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人材紹介業であることをしたら要件定義の理解が飛躍的に進んだ話

私は2013年、大学卒業後、新卒から一貫して人材業界で働いてきました。
キャリアとしては特に人材紹介業が長く、直近、5年間は専業としてペルソナという会社を経営してきております。

ここまで決して順調に来たわけではありませんでした。

専門用語や世の中の産業や職種を多岐にわたって理解する必要があり、
成果に直結するまでのいくつもの苦労がありました。

いまだに気づきの毎日ですが、ある段階でぐっと成長をしたタイミングがありました。

よって、本日のテーマは、私がプレイヤーとしてブレイクスルーとなったきっかけについて、記載をしたいと思います。

推薦したけど企業が全然採用してくれない問題


いきなりですが、推薦後の決定率の話です。

クライアントから求人をいただき、その求人に興味をもってくださった候補者の方をご推薦する。

そのご推薦した数を分母として、選考をクリアし、候補者が内定を承諾した件数を分子とするものです。

ご存じの方も多いと思いますが、業界用語で、決定率と言います。

駆け出しのころ、私は候補者に求人を丁寧に説明したのち、辞退の数が多かったり、そもそも選考に通らないということが悩みでした。

人材紹介業というのは、企業、候補者の双方の間に立つ立場です。
せっかくお客様に労力を割いてもらったわりに、満足いただける結果を残せない時間が多く、当時は罪悪感があったことを思い出します。

自分が介することの意味を、問うた時間が長かったです。

当然、辞退や見送りの理由をいただくことはあったのですが、まったく自分の理解が追い付かず、次はどのような求人や候補者の方をご紹介すればいいのか、見当もつかない状況が続いていました。

量産されるヒアリングシート


おおよそどこの人材紹介会社も、このヒアリングシートがあるとは思います。

ハイパフォーマーの属人化されたヒアリングノウハウを、
エクセルかワードで、行をずらりと並べたアレです。

例えば、当時いた私の会社では、企業向けに以下のような設問項目が、入っていました。

  • 採用背景を聞く

  • 仕事内容を聞く

  • 年収などの条件面を聞く

  • 組織図や人数を聞く

作者の狙いとしては、決定にいたるまでに必要であったヒアリング項目を整理する。
その内容を埋めていければ、魅力的な求人票やキャリアシートに仕上がるだろうという算段です。

ですが、いざ本番で使用してみると、工数をかけた割には、決定率につながらないのです。

そもそも項目が多すぎたり、求人票みればよくない?といった内容もありました。
そして、あくまで会話の延長線上で、必要な情報を聞いていかなければならないので、回答者の内容次第なところもあり、変数が多すぎて対応できないのです。

特にホワイトカラーの転職支援では、定型業務ではない仕事が多数を占めるため、このループにドはまりする傾向があるなと、いまでは振返っています。

人材紹介業はマーケティングである


私は成果が出ず、頭を抱えていたころ、あることに気づくこととなります。

それは、ヒアリングシートを埋めても、顧客の顔が見えない、ということでした。

ここでいう、顧客とは実名での理想とする候補者、求人のことです。

つまり、どこの会社で何をしている人なら内定を出すのか、どういった企業でどんな条件があれば入社したいのか、私は具体的な実名をつかっての議論がまったくと言っていいほど、できてなかったのです。

マーケティングの基本的なセオリーは、まずはペルソナを決めることです。
その後、ペルソナに対して、興味や関心をもってもらうために、遡及する情報を整理し、プロモーションの方法を決めるという流れです。

ペルソナというのは、大抵、所属や年齢といったハードな情報と、顕在・潜在的にどういった悩みをもっているかといったソフトな情報までを落とし込みます。

いわば、世の中のマーケティングは欲しい成果から逆算することが基本となります。

一方、わたしが目に触れていたヒアリングシートというのは、あくまで情報を積算した形で埋めていくものでした。
その後の具体的にどういった求人や候補者がいいか?ということは、あくまで主観的に、当てはまりそうなものを連想していくという作業が必要でした。

つまり、前提として、ヒアリングの先にもっとも最適であろうペルソナを自分の頭の中にストックしていなければ、マッチングまでは程遠い作業となっていたのが、決定率が上がらない原因でした。

例えば、バイネームであげると?というキラー質問


人材紹介業はマーケティングであるというひらめきから、シンプルな質問をしていくことにしました。

例えば、企業との商談の際は、

  1. バイネームでいうと、どういうイメージですか?(どこの会社で何をしている方です等)

  2. そして、そのペルソナのインサイトはどんなものですか?(その方が転職する動機って、どんなことが考えられますか?)

  3. そのインサイトに対して、魅力にうつる情報をいただけませんか?

といった質問です。
2.に関しては、企業側もイメージできていない、あるいは情報を持っていないケースもあり、その際は、過去の面談された方がどういった悩みをもっていたのか、といったことを調べては、議論の場を再度設けたりしました。

そのようなプロセスを経たことで、必要な情報を一気に整理することができました。

そこから、自分のマッチングの引き出しが一気に積み上がり、この求人はこの企業のこの仕事をしている方には、非常に魅力に思ってもらえそうだといったパターンが見えたのです。

結果、決定率は上昇しただけでなく、自分自身の学習コストが下がり、新しい職種や業種にも積極的にチャレンジすることができました。

人材紹介業は一生感謝されるかもしれない仕事


私たちの仕事は人生を左右するかもしれない転機に立ち会う仕事です。

そのようなことから、複雑な情報を整理する必要があります。

私自身、たくさん遠回りをしてきた時間がありましたが、いまはその苦労を経て、お客様が喜ばれている様子を見ると、大変うれしい気持ちになります。

弊社のパーパスは、「精度と鮮度の高い情報を流通し、世界に最良の選択肢をつくる」ということを掲げております。
長い年月を通して、ベストだったと思える機会を作りたいと考えており、
そのために、社内ではたくさんのワークや議論を行っております。

このnoteが有益な情報になりましたら、幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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