天皇賞(秋)〜57秒4の歓喜〜
見渡せば、東京にはまだ花も紅葉もないが、陽光に照らされ、天高く馬肥ゆる季節、第166回天皇賞(秋)がここにはあった。
通過時計を見た時に、一瞬不安が脳裏をよぎった。大欅の向こうには行ってくれと思わんばかりで固唾を飲んだ。
近年は上がり最速が32秒台を記録することもあり、末脚勝負、キレ味が求められる時代にある。勝利したイクイノックスはまさに末脚を活かすお手本のような競馬で、初のG1制覇を飾った。3歳初戦が皐月賞、さらにダービーを大外枠、そして最後方から差して2着に食い込んで