「ワーママ」×「管理職」をやってみた!マネージャー一年目を振り返る
今年、小さいながらチームを率いるマネージャーになりました。
昇進…!!?えっ、私ですか…!?という気持ちが強かったです。別室に呼ばれたときは、正直、レイオフか?と疑ってしまったほど。
それでもなんとか、走り抜けた!
今年が終わる前に、どんなかんじだったか記録しておきたいと思います。
感謝を伝えたい
娘よありがとう:生産性とタイムマネジメントを鍛えてくれた存在
いまの部署にきてから六年間、評価はいつも「consistently meet(まあまあ)」という中くらいの評価でした。まったくやったことのない仕事だったので、慣れるのに二年、かかりました。その次の四年は完全に「ルーティンをこなす」感じでした。自分でもこの先、どこを目指して走っていったらいいか、まったくわからず、ぼんやりした日々を送っていました。ぼんやりしながら妊娠し、出産しました。
育休から復職したのはコロナまっただなか。会社がものすごく忙しいタイミングでした。
一日、百通以上のメールを書いてもタスクが終わらない。でも、お迎えは行かなければならない。お迎え後は寝かしつけるまで一切仕事をすることができない。早朝、起きて仕事をすることはできるけれど、それもせいぜい一、二時間…。
優先的に進めるべきはなにか?この仕事はどうやったらもっと短時間でゴールにたどりつけるのか?最小の時間で相手にアプローチするには、どのような方法が効果的か?
つねに生産性を意識し、タイムマネジメントスキルがものすごく鍛えられました。
SNSではよく「子どもを産むメリット?(ないよ)」という声を目にします。そもそも子育てはリターンを求めるものではない、という大前提のうえで、私はメリットをひとつあげるなら、仕事の能力が爆上がりしたことを挙げたいと思います。
まちがいなく、娘がいなかったら、私は昇進することはなかったです。
娘、ありがとう~。
夫よありがとう:背中を押してくれる存在
前任がいなかったこともあり、最初の一か月は、文字どおり「右も左もわからない」状態でした。子どもに靴をはかせながら、キッチンでじゃがいもの皮をむきながら、電動チャリの充電をしながら…、とにかく一日中ずーっと、「どうしたらいいんだ…」とブツブツつぶやいていました。胃が痛くなる日々でした。
そんな私に、夫は毎日、深夜のキッチンでビール片手に「大丈夫だよ」「あなたは絶対できる」と声をかけてくれました。
「こんな私でいいのか」「みんなはどう思っているのか」など、最初はかなり気にしていましたが、妄想の域を出ないことなど、考えてもしかたのないこと。そして、たとえ全員にダメだと思われていたとしても、自分は依然、マネージャーであること。
夫が言ってくれた言葉を胸に、いまは「とりあえずガンバロ~…!」と自らを鼓舞しながら仕事をしています。夫も忙しいのに、私の不安な気持ちによりそってくれ、声をかけてくれたこと、とても感謝しています!
本から得た学び:リーダーとは?
