ストレスと呼吸に関する最新研究が示す呼吸法のメリット
さあ、はじまりました!
「リケジョのコンディショニングコラム 001」
このコラムは東工大出身のリケジョ、製薬会社勤務を経て現在はヨガインストラクター、そして0歳児の育児に奮闘中であるEriが、科学の視点も踏まえて、ベストパフォーマンスを発揮するためのヒントをお伝えしていきます。
今月のテーマは、「ストレスと呼吸」
ストレスを感じると呼吸が速くなる、逆にゆっくり呼吸をすると心が穏やかになる。
この関連性をつかって仕事のパフォーマンス向上を目指しましょう!それでは、リケジョのコンディショニングコラムのスタート☆
1.ストレスと呼吸の深〜い関係。
「あ〜もう!ストレス溜まるわ!」という状況の時の呼吸がどうなっているか、想像してみましょう。
イライラしすぎて一瞬息が止まったり、呼吸が浅くなったり...もしくは、深いため息が出る、なんて人もいるかもしれません。
脳がストレスを察知すると、「敵がいる!戦闘に備えよ!」という指令を出し、心拍数や呼吸数をUPさせるシステムがあります。そのため、ストレスがかかると無意識のうちに、速くて浅い呼吸になるのです。
ため息が出るという人も、浅い呼吸をしている証拠。浅い呼吸を解消しようと、ため息をついて深い呼吸を促しているのです。
2.浅い呼吸の何がいけないのか?
ストレスにより浅い呼吸が続くと、身体は知らず知らずのうちに酸素不足に陥ってしまいます。
①細胞の酸欠でエネルギー生産量の低下
👉”だるさ”や”疲れ”がとれない
②脳の酸欠で頭の回転が鈍くなる
👉頭がボーッとする。集中力・判断力の低下
③筋肉の酸欠で身体がガチガチに
👉肩こり・腰痛の原因に
さらに、浅い呼吸をしている限り、脳は戦闘モードを解除できません。このモードは、外敵から身を守るため、神経を昂らせてピリピリしている状態。このような状況ではストレスを感じやすく、そのストレスによってさらに浅い呼吸に...と負の連鎖に陥ってしまいます。
こうなると、リラックスモードに切り替えることがうまくできず、不眠や頭痛といった悩みに繋がりかねません。
3.ストレスも浅い呼吸もこれで解消:最もシンプルな呼吸法の練習
ストレスによる浅い呼吸に対する解決法は、意図的にゆっくり呼吸をすることです。下の動画に沿って呼吸を8回ほど繰り返してみましょう。
この時、呼吸を行う前後で「感情」「感覚」「頭の感じ」「身体の感じ」を比べてみてください。
どこか変わったと感じた人、特に何も変化を感じない人、それぞれいらっしゃると思います。特に何も感じなかった人も、それはそれで大丈夫。今回は「何も感じなかった」ということを感じられた、ということをそのまま受け取ってあげてくださいね。
そう、呼吸の練習は何かを変えようとしなくて大丈夫なんです。ただただ、呼吸を行うだけ。こうしてストレス源から少し離れる時間を持つことで、イライラといった感情の支配から解放されるキッカケを作ることができます。
ストレスを感じやすい人は特に、毎日8回程度、約2分間、ゆっくり呼吸の練習を行ってみましょう。この習慣が、浅い呼吸がもたらす負の連鎖から抜け出すきっかけになるはずです。
4.最新研究が示す呼吸法によるストレスマネジメントの効果
最新の研究でも、呼吸法を行うことによるメリットが示されています。
アリゾナ大学で行われた研究では、
①呼吸法を教わるグループ
②ストレスに対する考え方を変えるワークショップに参加するグループ
上記2つのグループを比較したところ、ストレスの低下、ポジティブな感情の増加などの効果をより示したのは、呼吸法を練習したグループでした。さらに、このような呼吸法の効果は、3ヶ月後により顕著になっています。
ストレスマネジメントができると、仕事のパフォーマンスにも良い影響を与えることが期待できます。研究においても、呼吸法を行ったグループは、プレッシャーのかかるプレゼンをしている最中でも、心拍数や呼吸数が安定していたことが示されています。
5.なぜ呼吸法でストレスマネジメントができるのか?
イライラする、緊張する、プレッシャーを感じるといった様々なストレス、不安、恐怖や怒りなどの感情はとても強い感情です。
皆さんも経験があると思いますが、このような強い感情に支配されている時、いくら「落ち着いて」と自分に言い聞かせても無駄なことがあります。
研究によると、呼吸は感情によって変化します。怒っている時の呼吸、イライラしている時の呼吸、嬉しい時の呼吸、満たされている時の呼吸...それぞれ違うということを皆さんも経験しているでしょう。
逆に、呼吸によって感情も変化するのです。イライラしている時の呼吸を行えば、本当にだんだんイライラしてくる、なんてこんな具合です。だからこそ、落ち着いたゆっくりした呼吸を行うと、だんだん気持ちも落ち着いてきます。
気持ちが落ち着けば、より知的で的確な判断が下しやすくなるでしょう。そうすれば、仕事や生活のパフォーマンスも上がるはず。2分間の呼吸法を生活に取り入れて、ストレスとうまく付き合えるようになりませんか。
<参考>
Harvard business review(参照日:2021年5月12日)
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