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『声色』Vol.02(特集:物語が生み出す音楽) 内容紹介

私的音楽同好会は、『声色』Vol.02(特集:物語が生み出す音楽)を2024年12月30日に刊行します。
本特集では、キャラクターソングの歴史や、ボカロ・VTuber・アイドルのキャラソン、イメージソングや映画音楽などを通して音楽と物語の関係性を考察し、音楽による自己表現に迫ります。
論稿8本、インタビュー1本、レビュー41本、ディスクガイドやコラムで構成される約200頁の1冊です。

『声色』Vol.02は、2024年12月30日に開催されるC105(月曜日 東イ04b)で頒布するほか、BOOTHでの通販や各書店での販売も行います。

『声色』Vol.02の概要

表紙イラスト(イラストレーター かない)

表紙のイラストは、1号に引き続きイラストレーターのかないさんに描いていただきました。誰かに会う時でも、​​待ち合わせの前は誰もが1人で待っているものです。そんな情景を上野駅の翼の像を舞台に表現されたイラストとなっています。

『声色』Vol.02 表紙

目次

2号は5つのパートとコラムから構成されています。歴史や物語、イメージからキャラソンやその他の音楽(イメージソング、映画音楽)を検討する章は論稿が中心です。「1人1曲キャラソンレビュー」や「キャラソン日記」、「主題からキャラソンを考える」では、様々な曲を紹介しています。

『声色』Vol.02 目次

歴史からキャラソンを考える

石田美紀「声の文化から考えるキャラソン」(インタビュー)

声の文化やアニメーションを研究されている石田美紀先生に、キャラソンをテーマにインタビューを実施しました。学術的なテーマだけでなく、石田先生自身のご趣味なども踏まえて、世代や分野を超えた幅広い議論を行なっております。

石田美紀「声の文化から考えるキャラソン」(インタビュー)

◯登場するキャラソン
曲名:ポッポとチッチの歌
歌唱:水垣洋子
発表年:1964
作品名:狼少年ケン

伊原隼人「キャラクターソングの源流:1963-1986年放映のTVアニメ内でキャラクター役声優が歌う楽曲に着目して」

昭和後期アニメの楽曲を網羅的にデータ分析し、キャラクターソングという様式が始まった時期に迫ります。「キャラクターらしく歌う」や「内面の吐露」という特徴が定着した背景には、童謡とニューミュージックからの影響が存在したことが見えてきました。

伊原隼人「キャラクターソングの源流」

◯登場するキャラソン
曲名:変な恋 (No! No! No! No!)
歌唱:古谷徹
発表年:1983
作品名:ストップ!! ひばりくん!

特別企画 1人1曲キャラソンレビュー

1人1曲キャラソンレビュー

合計 41 名の方々による十人十色のキャラソンレビューです。レビューす る楽曲は 1983 年から 2024 年までに発表されたものと幅広く、王道のアニメ の楽曲はもちろん、男性アイドル、美少女ゲーム、ボーカロイド、VTuber、 歌ってみた楽曲、米国アニメ、などの楽曲までレビューされております。

1人1曲キャラソンレビュー

なお、1人1曲キャラソンレビューのレビュー曲リストは、以下の記事にまとめております。

物語からキャラソンを考える

sen「ボカロの物語は既に終わっている、あるいは〝ボカロの構造化〟のための試論」

ボカロという「不在の中心」(ドーナツホール)を構造化するための試論です。ボカロpにとってのボカロ、ボカロファンにとってのボカロ等、それぞれのボカロの位相について検証し、ボカロ衰退論・ボカロ踏み台について概観しながら、「ボカロのキャラクター」についての核心に迫ります。

sen「ボカロの物語は既に終わっている、あるいは〝ボカロの構造化〟のための試論」

◯登場する音楽
曲名:ドーナツホール
歌唱:ハチ
発表年:2013

大友落葉「リスナーがつくる VTuber 楽曲体験」

VTuber楽曲ならではの体験とはどのようなものだろうか。四つのVTuber楽曲を取り上げながら、VTuberというコンテンツを視聴するリスナーの存在を軸としてその独特の体験について考えます。

大友落葉「リスナーがつくる VTuber 楽曲体験」

◯登場するキャラソン
曲名:Stardust finding you
歌唱:薬袋カルテ
発表年:2018年

サブリミナルキヨスク「キャラクターアイドル×キャラソンは、私たちに応援する理由を与えてくれる」

アイドルにとってのキャラクターソングを考えたとき、その曲が持つ意味合いや物語はアイドルが「リアルアイドル」か「キャラクターアイドル」かで異なってくるのではないか。そんな視点からアイドルのキャラクターソング、ひいてはキャラクターアイドルそのものについて考えてみました。

サブリミナルキヨスク「キャラクターアイドル×キャラソンは、私たちに応援する理由を与えてくれる」

○登場するキャラソン
曲名:おまじない
歌唱:矢吹可奈(CV:木戸衣吹)
発表年:2015年
作品名:アイドルマスター!ミリオンライブ

イメージから音楽を考える

伝書鳩K「キャラクターソングの衰退とイメージソングの台頭」

一部界隈にて台頭しつつある「イメージソング」について、アニメコンテンツの消費と供給と"バズ"を読み解きながらご紹介いたします。解釈を重視するようになったオタクには、二次創作的なイメソンが堪らないのです。

伝書鳩K「キャラクターソングの衰退とイメージソングの台頭」

◯登場する音楽
曲名:√-1
歌唱:日食なつこ
発表年:2023
作品名:呪術廻戦

鈴木瑛介「一人ひとりの映画音楽に耳をうずめて」

個人的な音楽体験や『パーソナル・ソング』というドキュメンタリー映画を手掛かりに、「日常で愛聴する音楽はひょっとすると、リスナーを主人公とする"映画"の音楽ではないか?」という、ちょっと大袈裟な問いに自ら愛をもって答えています。

鈴木瑛介「一人ひとりの映画音楽に耳をうずめて」

◯登場する音楽
曲名:ジェラシー
アーティスト名:アルマンド・トロヴァヨーリ
発表年:1970年
作品名:ジェラシー(原題:Dramma Della Gelosia)

番外編 キャラソン日記

伊原隼人「ディスクガイドとしてのキャラソン日記の特徴」

私的音楽同好会は2023年からキャラソン日記という企画を実施してきました。この企画をディスクガイドとして捉えた場合に、他のディスクガイドと比較してどのような特徴があるのかを整理します。

伊原隼人「ディスクガイドとしてのキャラソン日記の特徴」

キャラソン日記 2023-2024年編

キャラソン日記は、2023年6月から2024年12月までの間に合計134曲を紹介してきました。インターネット上だけでなく、紙面上にも掲載することで、キャラソンについて探究しようとする後世の誰かに引き継ごうと考えております。

キャラソン日記  2023ー2024年編

なお、全てのキャラソン日記は私的音楽同好会のnote上に動画付きで掲載しております。そちらも併せてご確認ください。

コラム 主題からキャラソンを聴く

群像劇/ライフスタイル/競技・バトル/東京23区

キャラソンを聴いてみる入り口となるコラムです。キャラソンは各コンテンツを知らないと楽しむことが容易ではないので、様々な視点を設定してキャラソンを整理することを通して、接点が生まれたら嬉しいです。

主題からキャラソンを聴く 群像劇

【無料】『声色』Vol.01期間限定公開中

C105に合わせて、2023年に刊行した『声色』Vol.01(特集:キャラクターソング)を無料公開しております。お気軽にお楽しみ下さい。

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