笑顔-NO BORDER
大事な気持ちを久しぶりに思い出したので、どうしても書きたくなった。
それは、昔のカップヌードルのCMにまつわる話だ。''NO BORDER''というシリーズになっていて、いくつかのバージョンがある。テレビで放送されていた頃のことはよく覚えていないが、たぶんリアルタイムでも見ていたのだと思う。
でも、そのときの話ではなくて、今回書きたいのは僕が高校生の時のことだ。
※文章よりも動画を先に見たい方は、一番下にリンクがありますのでどうぞ。
高校時代、勉強も部活も忙しく、将来のことなんかも色々と考えて悩んでいたが、ある時期、このシリーズのCMをYoutubeで繰り返し観ていた。そしてとくに、今回挙げる動画が一番好きで、観るたびに強く心を揺り動かされ、何度も泣きそうになったはずだ。
当時、英語を学ぶことが好きだったし、CNNやBBCといった海外のニュースをネットを使ってよく見ていた時期があった。部活から帰ってきて夕食も済ませた後、夜に自分の部屋でニュースを見ていた。リポーターが早口で語る紛争や事件の現状を、僕が何パーセント理解していたのかは、今となってはわからない。何のために見ていたのか、自分でもよくわからない。たぶん、最初は英語を勉強しようと思って聞いていて、そのうちに、よく見るようになっていたのだろう。
何となく海外に関心があったから、将来は海外に行きたいなとかぼんやり思っていた。とにかく遠くに行きたいと漠然と考えていた時期もあり、西アジア(いわゆる中東地域)に行きたいと思っていたときもあった。
大学生のときにも再度観たことがあったが、高校生のときには無批判に観ていたことに気づいて、子どもたちの笑顔も、結局作られた笑顔、偽物かなと思い嫌になったこともあった。
でも今なら、何のために作られたものだろうと、そんなものどうだっていいと僕はきっぱりとここに宣言したい。
今回改めて観てみて、もしもこの動画を高校生のあの時に観ていなかったら、確実に、僕は今とは別の人生を歩んでいだろうと思った。
遠くで起きている紛争も、飢餓の問題も、もう誰が悪いかも何やかんやわからない問題をどうにかしなければ、という漠然とした思いも、とにかく遠くに行きたいという思いも、高校生のときに僕の頭の中で渦巻いていたのだと思う。今振り返ってみて、反省するべきこともあるとしても、それはそれで大事に取っておけば良いと思う。
そして、当時のそんな思いもすっかり忘れていたが、僕が将来その種の問題に取り組んでいくことになるかは正直わからない。僕が手を出すべきことなのかもわからない。もしかすると、将来はまさにその種の問題に取り組んでいくことになるかもしれないが、僕はそんなことができるほど立派な人間でもない。
きっと、僕なりのアプローチの仕方で、世界のどこかに存在する問題に取り組むんでいくことになるだろう。たとえ小さな小さなものでも良い。そして急いで結論を出そうとも思わない。
僕はこのCMのシリーズについて、イメージだけで軽々しく語りたくない。
とにかく、これらの動画が僕の人生にとても大きな影響を与えたことは、間違いない。
今観ても泣きそうだ。思い出せて良かった。
P.S. あなたがこの動画を見てどう感じるかはわからない。もし心に何も響かなくても、そんなものだろうと思っている。