなる作品でした。

じつはこの後「かもめ食堂」も見たかったのだけど、体力が残っているだろうか。





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