「地頭より論理的思考力よりも大切なもの」というサブタイトルに惹かれて、伊賀泰代さんの「採用基準」を一気読みしました。
私は知らず知らず、「リーダーは経験豊富で、仕事ができる人でなければいけない」と思い込んでいたように思います。この本を読み、リーダーはいちばん仕事ができる人である必要も、いちばん経験豊富である必要もないのだと気づくことができました。
リーダーは「成果を出す人」であり、べつに人生経験や事務処理能力の高さは必要ありません。成果を出すためにやるべきは、「目標を掲げる」「決める」「伝える」などシンプルな行為です。
なかでも印象的だったのは「先頭を走る」。マラソンで、先頭を走る人についていくのはすごく楽です。そうではなくて、負荷が高いけれども、自分が一番先を走る。メンバーに方向性を示す。なるほど~!と腑におちました。職場のスローガンのひとつ、「agility」は、こういうことだったのか、と。「agility」(日本語訳:敏捷性)をただ単にクイックに動く、と解釈していたのですが、そうではなく「不確実で不透明でも、自分がまず最初にやってみる。一番にチャレンジをスタートする」という意味だったようです。
「先頭を走る」、これはできるぞ!と思いました。うまくいかない場合も含めて、リスクや責任を引き受ける、結果として恥をかいたり損をしたりすることも受け入れる。子育てと同じですな☺️
両立の課題
出社がつらい
ここ一年で、リモートワークメインの働き方は終了し、原則「週五出社」となりました。
上長に相談すれば、自分もリモートをもっと使えるかもしれません。しかしながら、部下が全員、出社しているのに、自分だけリモートというのはたいへんやりづらいのですよね…。いったん会社の環境が「出社(リモート)前提」になると、そうではない少数の人だけが異なる環境で仕事を進めるのはつくづく難しい、と感じます。
「出社」が前提になると、あらゆるコミュニケーションが「口頭ベース」になります。部下たちがコミュニケーションをとっている中、リーダーだけが蚊帳の外、ということはあってはならない。リーダーはチームのコミュニケーションについていかなければならない。そういったことを考えると、やはり自分も会社の方針に合わせて出社するのがベストだと考えます。
しかし、これがしんどい!!!
現状は夫のリモートに助けられながら、ほぼ出社しています。
しかし、これにコントロールできない出来事が重なったらどうなってしまうのか(たとえば夫もフル出社を求められるとか、娘が元気に登園できなくなるとか)。正直、いつまでこの調子でいけるか、わからないぞ…という不安な気持ちもあります。
育児とマネージャー業の両立は不可能?
「育児と仕事の両立は可能!」とずっと思っていましたが、これは自分が「ルーティンばかりやっていた」からかもしれないと気づかされました。
仕事のタスクがルーティンでさえあれば、ひとつずつクリアしていくことはさほど難しくありません。
ところが、マネージャーの仕事はルーティンではなく、何をしたらいいか、いちから考えることが求められます。「やばい思ったよりも時間がかかる」「チームの効率が悪い」など予想外のハプニングも日常茶飯事。
「育児と仕事の両立って、やっぱり無理だったのかな…」という思いが、たびたび頭をよぎるようになりました。
でも、「育児してるから管理職できません!」って言いたくない。育児するなら上にあがれない、ということはつまり、企業の上層部が、子どもを持たない人たち(あるいは、子どもをもっても育児にコミットしなかった人たち)ばかりで占められてしまうということ。
それってなかなかのディストピアな気がするし、そういう企業ばかりで占められる日本の未来を想像すると、なんとも残念な気持ちになります。
「育児をしながら、管理職もやる。きっと何かしら方法があるはず!」と、正直、意地のような気持ちでやっています。
でも実際問題、コミットしなければならない場所が二つあるのはけっこうキツく、確固たる答えは見つかっていません…。
これからのこと:視野が広がる楽しさ
やってよかった!
マネージャーをやって、これまでまったく見えなかったことが見えるのはおもしろいです。
業務内容がちがう、入ってくる情報量も違う、人からお願いされることもちがう、そうなると自分の考え方や行動も自然に変わってきます。
よく「立場が人をつくる」という言葉をききますが、そうなのかもしれません。
視野が広がり、「こういうことをやってみたい」という欲もでてきました。たとえば、もうすこし、組織全体やチーム員の機微を理解して、どこを押せば動くのか、どうしたら皆がもっと効率的に業務できるのか、考えていきたいな~とか。ルーティンをやっているうちは思いつかなかったことです。
チャンスをくれた新しい上司には感謝しています。
ただ、毎日「たのしい、いぇーい!」と思いながら出社しているわけでは(もちろん)なくて、動き始めてしまった歯車を止められない感じに近いかも…。
…ときどき休憩し、振り返りながら、とりあえず来年もがんばってみようと思います。
一年の終わりに!