まよいどころ
社会福祉士として、相談援助業務に従事している。
クライエントのニーズを聞きだし、関係機関やサービスを調整して、必要であれば制度につないで、時にはクライエントやその家族に助言をして…
そんな中で悩むのは、調査の法的根拠とそれが及ぶ範囲はどこか、自分の役職の仕事の枠はどこまでか、どこまでなら法的根拠を持って仕事として動けるのか。そして、どうケースワークをするか。
正直、悩みに悩み尽くしたって、何度も何度もあのケースワークでよかったのかな?と振り返ってやまないケースもある。正解はないけれど、絶対にやっては行けない禁止事項のある世界、というのが今の業界のイメージ。禁止事項は法令に違反することと専門職の知識や倫理に照らし合わせてタブーとされることを原則しないこと。
まだまだ知識不足で、スーパーバイザーにあれこれ訊ねる日々。今のスーパーバイザーは、迷う/迷わないの線引きがしっかりしている。
迷わなくていいもの。法律で定められていること。法律は動かせないものだから調べてそれに則って行動する。
迷うこと。ケースワークの流れ、クライエントや関係機関へのアプローチの仕方。クライエントの課題を整理するために、不足している社会調査はなにか。課題解決のために必要な社会資源はなにか。社会福祉士の調査だけでは不足する情報を、どの専門職にお願いしてとるか。
昨年視聴した「きみの色」で主人公が口にするニーバーの祈りを思い出す。
「神よ、変えられるものについてはそれに立ち向かう勇気を、変えることのできないものについてはそれを受け入れる落ち着きを、そして両者を見極めるための賢さを、私に与えたまえ」
変えられるものと変えられないものの区別がしっかりついているイメージ。スーパーバイザーは、事案によって根本の対応がずれない。やはり、動かせないものを意識して動くからだと思う。
私は悩む時間が多すぎて、まだスーパーバイザーのように、緩急はつけられていない。
「24時間はすべてのケースワーカーに平等に与えられているから」
耳の痛い言葉だが、胸に刻み付けておきたい。
自分のケースワークを振り返るとやはり、社会福祉士の勉強で学んだことが大いに役立っていると感じる。
今年は、新カリキュラムになり、多くの受験生が不安な中で受験に臨んだのだと思う。
実際に解いてみたが、少なくとも私の働く分野からの出題はかなり実務よりで最近の法改正を意識したものになっていたと思う。
相談援助職としてのキャリアがスタートすれば、援助理論や法律の知識がケースワークの基礎となる。
特に、1年目から相談援助職に配属されれば、下積み期間は無く就職して直ぐに相談に乗らなければならない。
しばらく問題が不安定な時期が続くと思うが、実務で必要不可欠なポイントを抑えた国試が続くことを願う。
ここまでえらそうに書いているが、まだ2年目が終わるところ。数年後の自分がこのnoteを見返した時にどんな気持ちになるか楽しみである。