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映画『【推しの子】 The Final Act』 ドラマ未見者には推せない俺の推し映画(ネタバレ感想文)

監督:スミス/2023年 東映(2024年12月20日公開)

原作マンガ未読、アニメも観ていません。YOASOBIの「アイドル」はカラオケで歌ったことがありますけどね(<あるのかよ)。
ひょんなことからアマプラで実写版ドラマを鑑賞。
面白くて全8話を一気見。こんなこと滅多にない。
ドラマ一気見の2日後には映画館に足を運んでいました。

とは言っても、万人には推しませんよ。
面白いけど、いろいろ雑な面もありますし。
特に映画はドラマの決着編。ドラマ観てないと意味不明なシーンも多く、映画単体としては評価し難い。
でも、そんな粗さも些末なもので、それを補って余りある「エモさ」を感じちゃったんです。何だろうな?例えるなら『ガラスの仮面』的な面白さ。
『ガラスの仮面』大好きなんだけどな。未完のまま終わっちゃうのかな。
美内すずえ先生、井の頭公園辺りを散歩してるらしいじゃない?「紅天女」はどうなるのさ?

そもそもこのドラマを観ようと思ったきっかけは、元天才子役・有馬かな、ならぬ安達祐実と志田未来が観たかったんですけどね。同情するなら金をくれと14歳の母。ああ、ウチのヨメはアックン目当て。我が家では金子ノブアキをアックンと呼んでいます。
そしたらさあ、ホント、役者の無駄遣いしてんのよね。
ドラマ版なら黒沢あすかや野田クリスタル、映画なら剛力彩芽や岡田結実や渋谷凪咲。片山萌美なんかドラマも映画も出てるんだけど、多くの人はドラマと映画を繋ぐ重要人物であることに気付いていないんじゃないかな?

ただ、役者という意味では、メインキャストはハマっていたと思うんです。
原作を知らんので似てるかどうかは分かりませんが、役柄と違和感がない。特に齋藤飛鳥は「絶対的なアイドル」としての存在感・説得力があった。別に好きではないんですけどね。ナントカ坂系は誰が誰やら。私はももクロ推しだったから。
そういや、このスミスって監督は、ももクロの「あんた飛ばしすぎ!!」のMV撮ってるな。

MV出身の監督が撮るドラマや映画って、「俺の映像ドヤッ!」っていう「ドヤ感」満載のイキってるもんですが(<断言)、この作品はそうでなかったことが好印象でした。
おそらく、原作の風味を損なわないよう丁寧に調理されたのでしょう。
映像の凝り方という点では、この映画で16mm風やホームビデオ風の画質のシーンがありますが、それもちゃんと意味のある演出となっている。監督の自己満足で終わっていない。

そんなこんなでドラマと映画をゴッチャに語っていますが、ドラマを貫く縦軸っていうのがあるんですけど、多くのドラマの場合、この縦軸が「取って付けた」ようなパターンが実に多い。
分かりますかね?「取って付けパターン」。
ドラマ各話のラストに突然謎の人物から電話がかかってきて「おや?この主要人物は何か裏があるのかな?」と視聴者に思わせて次話に引っ張ったりするやつ。正直、そんな引きがなくても各話のエピソードでドラマが成立しちゃってる場合が多い。この縦軸の結末がツマランで最終回でガッカリみたいなことも多い。

ところが本作が良く出来ているのは、そのミステリーとしての縦軸が主人公の行動原理になっているんです。つまり、縦軸が不可欠。
逆に言えば、その縦軸が無ければ主人公は行動を起こさず、各話のエピソードも始まらない。大きな話としての縦軸と小さな各話エピソードの横軸がきちんと絡んでいる。
さらに言えば、ドラマ全8話は、どちらかと言えば横軸の描写に軸足が置かれ、主人公兄妹の周囲の物語を通じて「芸能界」を描いている。
一方、「解決編」である映画版は「兄妹」の話を主軸として縦軸に回帰していくんです。その全体構成も良く出来ていた。

ドラマの勢いのまま映画観ちゃったから、グッときちゃったんですよ。
個人的にはねえ、有馬かなと黒川あかねがグッとくるんで、ドラマの方が好きなんですけどね。

有馬かな
黒川あかね

(2025.01.07 新宿バルト9にて鑑賞 ★★★★☆)

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