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土佐文旦お料理クラブ 活動報告
こんにちは。
好きな高知の特産品発表人間が〜♪好きな高知の特産品を発表します〜♪
「土佐文旦♪」
以下、よろしくお願いします!
昨年の高知初来訪以来、すっかり高知好き好き大好き人間になったわたしだ。
2月下旬。
ふるさと納税の返礼品として、高知県から旬の土佐文旦5kgが送られてきた。
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長旅お疲れ様!
この、まぶしいほどの、黄色を見てください…
そして箱を開けた瞬間から香る、爽やかさを…
文旦ってちゃんと食べるのはこれが初めてかもしれない。昨年の秋ごろ申し込んで以来、届く日を心待ちにしていました。
個数にして10個ほど。
文旦は皮が厚いため柑橘類の中では日持ちが良く、涼しいところに置いておけば1ヶ月ほど持つらしい。ありがたい。
時間的余裕もあるので、文旦の食べ方を色々楽しみながら最後のひとつまで美味しくいただこう。
これは土佐文旦とともに過ごした1ヶ月間の記録。
剥いてみよう①
剥いてみないと何もはじまらないので、まずはそこからだ。
文旦と一緒に段ボールに入られていた〈文旦の上手な剥き方の図解〉をしっかり確認しないまま、とりあえず直感で剥きはじめてしまった。
皮が厚いためナイフを使うという予備知識はあった模様。
文旦剥きに限らず何事でも初めてやってみることを前にした時、周りの先輩が親切心から、「こうやったら上手くいくよ」ってやり方を教えてくれたとしても、素直にそれを実行したくないへそ曲がりの私がいる。
だって最初から失敗せずに上手くできちゃったら、そんなのつまんないじゃん!
先輩の前では大人しく教えてもらった通りのやり方でやるが、先輩の手を離れた後は、自分独自のやり方を探すような人間。
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なんとか剥けました!15分以上はかかった気がする。
薄皮を剥ぐ工程で、力まかせにやったので果肉が散り散りになってしまった。
その結果として文旦の構造は理解した。
剥きながら我慢できずにつまみ食いしていましたが、超美味しかったです。
剥いてみよう②
コツを掴みかけたのでそのまま2個目もいこう。
もうさ、素直になろうよ、せっかく上手な剥き方をさ、プロが、生産者さんが、教えてくれているんだから…
2個目は剥き方の図解をよく読んでから取り掛かった。
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素直に最初からこの剥き方をしておけばよかった、と思った。
先人の知恵には従うべきだ。とてもスムーズに剥けた。
ちなみに文旦の外皮を剥くのには、私が普段から愛用しているビクトリノックスのナイフが大活躍した。
熟れたトマトも形を崩すことなくすいすい切れるし、りんごなんかも切るし、私はこれでハード系のパンも切る。サイズ感も小回りがきいて使いやすい。刃の曲線と持ち手の曲線がハマりすぎている。好きすぎて実家用にも送ったし、友人の新生活引越し祝いでも送った。いい感じの小ぶりな波刃ナイフをお探しの方は是非!
まずはそのままで(実食)
つまみ食いの時点で超美味しかったけれど、じっくり味わって食べると超超最高美味しかったです。
酸味が最初にきて、その後甘い。控えめだけれど確かにそこにある、甘み…なんとも上品で爽やかな、甘み…、酸味もグレープフルーツのような思わず顔をしかめてしまうような強烈さはなく、あくまで爽やかな酸味。
そしてみずみずしくて、果肉のひとつひとつがぷりぷりしている。
あ〜あたしこれ好き〜!文旦、好き〜!
翌日も、その翌日も剥いたそのままを食べ、ひとしきり文旦本来の味をたのしんだ。
サラダ①
サラダの具として使う、これはやってみたかった食べ方ですね。
文旦も追熟が進んでくると、だんだんと甘味が強くなってくるという一文を目にしたので、爽やかに食べたいサラダは最初の方の、若めの文旦を使うことにする。
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文旦、サニーレタス、ブロッコリー、じゃこ、モッツァレラチーズ。
ドレッシングはシンプルに、オリーブオイル、酢、砂糖、塩胡椒。
美味しくってもりもり食べました。
冷蔵庫の残り物だったブロッコリーとじゃこがいい味出してた。
サラダ②
この日は一日中鼻水が出ており、身体も火照っていて、とにかく爽やか全開なものを食べたかった日。
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文旦、サニーレタス、みょうが、大葉。
これを梅おかかで和えて胡麻をふりかける。
いいわねえ〜!
サラダ③
特売で大玉のサニーレタスを買ったのでまだまだ残ってる。
あぁ、あと、そうだ、文旦に合わせるいいのがあったんでしたわ……新玉ねぎ!
間違いないでしょう、これは!
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文旦、サニーレタス、新玉ねぎ、みょうが、発掘した生ハムの端切れ。
これに、またオリーブオイルのドレッシングをじゃっとかける。
旬な若い二人を引き合わせる敏腕プロデューサーここに見参す。
マリネ
ここいらでちょっと方向性を変えてみよう。
文旦は海鮮とも合うらしい。
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合う〜〜〜〜合います!!
この時はいい感じの緑が無かったんだな。どなたか、お客様の中に緑の食材をお持ちの方はいらっしゃいますか…?
なけなしの、食材庫から発掘した干からびたパセリが見えていますね。ピンクペッパーの赤は完璧ですね。
カルパッチョ
海鮮第2弾。
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鯛の刺身の端切れと、文旦。オサレな味ですわ〜〜〜!
