蛆虫の作曲家による海洋生物の死のオーケストラ「墓の魚」記事

海洋生物の死骸をテーマにファドという音楽を作ったり、ラテン語、スペイン語、ポルトガル語文化圏の視点から、キリストと細菌と死をテーマにしたオペラを作曲するオーケストラ「墓の魚 PEZ DE TUMBA」。私は西洋古典の「蛆虫」の部分(虚栄)を研究し、オリジナル作品を作っています。

蛆虫の作曲家による海洋生物の死のオーケストラ「墓の魚」記事

海洋生物の死骸をテーマにファドという音楽を作ったり、ラテン語、スペイン語、ポルトガル語文化圏の視点から、キリストと細菌と死をテーマにしたオペラを作曲するオーケストラ「墓の魚 PEZ DE TUMBA」。私は西洋古典の「蛆虫」の部分(虚栄)を研究し、オリジナル作品を作っています。

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最近の記事

映画「1922」観ました

オススメ度 ★★★★★ 「1922」 かなり良質な映画で驚きました Sキングの映画の中でも 大成功した部類 なんじゃないでしょうか? 怪物ホラーではない・・ と聞いていたので敬遠してましたが、 がっつり怪物ホラーでした(笑) 思うにキングの映画化は、 怪物ホラーだと失敗して、 人間ドラマだと成功する 傾向があるので [人間ドラマとして、 そのノリ(その演出の延長線)で 怪物を描く] と良いじゃないかと思いましたね。 元々キング小説の怪物は、 人間の精神から湧き出て来

    • 映画「キョンシー/殭屍」観ました

      オススメ度 ★★★★☆ 「キョンシー/殭屍」 これは稀有な名作。 有名な「霊幻道士」への 敬意に溢れた作品。 中国古典の悪鬼の雰囲気を 醸し出せる作品って そんなに無いのですよ。 行疫神も出て来る。 この作品からは [夢溢れる?「霊幻道士」を観た子供達が 大人になった今、 夢の無い大人の「霊幻道士」を 観ようじゃないか] という意志と、 [失ってしまったもの (キョンシー映画の栄光時代)は もう戻らないのだ] というメッセージを私は感じます。 「霊幻道士」は、どう

      • 映画「縄の呪い3(粽邪3)」観ました

        オススメ度 ★★★★☆ 「縄の呪い3」(原題[粽邪3])観ました。 台湾ホラーの多くが 本格恐怖モノに進行しているのに対し、 こちらはかつての[霊幻道士]的な路線で 道教の儀式vs悪霊 の物語を描きます (ただしカンフーは無い) 2に登場したタイの悪鬼・皮叵に加え、 3はタイの陰グマントン(陰古曼童) などの信仰も登場します。 古曼童は「霊幻道士7」に登場した 嬰靈信仰に近いものです。 皮叵はタイの悪鬼の長だそうです。 ちなみに、 その他に道教の信仰を扱った作品だ

        • 映画「縄の呪い2(粽邪2)」観ました

          オススメ度 ★★★☆☆ 映画「縄の呪い2」観ました。 相変わらず邦題がダサ過ぎる。 普通に原題の「粽邪2」でいいでしょ(笑) (この日本人のセンスの無さこそが、 日本ホラーの レベルの低さを表している気がします) 近年、過去の名作「霊幻道士」 (「来来キョンシーズ」ではない) を再現しようとして 失敗した映画が沢山ありますが、 これは雰囲気といい、 成功している方・・ なのではないかと(私は好きです) ただし、カンフーアクションは無いので [戦えない道士]の話になり

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        • 「墓の魚」が薦めるホラー映画
          54本
        • 「墓の魚オーケストラ」コラム
          98本
        • 私の詩(El Sventramento)
          65本
        • ファドを作曲する
          12本
        • 「墓の魚」の墓場の詩の紹介と解説
          61本

