フランス映画「La Syndicalis」見てきた
原子力産業の世界で起こったスキャンダルを描いたフランス映画
いやぁーこれは闇深い。
真実っていつか明らかになる?
それともこのまま迷宮入り?
この作品は非常に後味が悪く陰惨でした。
あらすじ
主人公モーリーン・カーニーさんの目線で物語が進んでいく実話に基づく映画
モーリーン・カーニーさんって? Maureen Kearney
原子力産業大手AREVA社(現ORANO社)の労働組合CFDT代表、フランス人エンジニアの英語教師として働いていたアイルランド国籍の女性
2012年に中国企業との協定による核技術の移転、フランスの原子力産業の政治的・経済的な陰謀、原子力産業を揺るがす国家機密を暴露する内部告発
当時の仏大統領、フランソワ•オランド氏と会う約束の日に彼女は何者かによって自宅で襲われ、警察によって取り調べを受けます。
しかし、彼女は警察による圧力によって、自分が襲われたことをでっち上げたという偽の供述をすることに…。
物語は、彼女が真実を明らかにするために戦う姿を描いていきます。
主要キャスト
主役モーリーン・カーニーさんを演じたのは
1971年から女優活動をされていて、何度か来日もされている
沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇 「La Cérémonie」1996年日本公開で、セザール賞、最優秀女優賞を受賞した
イザベル・ユペール Isabelle Huppert
感想
会社名や当時のアレヴァ社のCEOの名前をはじめ、全ての登場人物が実名で登場するという点に驚いた。
主人公の女性は、何事にも妥協を許さず、流されずに強く立ち向かう姿勢が素晴らしい。
裁判の場面では、同じ女性である裁判官の質問や態度が意地悪すぎて、私自身も感情移入してしまい、裁判官に腹が立った。
映画の内容である国家機密のスキャンダルに加え、モーリーン・カーニーさんという人物にも興味が湧いた。
彼女はアイルランド出身で、フランスの大企業に英語教師として入社し、そこで海外プロジェクトで働くフランス人エンジニアたちに英語を教えることからキャリアスタートし、労働組合CFDT代表としてリーダー的な地位に昇進していく。
映画の中でも、当時アレヴァ社のCEOだったアンヌ・ロベルジョンさんとも普通にお茶をしたり、会食をしたりしていた場面があった。
休みの日でも、彼女の携帯電話は会社のトップや政界人らしい人からの電話で鳴り止まなかった。
まとめ
真実が明らかになるかどうかは状況によって異なる。
内部告発者が証言して事件が解決する場合もあれば、政治的圧力や利害関係者によって隠蔽、闇に葬られることもある。
映画の中でも描かれているように、真実が明らかになるかどうかは常に不確かなものです。
特に、大企業や政府などのパワフルな勢力が関わる場合、真実が隠されたままにされることもあります。
しかし、長期にわたって隠蔽された事件が後に明るみに出ることもある。
真実が明らかになるかどうかは、事件の背景や状況、人々の行動によって決まる。
大きなリスクを覚悟の上、彼女が真実を明らかにしようとする姿勢は、簡単に誰にでもできる事ではない。
私が、彼女だったら、怖くて圧力や脅しに屈し、静かに黙って暮らす道を選ぶだろう。
この映画を見た人々が、真実を求めるための行動を起こすことや、社会に対する疑問や批判を持つことが大切だと考えられる。
きっと真実を追求し続けることで、社会の進歩や改善につながる可能性が見えてくるかもしれない。
注)フランス語初心者である為、映画の解釈に誤りがある可能性があるかもしれません。もし何かお気づきの点がございましたら、コメント欄にお書きください。