【ドイツバレエ留学】カカリツケってなに?
9月からはドイツへ。
さみしさよりも意気揚々としていた、能天気な親子だった私たち。
しかし、心配事もあった。
そう、当はコロナ禍真っ只中。
ワクワクしている場合ではなかった。
得体の知れない疫病に、オリンピックまで延期されるという異例の状況。
ドイツは日本からの入国制限があり、なかなか先行きが見えない状態が続いていた。
そんな中、2021年6月に、ドイツが日本に対する入国制限を解除した。
「やった!夏休み明けに予定通り行けそうだ!」
希望が見えた瞬間だった。
(※陰性証明書の提示は必要だったが、ドイツでの隔離義務はなくなっていた。)
とはいえ、状況は不安定。
ただ、ワクチン接種証明書があれば隔離されずに渡航できるという情報があった。
ただ、ワクチン接種証明書があれば隔離されずに渡航できるという情報があった。
当時、日本では高齢者や持病のある人を優先にワクチン接種が始まったばかり。
娘が接種できるのは一体いつになるのだろう?そんな時期だった。
でも役所に問い合わせてみると、長期留学予定者は特別措置で接種できると教えてもらえた。
ところが、ワクチンは順番待ち。電話は繋がらず、予約も取れない。
そんな中、救世主が現れた。
かかりつけ医が、キャンセル分を回してくれたのだ。
こうして無事ワクチンを接種できたことで、陰性証明書も不要となり、渡航が可能になった。
ところで、バレエ留学では「かかりつけ医に用意してもらう書類」が意外に多い。
とはいえ、カカリツケって何?
ドラマや映画のイメージで、“小さい頃からお世話になっていて、顔馴染みの関係”を想像してしまったが、
あと数ヶ月なのに、今からそんな関係性をつくるの無理じゃね?
娘は病院なんて年に1〜2回、インフルエンザの予防接種くらいでしか行ったことがなかったのだから。
実際には、英語での健康診断書を発行してもらう必要が度々ある。
渡航時のビザ申請、学校の入学時、さらにはコンクールのエントリーにも必要だった。
最初は、ネットで調べた大きな病院に行ってみた。
しかし、健康診断の窓口で「15歳以上でないと受けられません」と断られてしまった。
そんな条件があるなんて思いもしなかった私は、頭を抱えた。
仕方なく、年1回くらいしか訪れたことのない、近所の小さなクリニックに相談したら、英文での健康診断書も快く発行してくれた。
ローザンヌのようなボリュームのあるヘルスポリシーにも対応してくれた。
その上、HPVワクチンの3回接種のうち2回までしか摂取できていなかった娘の、残りの1回をドイツで受ける分について、現地の医師が分かるように申し送りを作成してくれた。
こうしてわかったのだ。
相談し、対応してくれた時点で、それが「かかりつけ医」になる。
年1回でも、身近で頼りになる医師。それが私たちにとっての「かかりつけ医」だったのだ。