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映画『インファナル・アフェア』こってり豚骨ラーメン映画。(ネタバレ感想文 )

15年ぶりの鑑賞。その時だって公開から3,4年経っていて、面白いともっぱら評判だったのでとりあえず観た感じだったんですが、その当時の感想。

「評判の屋台のラーメンを半信半疑で食べてみたら思った以上に美味くてスープまで一気に飲んでしまったような感じ。実に美味い。」

今回の再鑑賞も、たまたまCSでやっていたので「最初だけちょっと観るか」と観始めたら最後まで観ちゃった。みんな大好きこってり豚骨ラーメン。
ただ、「スープまで一気に飲んでしまった」ので替玉はしてないんですよ。シリーズ2、3は観ていない。

初回感想時に「いずれまがい品が横行するんだろうな。店の味を再現したとかいうカップ麺とか、ハリウッドリメイクとか。」と書いていたんですが、ハリウッドリメイク『ディパーテッド』(06年)はアカデミー賞獲ったっていうじゃないですか。観てないけど。なかなかのトンデモ設定だと思うんですけどね。え?日本ドラマでもリメイクしたの?こんなトンデモ設定なのに?

この映画の面白さって「駆け引き」だと思うんです。
そう考えると、こんなガチャガチャ慌ただしく演出せずに、もっと手に汗握る「静寂」があってもいい。
ただ、まあ、香港映画だからね。これが台湾映画だったら違うんだろうけど。台湾映画は静謐、香港映画は熱血のイメージ。

でも最近、こういう「計画がばれた!」「計画がばれたことがばれた!」「計画がばれたことがばれたことがばれた!」みたいな、駆け引きというか攻防戦って少なくなった気がしませんか?何故なんだろう?
最後にどんでん返し!的なことじゃなくて、知的攻防戦が積み重なるような映画を観たいんだよな。『ジャッカルの日』(73年)みたいなさ。

ジョン・ウーもそうなんだけど、香港映画(特にこの香港ノワールと呼ばれるジャンル)って「B級グルメ」感がある上に、架空の都市の架空の時代のお話しに見えるんです。
チャンドラー的なハードボイルドとも違うし、日本の任侠映画とも違う。
なんかね、香港だけ地球外都市みたいなんだよ。うまく言えないけど。

そう考えると、アンディ・ラウとトニー・レオンの競演は宇宙的奇跡だったし、ケリー・チャンは地球規格外の美人だったな。
(2021.05.30 CSにて鑑賞 ★★★★☆)

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監督:アンドリュー・ラウ/アラン・マック/2002年 香港

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