実家でたくさんの無駄を愛した27年間。

最近夫が筋トレにハマりだし、少し前までは痩せなきゃ〜が口癖だったのが、今はむしろゴリマッチョを目指して増量に励んでいる。

我が家ではご飯係を週替わりの当番制にしていて、私が当番のときは体づくりに役立つご飯を作るよう心がけているのだけど、今まであまり「筋肉メシ」を作ったことがないため、日々良さそうなレシピや食べ物の栄養価を検索しまくっている。

そんなわけで数多の筋肉メシレシピやブログを巡って気づいたのが、【筋肉界隈の人たちは、とってもミニマリスト】。理想の体という目標に向かって日々トレーニングや食事制限に励んでいるのだからまあ納得ではある。中にはとっつきにくいほどにストイックな方もいるけど、それぞれの哲学が面白く、メシのことを忘れてつい読みあさってしまう。

私自身はミニマリストと真反対で、日頃から便利でジャンキーなものに浸りきりだ。だから「筋肉に関する便利な情報を享受する」という接点で筋肉界隈に足を踏み入れた。そしてそれが意外と面白くいい刺激となって、私の日々も僅かにミニマル化しつつある。

私の実家もミニマリストとは程遠かった。みんな便利を愛し、部屋はそれぞれが愛するもので溢れ、清潔にはしていたもののインテリア性は極めて低かった。「日々の彩り」とか「お楽しみ」の名のもとたくさんの可愛い無駄が集まっていた。反抗期にはそんな両親がだらしなく見えて毒づいたが、今にして思えば【世の中にはたくさんの楽しくて美味しくて可愛いモノがあること・そしてそれらは買って手に入れられること・それらを愛でる喜び】(そして楽しい無駄使いのために、父は頑張って働いて稼いでくれていたのだ)を教えてくれていたんだと実家を出てから気づいた。

たくさんのモノに触れ、たくさん愛して育ってきたから、ミニマリストの世界もわたしにとっての新たなスキとして新鮮な気持ちで楽しめているのだろう。今は新婚であまり贅沢はできない身だけど、モノを手に入れ愛する楽しみと豊かさを教えてくれた両親には感謝の気持ちでいっぱいだ。

おかげで筋肉メシ作りが日々楽しい。大好きな夫の理想のムキムキボディを、陰ながら応援していきたい。

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