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キャラソン日記 2024年8月編

こんにちは、私的音楽同好会です。

今回は、2024年8月分の #キャラソン日記 をまとめました。
ぜひ皆さまも、紹介文を読みながら曲を聴いてみていただければと思います。

8/3 眩影

歌唱:相沢篠信(CV. 広瀬裕也)
発表年:2024
作品名:ブレイクマイケース

音楽とマッチパズルを組み合わせた恋愛アドベンチャーゲーム『ブレイクマイケース』に登場する、相沢篠信が歌う一曲。相沢篠信は人懐っこくちゃっかり者である青年であるが、実は「『夢でよかった』って笑う そんな夢から覚めて笑う」ような過去を抱えおり、「誰にでもよく見える そんな自分を演じながら」過ごしているらしい。『ブレマイ』では、このようなキャラクターソング的な楽曲をパーソナルソングという名前で呼んでおり、登場するキャラクターについてより深く知ることのできる楽曲として発表している。そして偶然にも、私的音楽同好会が提唱している私的音楽の英訳はパーソナルソング(Personal Song)としていた。もしかしたら、次世代のキャラクターソング(Charactor Song)を担うのはパーソナルソング、つまり私的音楽なのかもしれない。

8/10 大フォーク

歌唱:中嶋剣(CV.島田敏)
発表年:1995
作品名:逮捕しちゃうぞ

警察署内の日々をコミカルに描いた『逮捕しちゃうぞ』に登場する中嶋剣が歌うフォークソング。『逮捕しちゃうぞ』は『踊る大捜査線』と同じ頃の刑事アニメであり、1996年の放送当時はバブルの残り香もあったはずだ。当然、アニメで使用されている音楽も全体的に浮かれた雰囲気であるため、堅物の中嶋剣が自作して「思い出すよ きみの面影」と歌うこのフォークは、20年前に流行した過去の遺産に見えただろう。この曲の最大の特徴は、他のキャラクターが観客としてツッコミを入れ続け、中嶋剣の古臭いフォークを笑いに変えている点だ。イントロのギターストロークが始まった瞬間に「げ、フォークだ」「中嶋君だもん」と小言を言ったり、中嶋剣が怒って曲を止めるほど歌の途中でも笑い転げたりしている。これにより、キャラクターが歌う音楽をアニメ本編と同じ感覚で聴くことができるのだ。キャラクターソングは1人で歌うことが一般的になっているが、周囲のキャラクターとの関係を活かして歌うことも可能なのではないだろうか。

8/17 Trust

歌唱:ヨーコ(井上麻里奈)
発表年:2007
作品名:天元突破グレンラガン

情熱が詰まった『天元突破グレンラガン』に登場するヨーコのキャラソン。明るく世話好きな性格で戦闘にも参加していたヨーコは、当初グレン団のリーダーであったカミナに思いを寄せていた。「かけかえのないモノ見つけた」彼女は、最終的に両思いになるものの、カミナの死によって二人の関係が途切れてしまう。「二度と戻れない瞬間を抱きしめた」という辛い境遇の中でも戦い続けられるのは、「いつの日も一人じゃない…」と思えるからなのだ。大切な人を失った後でも「どんな運命さえ受け止めてみせる」と言い切れる彼女は、真の強さを持っているのだろう。

8/24 またひとつ恋が終わった

歌唱:山田康雄
発表年:1979
作品名:無

ルパンを演じていた山田康雄のファーストアルバムに収録されている、大人の失恋を歌った一曲。
この曲の特徴は、山田康雄のための音楽作品として制作されているにも関わらず、『ルパン三世』を彷彿させる内容になっている点だ。歌唱はルパン役の山田康雄、作曲は『ルパンⅢ世』シリーズの作曲家である大野雄二、レコードのジャケットは原作の漫画家であるモンキー・パンチとなっており、どの側面から見ても『ルパンⅢ世』をイメージした内容だと考えても差し支えない内容となっている。
当時の評価も同様だったようで、ルパンとして制作されたとしか思えない、と作曲した大野雄二がインタビューの中で述べているほどだ。さらに、2004年に発売された『LUPIN THE REMASTER』にも収録され、公式も認める内容となっている。
また、収録されたアルバムの構成も特徴的だ。この曲の前には『ルパン三世』を想起させる音声ドラマが挿入されており、山田康雄と市毛良枝による大人の男女の別れ話が流れた後に、山田康雄がこの曲を歌い上げている。そのため、まるでルパンが藤子に振られた後に「もう二度と人を好きになるまいと決めていたのに」と孤独に歌っているように聴こえてしまう。
この背景には1970年代末から始まる第二次声優ブームがあり、声優がアニメのキャラクターの代わりに歌うことが求められるほど、視聴者からの要望が高まっていたのだろう。

8/31 ギロロの一番長い日

歌唱:ギロロ(CV.中田譲治)&夏美(CV.斎藤千和).
発表年:2005
作品名:ケロロ軍曹

『ケロロ軍曹』に登場するギロロ伍長と日向夏美の歌入りショートドラマ。ギロロは他のキャラと比べて軍人らしく真面目な性格である一方、彼が好意を寄せている日向夏美を前にすると途端に照れてしまう。この曲ではギロロの葛藤が表現されており、ギロロによる軍人らしい意気込みをナレーションで語った後、夏美とのドラマが入り、感情が爆発したギロロが夏美と一緒に歌い出すという構成になっていて、この流れが計3回繰り返される。意中の相手を前にしても、照れを隠して威勢よく振る舞おうとする、そんな彼を可笑しくも愛らしいと思ってしまうのは私だけだろうか。


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