【バレエ留学】ヘルスポリシー
すらっとした背の高さ、細くて頭も小さく、腰の位置が高い。手足が長くて足の甲も出ている。
見た目は完璧でも、書類選考で落とされる場合がある。
娘が留学後初めて挑戦したのが、ローザンヌ国際バレエコンクールへの申し込みだった。このコンクールでは、独自の「ヘルスポリシー」という基準がある。
コンクールに参加するには、申し込み時に健康診断を受け、医師のサイン入りの証明書を提出しなければならない。
一般的な健康診断に加え、日常の食生活や体重管理に関する意識調査のような質問項目も含まれている。その時点での健康状態だけでなく、将来的にダンサーとして長く踊り続けられるかという資質も見られるのだ。
特に注意が必要なのは、低体重や低血圧の場合、書類選考で不合格になる可能性があることだ。アジア人は骨格的に肩幅が狭く、痩せて見えやすいため、目をつけられやすいとも聞く。
ローザンヌのヘルスポリシーでは、BMIの最低基準が定められている。例えば、16歳の申し込み時点ではBMI 16.5以上が必要だ。実際にはBMI 17以上あった方が安心とされている。身長160cmの場合、体重は42〜43kg程度が目安だろう。しかし、この数値はバレエをやっている子にとって特別細い印象ではない。
高校生になると筋肉量が増え、見た目以上に体重があることも多い。それなのに、成長途中の体重イメージを引きずって不安になり、無理なダイエットで体調を崩すケースも少なくないのではと思う。
世の中の流れからして、今後はさらに厳しい基準が求められるようになるかもしれない。もしバレエで海外留学を考えているなら、体重が軽すぎると、美しく上手に踊れても書類選考で落とされる可能性があることを知っておくべきだ。
成長期のうちに、太らずバランスよく食べる知識を本人にしっかり教えることは重要だ。中学生の頃までにその知識を身につけておくことが、バレエを長く続ける土台になるのではないかと思う。