着物じゃなかったら、生まれなかったコミュニケーション。丸紅ギャラリーさんの企画展にて
有休を利用して、丸紅ギャラリーさんの企画展「"ふしみ殿御あつらへ" 小袖裂と復元小袖 -墨書と裂から分かる桃山時代の小袖制作-」を観てきました。
着物を作る工程が、復元された小袖とともに展示されており、「こんなことまで分かるのか」と感心しました。裏を返せば、服というのは、その時々の人の暮らしや文化、風習が集約されているんだなと。
まさか小袖の持ち主(ふしみ殿)も、何百年も後の未来に、自分が当時着ていた着物が詳細に調べられ、復元されるなんて夢にも思わなかっただろうな。もしかしたら、今私が着ている着物や洋服たちも、数百年後に「当時を知る貴重な資料」になったりするのかもしれません。そんな妄想まで膨らみました(笑)。
ギャラリーのスペースはそれほど広くないので、ゆっくり解説を読みながらでも、30分あれば十分展示を楽しめると思います。入館料は500円で電子決済のみ対応なので、ご注意ください。
さて、この日私はkeniamarilia(ケニアマリリア)さんのスカート、いわゆるケニスカを履いていました。
※ちなみに、こちらのnoteで書いた「(着物を)作れる人や工場がどんどん減っていると知った」のは、keniamariliaの代表である座波さんとお話したことがきっかけでした。
本当は着物で出かけようと思っていたのですが、当日、あまりにも寒くて…! 着物は断念しましたが、せっかく着物の展示を見に行くのだから…と、着物の反物を使って作られたケニスカを選びました。
会場には着物で来られている方も多くて。寒くても着物で来ていらっしゃる…! 私には気合が足りなかった…などと思っていました。
展示を見終わって、お手洗いでマフラーを巻き直していたら、後ろを着物姿の女性が通られました。
鏡越しに見えた道行き(着物用コート)も着物もすごく素敵で、思わず振り返ってみたところ……その方もこちらを振り返っていて、バッチリ目が合いました。
にっこり微笑まれた後、「もしかしてお着物? ご自分でリメイクされたの?」と、声をかけてくださいました。
「これは着物の反物で作られた既製品のスカートです」
「あら素敵ね」
「ありがとうございます。そちらの着物と上着(道行きって言葉がとっさに出ず…)も、お色が素敵で、思わず振り返ってしまいました」
こんな会話をきっかけに、ご婦人と少しだけお話しました。終始にこにこされていて、言葉遣いも優しくて「ああ!友だちになりたい!!」と思いましたが、さすがにそこまでお声掛けするのは控えました…
言葉を交わしたのはほんの数分ですが、ケニマリじゃなかったら、着物じゃなかったら生まれなかったコミュニケーションです。改めて、私は着物のこういうところが好きだな~~~~って思いました!
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