時間が少しだけ立ち止まってくれた気がした 21 短歌の香り 2021年9月28日 21:21 ロケットになりたいとしか思えない打ち上げられたい君は満面 準備して入って尚も驚いて「怖くない」とはへっぴり童子 日なたには愛嬌を撒くマスコット 陰には花壇を手入れする人 芝生には歓声が降りパタパタとお尻で留めたシートが踊る 怪人は礼儀正しく誘拐し宙返りして拍手をもらう 船先で止まった時間お宝は刹那の中と説くバイキング 馴れ合いがカップの中で分離する少し大人になりすぎたのね 曖昧な経験とやら塗りつぶし騙されにゆくビックリハウス モノクロの回転木馬きみの目に流れる光巻き付けたまま 二人にはまるでおもちゃのコースターゼンマイ巻いてビューンで終わる 羨望の視線を手繰り幼子に粋な目配せパレードの華 道化師はきっと夜まで休まない拾ったゴミを後ろ手にして てっぺんに置き去りにした恋もあるまた来たいねと言った夕暮れ 終園のメロディーが鳴る人の居ぬ夜は蛍が貸し切るらしい その場所は跡形もなく色褪せたのりもの券は約束のまま #短歌 #現代短歌 #想い出 #遊園地 #連作 #ミルクさん #短歌のリズムで #色褪せないもの 21