春の薬膳フルーツで春のリズムを整える：あなたの体を“春風に乗せる”一口サプリ
（写真：ハワイ レナーズベーカリー）
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今回は、春の薬膳的フルーツの選び方についてお話しします。
春は新しい芽がすくすく育つように、私たちの身体も“目覚め”を迎える季節です。
そんな春こそ、薬膳の視点を取り入れたフルーツ選びで、気持ちも体調も軽やかにしてみませんか？
春にフルーツを食べるメリットは？
春は中医学（伝統中国医学）では“肝”をケアする季節と言われています。肝は気（エネルギー）の流れをスムーズにする働きがあるため、春の不調を感じやすい方は、肝を整える食生活を意識するのがおすすめです。
そこで役立つのが旬の果物たち。フルーツはビタミンやミネラルを手軽に摂れるだけでなく、見た目の鮮やかさがまるで“心のチアリーダー”のように元気を後押ししてくれます。
まさに、一口で春風に乗ったような気分を味わえるのがフルーツの魅力です。
春におすすめの薬膳的フルーツ
1. いちご
春の果物といえば、やはりいちごが代表的ですよね。いちごはビタミンCが豊富で、肌の健康や免疫サポートが期待できます。薬膳では、「甘酸っぱい味わい」で気を補いながら、体内の余分な熱をさます作用があるとされます。
ただし、体を冷やしやすい性質もあるため、冷え性の方は食べ過ぎに注意してください。
2. さくらんぼ
可愛らしい見た目が“春の宝石”のようなさくらんぼ。ビタミンA、カリウムなどが含まれ、むくみ対策にも役立ちます。薬膳の観点では、さくらんぼはほどよく体を温めてくれる性質をもち、血行を促進しながら気分を明るくしてくれると考えられています。
甘酸っぱいさくらんぼを一粒食べるたびに、“春の訪れ”を口いっぱいに感じることができるでしょう。
3. りんご
一年中手に入るイメージのあるりんごですが、春先にも重宝する果物です。食物繊維やビタミンCが豊富で、薬膳では“調和”を助けるフルーツとして位置付けられます。さっぱりとした酸味と甘みのバランスがよく、体が重だるいときにスッキリ感を与えてくれます。
りんごを使ったコンポートやホットりんごドリンクなど、少し温めて摂ると胃腸にもやさしいです。
4. バナナ
南国のイメージがあるバナナですが、腸内環境を整える優秀なフルーツです。薬膳では「甘い味」が脾（消化吸収をつかさどる）を補うと考えられており、消化力をサポートしてくれます。ただしバナナは体を冷やす性質が強いため、春でもまだ寒さが残る日は、加熱したバナナをヨーグルトと合わせたり、シナモンをふりかけたりすると体を冷やしすぎずに楽しめます。
フルーツ選びのコツ
色合いや香りも大切に
鮮やかな色のフルーツはビタミンやファイトケミカルが豊富なことが多いです。目にも舌にも楽しいので、食事の満足度もアップします。
体の“冷やしすぎ”に注意
春先は暖かい日と冷える日が交互にやってきます。体を冷やす傾向のあるフルーツを食べる際は、温かい飲み物や生姜などの温め食材を組み合わせると◎です。
旬を意識して選ぶ
薬膳の基本は「季節に合った食べ物を楽しむ」こと。スーパーで手に取りやすいものだけでなく、春が旬の国産フルーツを見かけたら、ぜひ一度お試しください。
すぐに実践できる春のフルーツ習慣
朝食にプラス
トーストやお粥の付け合わせに、いちごやさくらんぼ、りんごのスライスを一緒に。彩りが加わるだけで気分がパッと明るくなります。
おやつ代わりに
春の昼下がり、ちょっとリフレッシュしたいときにフルーツを一口。チョコレートやクッキーの代わりに取り入れるだけでも、ビタミンや食物繊維を摂取できるので一石二鳥です。
温める一工夫
バナナやりんごは軽くレンジで温めて食べると、まるでホクホクの焼き芋気分。体が冷えにくいので春先の温度変化にも対応できます。
ちょっとした豆知識
春先は、花粉症や気温差からくるストレスや疲労を感じやすい時期でもあります。果物の持つビタミンやミネラルはそうしたダメージをやわらげる助けになりうると、2022年に国際栄養学誌で発表された複数の研究でも示されています。
ただし、薬膳理論は主に伝統的な経験則と、一部近年の研究に基づく考え方です。個人差がありますので、体質や既往症によっては専門家にご相談ください。
まとめ
春のフルーツは、一言でいえば“春風に乗ったサプリ”のようなものです。
ビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素を手軽に摂りながら、薬膳の視点では“肝”をやさしくサポートしてくれます。
季節は移り変わり、体調も日々変化しますが、その日の体の声を聞きながらフルーツを選んでみてください。
まるで音程の合った楽器が美しいハーモニーを奏でるように、春のあなたの身体が心地よく調律されていくはずです。
どうぞ、元気あふれる春の日々をお過ごしくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この春が、皆さまにとって健康と笑顔にあふれる季節となりますように。
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出典：健康長寿新ガイドライン エビデンスブック