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予感
1Kで暮らす大学生。
ある日突然起き上がることができなくなった。
別に毎日朝が来るのを楽しみにしてたわけでもないけど、そういうのじゃなくて。
どうやって抜け出すっけ布団って、的な感覚で。
その日からか?
世界が眩しくて、他人が発光して見えたりしたのは。
なんで生きてるんだろうとか、なんかあっちこっち痛い気がするとか、そんなことを考えてた頃にはもう鬱になっていたのだろうか。
最悪だ。今日もずっと布団の中にいただけだ。
そんな時間だけ重なっていく。
スマホを見る気力はあるらしい。とりあえずよくわからない動画なんかを見て、別の世界へ行ってみる。
そうしていないと、なんかとんでもない黒いモヤにつつまれていることに気がついてしまうかもしれない。
午前4時。
チュンチュンだって。鳥が鳴いてさ、一応こんな私にも朝はやってくる世界の仕組みが憎い。
そういやこれ、いつまで続くんだ?
終わらせる方法を探さなきゃ。
早くもとの世界に戻らなきゃ。
根っこが真面目な私が遠くの方で泣いている気がしたけど、今はよく見えない。
のそのそと布団を抜け出し
玄関ドアに手をかける。
お、重い。重すぎる。ここをあけたら私は眩しい光につつまれて消えてしまうかもしれない。
怖くなって、靴をしまった。
私、どうかしてしまったみたいだ。
昨日までとは何か違うみたいだ。