ノラ子猫あずかり日記 6 (寒い外飼いの初日)
子猫が帰ってきて、1夜明けた。
今朝の外気温は、エアコン室外機の温度計で 4℃ だった。
「この辺りの寒さは厳しいため、
子猫だけでは生きていけない。」
「地域猫として暮らせるように、冬越しの間預かって欲しい。」
と、動物保護団体から依頼され、一冬だけ預かることにした。
そんな訳で、物置きで子猫を預かることに決めてから、冬越し期間中に物置きの気温が 何℃ になるのか、とても気になった。
そこで、
室内からも見えるように、デジタル表示の温度計を、ビニル温室の猫小屋の前に取り付けた。
この温度計は精度が良い日本製だが、今朝の外気温と同じく 4℃ を表示していた。
「物置きの中の気温は、外気温と変わらない。」
「子猫は大丈夫かなー?」
室内から物置きの中に移動して、ビニル温室の中の様子を見てみると、ネコ達の姿が見あたらない。
昨晩、エサ器にキャットフードをてんこ盛りしたが、器の底が見えるぐらい減っている。
「エサは、食べているみたいだ。」
「どこに行ったんだろう?」
その時、黒ブチの子猫が発泡スチロール製の猫小屋入口から、ゆっくり這い出してきた。
「なんだ、中に入っていたのか。」
力作の、発泡スチロールで作った猫小屋を寝床として使ってくれたので、ひとまず安心した。
「あれ、茶トラの猫が居ない。」
発泡スチロール製の猫小屋に2匹いるのかと思っていたが、どうやらビニル温室から外に出て行ったみたいだった。
「あの子は警戒心が強いみたい。」
「猫小屋に入ったかどうかも、わからないね」
「昨晩、どこで寝たんだろう。」
茶トラの子猫は、我が家にやってきた時、黒ブチの子猫よりも積極的にアピールしていた。
我が家の中には、老猫で腎臓病治療中のネコがいるため、居付かれては困ると思って、何度も何度も追い払った。
その後は、動物保護団体に捕獲され、動物病院にも連れて行かれてワクチン接種や去勢手術もした。
イヤな思いが重なって、警戒心が強くなってるんだろうと思った。
猫小屋の中のエサを足したり、水の交換をしている最中、黒ブチの子猫は逃げる事なく、差し出す手にずっと戯れている。
「この子猫はカワイイねー。」
「すごく甘えてくる。」
「人慣れしているみたい。」
子猫なので、ミルクを温めて出してやるとすぐに、茶トラの子猫がビニル温室の中に入ってきた。
以外と近くにいて、様子を伺っていたみたいだ。
「寝床から追い出されたのかな。」
「もう1個、寝床がいるかもー。」
という訳で、2匹が別々に寝れる寝床を用意してやる事になった。
___ つづく ___