文旦、万能選手ですね…
タルト
文旦が家に届いてから3〜4週間たち、残りも少なくなってきた。聞いていた通り追熟も進むと酸味が落ち着き、甘味の印象の方が強くなってきた感じがする。
といったらあれです。私がしたかったこと。
文旦がふんだんに乗った、土佐文旦のタルト!
やりましょう。やるぞ!普段ぜんぜんお菓子作りしないけど!
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文旦、タルトの底(カルディで購入)、牛乳、生クリーム、バニラエッセンス、砂糖、卵黄、小麦粉。
今回、タルトの底についてはすみませんが、既製品を使って楽をさせていただきます。ここで楽をするのであれですね、タルトの赤ちゃんというより、未就学児くらいまでもう成長してるかも。
アーモンドプードルも面倒だったので、カスタードクリームに緩めに泡立てた生クリームを合わせたやつだけにします。
今回時間と労力を注ぐべきは、文旦を綺麗に剥くこと、綺麗に並べること、そこなので。
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クリームは中心を高く盛っておくとよい。
並べ終わったら、艶出しの寒天とかしたやつ(ナパージュっていうんだね)塗って仕上げです。
3、2、1……
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最高!!最高最高!!!思わず黄色い歓声をあげてしまった。
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念願叶い、胸がいっぱいになって、ちょっと泣きそうになっちゃった。きらきらで、文旦が輝いていて、あまりにも美しくできたから。夢みたい。こんなに綺麗にできるって思ってなかった、すごくうれしい。最初はうまくできなかったけど、今はこんなに上手に文旦を剥けるようになった。わたし、やれんじゃん!
しばらく眺めてニコニコしていた。キッチンでスキップしていたと思います。
食べるのちょっと勿体なかったけれど食べました。
文旦とクリームの相性がすごく良くてとっても美味しかった。幸せすぎる。感無量。
シャーベット
皮を剥き、果肉を冷凍もしてみた。
凍ったままフードプロセッサーにかけて、シャーベットみたいにしてみる。
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さっぱりしてて冷たくておいし〜
文旦ピール(皮)
文旦を剥くと自ずと発生する大量の皮。剥く前と剥いた後で比較するとひと回り〜ふた回りくらいちっちゃくなる感じがする。
これももったいないのでピールにします。
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白い部分に苦味があるためそこは取り除いて作るパターンもあるようだけれど、私はここも全部使うことにする。
苦味を抜くために、1〜2日間水に浸けておき、その後鍋に移して2回沸騰させる(都度水をかえて)
使う文旦にもよるだろうし、個々の好みもあるだろうけど、私としてはこの処理の仕方、回数がなんとなくしっくりきた。
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茹でていくと白い部分が透き通って柔らかくなってくる。齧ってみると苦味もかなり抜けている。
茹で上がった後は、砂糖を入れて焦げ付きに気をつけながら水気が飛ぶまで煮詰め、乾燥させる。
私は100℃ちょっとの低めのオーブン温度で45分くらい乾燥させた後に自然乾燥を待った。
使う砂糖の量にびびるけど、ここでケチると日持ちしなくなる。勇気を出しましょう。それでも控えめにはした。
それにしてもあれだ、手間というより、とにかく時間がかかる!
柑橘類のピールって私好きなんだけど、買ったらけっこういい値段するじゃない?
こんなに時間がかかるなら高いのも頷ける。
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時間をかけたおかげもあり、なかなかに美味しい文旦ピールができあがったと思う。
文旦を剥くたびにせっせと文旦ピールを作っているものだから、文旦ピールもものすごい量が出来上がり、保存がきくとはいっても食べきれないので友人や職場の人なんかにお裾分けした。
ピール(皮)入りパウンドケーキ
出来上がった文旦ピールは毎朝ヨーグルトに加えたり、サイダーで割って文旦サイダーにしたり、お湯に溶かしてレモネードみたいな飲み物にして少しずつ食べていたが、大量消費をするにはパウンドケーキに入れちゃうのが良い。
ホットケーキミックス使って楽しちゃお!タルトの残りの生クリームも入れたら、簡単なのに美味しいのができた。
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後日、文旦ピールをお裾分けした人からも、「貰ったピール使わせてもらって、お菓子焼いたから食べな〜」とケーキを貰った。ありがとう。わらしべプロトコル。
ラスト ブンタン
いよいよ最後のひとつです。こんなに食べきれるんだろうか…と最初は思ったけれど心配無用、大丈夫だった。
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熟成されて甘い甘い文旦になっています。
あ〜〜最後まで美味しかったなあ!
文旦が届いてからの1ヶ月を振り返ると、こんなに新しいこと、料理に取り組んだのなんて一人暮らし開始当初以来なんじゃないかと思った。
これまではいい意味で言うと安定、マイナスの言い方をすると停滞の日々だったかも。
一度作って美味しいと思ったものは、わりと飽きずに作り続けるタイプだし、新しいレシピを調べてあれこれ作るのに比べてその方が頭も使わないし。スーパーでもいつも同じようなものしか買わないし。冒険はしていなかった。
それはそれでいいと思っているけど、それでも、文旦をどうやって食べようかな〜って考えて、楽しく料理できた、味わうことができたこの1ヶ月はとても楽しかったです。
こういうのもいいね。その時期ならではの味覚を味わい、旬を感じよう。
農家さん、研究者の方々、流通の方々、美味しい土佐文旦をありがとうございました。
また来シーズンも食べられることを楽しみにしています!