ドラマ『終りに見た街』 時代の産物でもあり超今時でもある(ネタバレ雑感)
テレビ朝日開局65周年記念 ドラマプレミアム『終りに見た街』。
放送日は2024年9月21日。録画していたものをやっと鑑賞。
原作は山田太一。
山田太一自身が脚本を書いて、1982年と2005年に映像化されているそうです。3度目の映像化となる今回の脚本は宮藤官九郎。
率直な感想は、クドカン脚本の軽妙な面白さもさることながら、「山田太一がこんなSFを書いてたんだ!」という驚きです。
同じようなことを、倉本聰脚本、岡本喜八監督『ブルークリスマス』(1978年)でも思ったことがあります。倉本聰がSF書いたんだ!って。
私が思うに、1980年代前後って、SFの時代だったように思うんです。
んー、厳密には70年代かな?
山田太一も倉本聰もほぼ同い年で、小学生くらいで終戦を迎えていると思うんです。有体に言えば、一夜にして世の中の価値観が180度転換して「大人は信用できねー」を経験した世代。だからかどうか分かりませんが、山田太一も倉本聰もその脚本作には「人と人の価値観の相違」が描かれることが多いように感じています。子供が食ってる途中でしょうが!
それはさておき、1980年代前後って、時間経過と好景気が重なって、世の中の戦争の記憶が薄れつつあった時期のようにも思います。
そんな中、山田太一も倉本聰も、戦争を描くために「SF」を利用したようにも思うんですよね。いや、勝手な推測ですけど。
第1回星雲賞受賞の筒井康隆『霊長類南へ』と同じですよ。あれは1970年か。
そういった意味で、この話は「時代の産物」のようにも思えるのです。
その一方でね、ウクライナもそうだし、中東情勢もね、極めて今日的な話でもある。お隣の国がいつミサイル発射するかわからないし、隣の大陸国は海洋進出したくてたまらないみたいだし。
でも、こういう暗いオチって、今時のドラマでは珍しいですよね。
なんか、久しぶりにこういうのを見た気がする。