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映画「ザ・ヴィジル ~夜伽~」観ました

オススメ度
★★★★☆

「ザ・ヴィジル ~夜伽~」
観ました。

元正統派ユダヤ教徒
(Judaísmo ortodoxo)
の主人公が、
ユダヤの通夜(Shemira)を頼まれ、
死者と一晩過ごす。

そこで、その死者が
生前に背負っていた過去(業)によって、
様々な怪異に襲われる
という話。

地味ではありますが
(地味で良いんです)、
とてもセンスの良い雰囲気で
物語が進行してきます。
好きです。

所々の映像が、
まるで不安を煽る
絵画の様な所も素敵ですね。

ただ、これは
ユダヤ教徒達が背負って来た
長い長い迫害の歴史。
なぜ、彼らが頑ななまでに集うのか?
まるで迫害の痛みを紡ぐかの様に祈る、
意固地にも見える
閉鎖的な絆の意味
を知らないと、
哀しみの本質は
見えてこないかもしれません。

ポルトガルにも
亡命したユダヤ人達の歴史があり、
そして、その
痛みと想いは
確実にその土地の哀しみと、
仲間意識に染みついているので、
その地の音楽
ファドとも無縁ではないんですよね。

(音で驚かせる演出が多い事、
表現が宗教的な事、
恐怖重視ではない事で、
好みには分かれる作品かもしれません)

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