        記事

          映画「アナイアレイション -全滅領域-」観ました

          オススメ度 ★★★★☆ 「アナイアレイション -全滅領域-」 観ました。 我々人類の知る [細胞の秩序の世界]とは、 全く根本的に異なる体系の空間が 宇宙からやって来た。 みたいなお話ですね。 SFなのかな? 要は全ての遺伝子、 細胞が[暴走する]のではなくて、 個というものを失い、 [混り合ってしまう]世界 という事なのだと思うのですが、 荒唐無稽に見えるけれど、 案外考えさせられてしまう。 人類だって、 近い属、種の細胞を繋げたり (別種サボテンの接ぎ木など)、

          映画「アナイアレイション -全滅領域-」観ました

          映画「タリーと私と秘密の時間」観ました

          オススメ度 ★★★★☆ 「タリーと私と秘密の時間」 観ました。 色んな意味で泣ける。 純粋に感動とかではなくて、 悲しいという意味でだろうか。 夫が色々酷すぎると思うのですが、 こういう男性が 普通に沢山いるんだろうなぁ・・ と思います。 暴力をふるう・・ とかではないんですよね。 認識の問題なんですよ。 これも最後まで観ないと 作品の方向性がわからない映画。 仕組みがとても文学的で好きです。 観て良かった作品でした。 切ないけど、いい映画です。

          映画「残穢」観ました

          オススメ度 ★★☆☆☆ 私は原作小説「残穢」の大ファンなので、 原作八回位読んで、 ようやく映画観ました(笑) なので、少し厳し目の評価です。 途中まではなかなかいい雰囲気でした。 しかし、原作の色々大事な部分が カットされているのは 時間的に仕方ない事だとしても、 原作に無い最後の一連のホラーな出来事は いらないでしょう・・(涙) と思ってしまう。 「何も起こらないから怖い」 というのがわかってない。 原作の良い所は、 [色々調べたけど、 結局何も起こらなかった。

          映画「ハウンター」観ました

          オススメ度 ★★★☆☆ 映画「ハウンター」観ました。 これは面白い!! ラストまで [傑作か?、駄作か?] みたいな流れがあるのですが(笑) ラストの爽快感が素晴らしい。 本来は暗くてもおかしくない物語の終幕を、 悲喜劇的な展開と、 家族愛のテーマで、 [人間は死んでも終わりではない] [天国とは何をもって天国か?] [この世の救えない悲劇は、 やがては善が解決する] という映画の第二のメッセージで 見事に暖かくまとめたのが素晴らしいです。 傑作か、駄作かが ラストま

          映画「ドゥ・ザ・ライト・シング」観ました

          オススメ度 ★★★★☆ 「ドゥ・ザ・ライト・シング」観ました。 良い映画。 勧善懲悪でない、 誰もが悪い人間ではないが、 それでも起こる 人間同士の摩擦からの暴動と、 差別が生んだ世界を 淡々と描く人間風刺。 最後の結果は、 なるべくしてなった 流れだったと思います。 「自分は何も おかしい事はしてないのに」 とか 「何も悪い事はしてないのに」 などと、ピザ屋は言うだろうし、 日本人は、 このピザ屋に同情する者が多そう。 しかし [過去から続く差別の傷] に鈍感な者

          映画「ノースマン」観ました

          オススメ度 ★★★★☆ 「ウィッチ」 「ライトハウス」 に続く ロバート・エガース監督の作品。 映画「ノースマン」観ました。 終始、徹底して 濃度の高い紺色(墓地の色)が覆う 重厚な映画。 善悪では描かれない ヒーロー不在の人間の愚かさ、 醜さを徹底して書いた文学的な作品。 宗教は異なりますが メルギブソンの 「パッション」に似た雰囲気もありますね。 この監督の作品は 「ウィッチ」もそうでしたが、 古い男社会の[稚拙な傲慢さ]や、 女性の話を聞かない(理解できない)

