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【人事/採用】中途入社者の活躍支援のポイント

こんにちは!People Treesです。
人事に関わる情報をお伝えする「人事のツボ」コラム第2弾です(・ω・)♪
第1弾記事は下記からご覧いただけます。

経営者・人事担当者の方はぜひご一読ください!


中途入社者の活躍支援のポイント~オンボーディングで組織風土をアップデート~

「どんな仕事を任されるかは会社次第」という考え方から、「自分自身のキャリアは自分で切り開く」という考え方へのシフトが進んでいます。それに伴って、転職をしてキャリアを積む人も増えてきました。また、新型コロナウイルスの流行が、自分の働き方について考え直す契機となり、転職希望者が増加したという調査結果も報告されています。

企業においても、人手不足の解消だけでなく、DXの推進や新規事業の創出など、これまで自社で取り組んだことのない領域へのチャレンジを実現するために、外部の採用を考える機会も増えてきているのではないでしょうか。
今回は、異なる企業文化を持つ会社で働いてきた人に、自社で活躍してもらうための仕組み「オンボーディング」のポイントについて紹介します。

People Trees合同会社 COO 中谷 真紀子

【コラム筆者プロフィール】
中谷 真紀子(People Trees合同会社 COO)
<略歴>
一橋大学卒業後、リクルートにて採用・人材開発・組織開発に携わる。2014年に江崎グリコに転じ、経営企画・人事の立場で同領域及びD&I、CSR推進を担当。2019年にリクルートHDに戻り、役員直下プロジェクトにてエンゲージメント向上を起点としたEmployee Experienceデザインを担当。その後、参天製薬のタレントマネジメント責任者として従事。2019年6月、People Trees合同会社を共同創業。主にエンゲージメント向上・DE&I推進等の組織開発領域やISO30414取得支援、人材育成などのテーマで企業及び自治体の支援を行いながら、自社のチーム作りを推進。
ISO30414 リードコンサルタント/アセッサー


1.中途入社者がぶつかる3つの壁

新しい環境には誰もが期待と不安を持っているものです。新しい会社ではどんな仕事を任せてもらえるのだろうか、という期待。一方で、本当に自分が望んでいたような環境がそこにあるのか、という不安。入社から半年間はその期待と不安を乗り越えて「この会社で働く意味」を入社者が見つけるためのとても大切な時期になります。まずは入社者が新しい環境でぶつかると”3つの壁”についてご紹介しましょう。

①企業文化の壁
文化は人の言葉や行動から作られます。面接では組織の企業文化まではなかなかわからないもの。入社者がまず悩んでしまうのが”企業文化の壁”。会議に出ても言葉がわからない、周囲の人が当たり前のように読んでいる「空気感」がわからない…等々、見えない・わからないからこそストレスもかかります。

②仕事の壁
同じ職種や領域でも進め方が全く違うのが仕事。自分が主に担当する業務はもちろんですが、会議室の予約、経費清算、備品の購入方法、予定の確認方法など、付随する手続きも多岐に渡ります。仕事で成果を出すための土台として、仕事を進めるためのルールや仕組みを知ること。これが成果を出すまでのスピードを大きく左右すると言っても過言ではありません。

③成長の壁
”文化の壁””仕事の壁”を乗り越えた先に直面するのが”成長の壁”です。転職をした方は何かしらのレベルアップ(年収、キャリア、裁量、働き方など)を求めて働く場所を選んだ事でしょう。「本当にこの職場で働くことが、自分にとって良い選択だったのか?」この問いに納得できるか悩んでしまうのが”成長の壁”です。

2.相互理解を深めるコミュニケーション

このような壁に入社者がぶつかる前に、どのように対応し、環境を整えていくのが良いのでしょうか?その鍵となるのがコミュニケーションを通じた相互理解です。
中途入社者は業務のスキルや経験という意味では即戦力ですが、その会社のルールや仕事の進め方という意味では全くの素人です。社会人経験のない新卒入社者と違い、比較対象となる他社経験を持っているため、会社のことを理解してもらうためには、より丁寧に、会社のことを知ってもらうための努力が必要です。

そのためには、中途入社者とも定期的にコミュニケーションを取る機会を確保することが有効です。
これは上司や人事が担当しても良いですし、組織内でのコミュニケーションについて第三者的な立場で解説をしたりアドバイスをするために、斜めの立場の先輩や転職経験者がメンターのような立場で支援をすることも効果的です。
企業文化や仕事の進め方、自分のキャリアについて、ふと疑問を感じたときや悩みそうになった時に気軽に聞ける相談相手を確保しておくと良いでしょう。

3.「健全な違和感」を取り込んで、組織の常識をアップデート

中途入社者は入社時こそ、新しい組織に違和感を感じますが、半年もすると新しい環境に適応してしまうものです。入社当初は違和感を感じたことも、気づけば日常生活の一部となり、違和感を唱えるエネルギーも失われてきます。だからこそ、入社者がまだ新鮮な感覚を持っている期間にお勧めしたいのが、入社者の違和感をテーマとした座談会です。

ある会社では、半年ごとに中途入社者を集めて、経営者と入社者の座談会を人事部が開催していました。テーマは「この会社の変なところ」。役員とは一緒にエレベーターに乗れない、お客様に出す飲み物がない、他部署の人と会える機会がない…等々、多種多様な意見が出てきます。中途入社者の視点というのは、ある意味社外から見た自社の組織課題とも捉えることができます。
新たな入社者を組織に迎える機会を、自社をもっと働きやすい会社、選ばれる魅力的な会社にアップデートする機会として活用してみてはいかがでしょうか。

以上のように、中途入社者の早期活躍支援においては、最初の半年がとても重要です。面談、メンター、座談会など各種接点をうまく盛り込みながら、それぞれの会社らしい「オンボーディング」をぜひデザインしてみて下さい。

【オンボーディング】
新入社員が効果的な組織メンバーおよびインサイダーになるために必要な知識、スキル、および行動を習得するためのメカニズム。

『出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


【「人事のツボ」コラム】
東京経済株式会社さんが発行されている「東経情報(九州版)」にて、人事に関わる情報をお伝えする「人事のツボ」というコラムの連載が2022年8月からスタート。東京経済さんの許可をいただき、note内でもコラム記事内容をご紹介しております。


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