映画『憐れみの3章』 脳がバグった人たちのエグいコメディ(ネタバレ感想文)
原題は『Kinds of Kindness』。
「優しさの種類」とでも訳すんでしょうかね?
まあ、邦題通り3章から成るお話ですがね。
3つの異なる物語を、同じ役者たちが、異なる役を演じるという変な作り。
エンディングテロップが始まってすぐに離席した客は、大オチを見逃すという仕掛け。
いま一番面白い監督のヨルゴス・ランティモス。
だいたいこの監督の映画は、面白いんだか面白くないんだか、よく分からなくて面白い。
本作もそうです。傑作とか佳作とかいろんな作品がありますが、これは一口に言うなら「狂作」。超いかれてる。
でも、コメディなんですよね。
ブラック・コメディというか、声を出して笑うようなコメディではないですけど。
もっとも、「マッケンローのラケット」と「セナのヘルメット」は声出して笑っちゃった。
私は『哀れなるものたち』(2023年)を「18禁哲学映画」と評していますが、本作も同様だと思うんです。
3章とも「死と性と食」を巡る話。
ある意味、哲学。R15+映画だけど18禁。
第2章のあのビデオも笑ったけど、あれは誰が撮影したのさ?
(2024.09.29 渋谷WHITE CINE QUINTにて鑑賞 ★★★☆☆)