          映画「ヘルホール 悪霊館」観ました

          オススメ度 ★★★☆☆ 「ヘルホール 悪霊館」 観ました。 ポーランド映画だからか、 かなり良質な雰囲気。 終始アンティークというか、 中世的なサナトリウムの雰囲気漂う ゴシックホラーですね。 ちゃんと怪物も出て来るし、 オチも私は好きでした (短編小説っぽい)。 「エクソシスト」や 「へレディタリー」の様な 人の心の闇の具象ではなく、 「ミッドサマー」や「レリック ー遺物ー」や 「ダーク・アンド・ウィケッド」の様な 文学的なホラーでもなく、 悪魔召喚、修道院、黒魔

          映画「ヴァチカンのエクソシスト」観ました

          オススメ度 ★★☆☆☆ 「ヴァチカンのエクソシスト」 観ました。 面白かったです。 面白かった・・けど・・ 私の好みではなかったです(笑) まぁ、 映画として ドタバタあって 面白い作品かもですが、 [静]の映画ではなく、 [動]の映画という感じで 好みでは無かったんですよね(汗) 「ダ・ヴィンチ・コード」と同じで、 宗教的に見えて、 全く宗教的な映画ではない作品 というか・・。 人間の罪や、 魂の根源を問う様な [レリック遺物] [哭声] [ヘレディタリー継承]

          映画「ザ・ヴィジル ~夜伽~」観ました

          オススメ度 ★★★★☆ 「ザ・ヴィジル ~夜伽~」 観ました。 元正統派ユダヤ教徒 (Judaísmo ortodoxo) の主人公が、 ユダヤの通夜(Shemira)を頼まれ、 死者と一晩過ごす。 そこで、その死者が 生前に背負っていた過去(業)によって、 様々な怪異に襲われる という話。 地味ではありますが (地味で良いんです)、 とてもセンスの良い雰囲気で 物語が進行してきます。 好きです。 所々の映像が、 まるで不安を煽る 絵画の様な所も素敵ですね。 ただ

          映画「グレート・グローリー 大いなる勝利のために」観ました

          オススメ度 ★★★★☆ 「グレート・グローリー 大いなる勝利のために」 原題(cristiada)観ました。 要は「クリステロ戦争」です。 日本語タイトルもそれでいいのに・・ と思いますが(汗) さて、この映画、 面白かったです(なぜか英語だけど)。 メキシコ革命から17年後位のお話で、 カリュス法によって メキシコでキリスト教(カトリック)が禁止され、 キリスト教徒達(主に農村の)が反乱を起こす、 その動乱の中の人々の物語なのですが、 「墓の魚」の詩や劇の舞台と

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          映画「エスター・ファースト・キル」観ました

          オススメ度 ★★★★☆ 「エスター・ファーストキル」 観たのですが、 ホラーでは無いよね。これ(笑) 面白いのは、 エスターは、様々な難題や ハンデを抱えながら足掻いている 低階層の[悪]で、 対して、 相手は特権階級の[悪] なんですよね。 人間って本質は 誰もが[悪]なんだけど、 特権階級は何食わぬ顔で [善人]に扮する事ができ、 比べて、 何も持たない者は それが出来ず[モンスター]と呼ばれる。 そういう [人間社会への皮肉] を感じる良作品でした。 [エス

          映画「来る」観ました

          オススメ度 ★★★★☆ 映画「来る」観ました。 かなり面白かったですね。 レビューで [ラストのオチがひどい・・] と、沢山聞いていたので、 相当ひどいのを覚悟していた為か 「これはこれでありかな?」 「時間が足りなかったのかな?」 位にそこは軽傷で流せました(笑) ノリとしては 「世にも奇妙な物語」 が長編になった感じ。 そういうノリで深く考えずに 観た方が楽しめます。 また、 私の大好きな陰陽師の漫画 「魔法使いの娘」(那州雪絵さん) の世界観とも少し似ていたり、