衣 |ひまな日曜日の「よもぎ」染め
今朝、畑に向かう川ベリを歩いていたら、大量の蓬の葉が生えているのが目に入った。きっと新鮮なので綺麗な黄緑色に染まるだろうなと思って、
ひとつまみほど、周りの蓬を摘んで持って帰ってきた。
朝ご飯の準備をしながら、摘んできた蓬を水に晒し、少し時間をおく。
コーヒーを飲んで、パンを食べて、お腹いっぱいになり、
洗濯物も干し終わって、日曜日の家の仕事も終えて気持ちも晴れ晴れしたので
いよいよ、よもぎ染に取り掛かってみる。
下準備とよもぎの色水を作る
毛糸の薄い束を作って石鹸を少し入れた水に浸す。
その間に、水にさらしておいたよもぎをお水と一緒に煮立てる。
煮立ってくると、蒸されたよもぎの匂いが、部屋いっぱいに満ちる。
よもぎの色を毛糸へうつす
黄金の色が染み出してきたら、鍋を火から下ろして、よもぎの葉を濾す。緑に染まった色水に毛糸を入れて、また火を入れて泳がせる。少し煮立ったら、火から下げて、窓際で冷ます。
毛糸を冷まして、色を落ち着かせる
毛糸を冷ましている間、小休憩。10時のおやつの時間をしながら、今後の染めと織りプロジェクトの妄想をする。
「次は畑の周りの松ぼっくりと桑の葉で染めてみたい」
「染め上げた糸で織った『菜園のタペストリー』を作りたい」
「タペストリーを作る時は、毛糸は六甲牧場の羊の毛を紡いで作りたい」
いろいろ妄想すること10分。妄想なので、ちゃんと実現するかは分からない。そろそろ毛糸の入った色水が冷めたころ。
よもぎの色を、定着させる
毛糸を色水からあげて、あったかいミョウバン水につける。さあっと澱んだ緑から淡い黄色へ色が移り変わった毛糸を15分ほど水に浸しておく。この色水からミョウバン水への毛糸の移し替えを2〜3回繰り返す。
生の葉から染める場合、一回染めだけだと、とても淡い色合いになるが、繰り返し色水とミョウバン水に潜らせることで、色が重なり濃く染まっていく。よもぎが時間をかけて土から水を吸って養分を取り入れていったように、毛糸に少しずつ色が沁みわたっていく。
出来上がり
昼ごはんの時間になった。気持ち良い秋空のもと、よもぎ色の毛糸が風で揺れている。色を移したよもぎは、また明日川ベりの土へ帰す。
よもぎの匂いを嗅いで思い出したこと
むかし、ミクロネシアのヤップ島に2週間ほど滞在したとき、一緒にいったメンバーが急に起き上がれないほどの高熱にかかったことがあった。
次の日に帰国の日が迫っており、一晩寝て良くならないと帰れないという状況の中で滞在していた村のお父さんが、大量のよもぎのような薬草を煮立てて、その鍋を病人に持たせて、一緒に大きな毛布で包み込んだ。丸ごと人間よもぎ蒸し状態で、かれこれ待つこと30分。ほっかほかに蒸気した病人は、そのあとぐっすりとよく眠った。
次の日、病人はすっかり元気になり無事に一緒に帰国できた。さて、あの薬草はなんだったんだろう。今日はよもぎを煮てたら、あの時の匂いがしたので、この出来事を思い出した。色々な民族の「よもぎ」の使い方をいつか調べてみたい。
次にやりたいこと
・松ぼっくり染め(畑にいっぱい松ぼっくりが落っこちたので)
・六甲牧場の羊に会いにいって、羊毛を拝借する。
・よもぎの種類と見分け方を知りたい。
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