【映画の中の詩】『ブルックリン横丁』(1945)
古き良きアメリカ映画感一杯の隠れた名作
エリア・カザン監督。原作はアメリカの劇作家ベティ・スミスの自伝的小説。
大昔にTVで観て内容は忘れてしまっていたものの「良い映画だったな」という記憶だけはあり、見返してみました。
やはり古き良きアメリカ映画感一杯で楽しめました。
原題の『ブルックリンに育つ木』というのは貧しいけれども両親や周囲の人の愛と励ましによって成長してゆく、主人公フランシーの象徴です。
エリア・カザン監督作品としては最初期のもので地味ですが、ネットで検索すると観た方はおおむね評価高く語られており、名作だと思います。
図書館の本をアルファベット順に読んでいこうとする印象的なシーン。
『憂鬱の解剖学』はロバート・バートン著の原題『The Anatomy of Melancholy』。邦訳があり、『恋愛解剖学』(斎藤美洲訳、桃源社)。https://dl.ndl.go.jp/pid/2970060/1/3
完訳ではありませんが、バートン自身が「いままでわが読者の忍耐を強いながら営々とのべてきた味気ない鬱病談」と書いている原書の部分を除いて、本論と言ってもいい「恋愛躁鬱病の解剖」という章を訳出したもの。
省略された部分は戦前に「憂欝症の解剖 第1巻」(昭森社)として別に邦訳されています。https://dl.ndl.go.jp/pid/1048624/1/3
『騎士道の花咲く頃』はディズニーが映画化(『剣と薔薇』1953年、ケン・アナキン監督)するようなタイプの物語。https://dl.ndl.go.jp/pid/1753964/1/42
キーツの詩を使った授業のシーン。弟といっしょに授業を受けているので 複式学級なのでしょう。すし詰めの教室であまり良い教育環境とは思えません。
キーツ『ギリシャの古甕のオード』
美は真実で、真実は美 それがすべて
Beauty is truth, truth beauty,―that is all
そうすべてなのだ―あなたが知るべきことの
Ye know on earth, and all ye need to know
フランシーの父ジョニーが弾き語る「アニー・ローリー」はスコットランド民謡。
作詞者ウィリアム・ダグラスの実体験であるアニー・ローリーとの悲恋を綴った詩に、後に曲が付けられたもの。
数多くの歌手に歌われています。
「アニー・ローリー」
愛しき ふるさとよ マクスウェルトン
朝露の丘に立つ
愛しき 乙女
わが アニー・ローリー
このこころ とわに変わらじ
このこころ とわに変わらじ
愛しき アニー・ローリー
この命かけてと誓った日から
参考リンク
『ブルックリン横町』ベティ・スミス 著, 飯島淳秀 訳 https://dl.ndl.go.jp/pid/1694882/1/73
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